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病院の監視カメラ導入ガイド|プライバシー配慮と効果的な設置のポイント

病院内では転倒事故や不審者の侵入、職員へのハラスメントなど、さまざまなリスクへの対策として監視カメラの導入が重要です。
一方で患者様や職員のプライバシー保護との両立が課題となり、導入に踏み切れない施設も少なくありません。

本記事では、病院における監視カメラの導入目的や効果に加え、プライバシーに最大限配慮した運用ルールを明確にするための設計ポイントや具体的な導入手順について詳しく解説します。

この記事を読めば、目的・範囲・掲示・保存期間・閲覧権限といった設計ポイントと、法令遵守に基づく運用ルール策定まで含めた病院に最適な監視カメラシステムの導入・運用手順が具体的にイメージできるようになります。

【この記事でわかること】
病院に監視カメラが求められる背景
病院に監視カメラを導入することにより期待できる効果
プライバシー配慮と法令に沿った運用方法

特に、病院に監視カメラを設置する際に気になるのは、「プライバシーはどう守られるのか」という点です。診察室や病室といったデリケートな空間での運用は、患者様やご家族の安心感にも直結します。

株式会社セキュアでは、介護施設や病院に適した監視カメラソリューションをご提案しています。プライバシーに配慮しながら監視カメラの導入・買い替えをご検討の方は、下記フォームよりお問い合わせください。担当者がご連絡のうえ、貴院の状況に合わせた資料をお届けします。

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病院に監視カメラが必要な理由

病院は、命に関わる医療行為を行うと同時に、不特定多数の人が日常的に出入りする特殊な環境です。そのため、盗難、不審者の侵入、患者様と職員間での暴力やトラブルなど、多岐にわたるリスクが常に存在しています。

こうした背景から、病院では主に次の3点を目的に監視カメラの設置が求められます。

  • 患者様・来訪者の安全を守る
  • 医療事故・トラブルへの備え
  • 職員の安全と働きやすさの確保

監視カメラによる予防措置がない場合、患者様の事故や不審者侵入を防げず、病院の信頼低下や訴訟リスク・人材流出など重大な損失につながるおそれがあります。実際に事故や訴訟が発生すれば、ケースによっては数百万円〜数千万円規模の損害に及びかねません。

こうしたリスクを未然に防ぐための予防的投資として、監視カメラの導入は合理的な選択といえます。

病院に監視カメラを設置する際に期待される効果

本章では、カメラを導入することでどのように現場の安心と効率が高まるのかを、3つの視点から解説します。

  1. 患者様の安全確保と見守り強化
  2. 犯罪抑止・証拠保全の実効性
  3. 職員保護・労務環境の改善

病院における監視カメラは、防犯機器としてだけではなく「安全と安心」を支えるためのツールです。カメラの導入効果を正しく理解することで、「導入すべきか」「どのエリアに配置すべきか」といった経営・運用判断がしやすくなります。

効果1.患者様の安全確保と見守り強化

病院での最優先事項は、患者様の安全と健康を守ることです。監視カメラを活用することで、転倒や徘徊といった異常行動を早期に察知し、事故の未然防止やスタッフの迅速な対応につなげる体制を築けます。

特に夜間や人員の少ない時間帯では、カメラによる見守りが安全管理の重要な補完手段となります。

【監視カメラが患者様の安全確保に役立つ例】

  • AIや画像解析により徘徊や転倒を検知し、異常を早期に把握して初動対応を迅速化
  • 映像を遠隔で確認できるため、現場到着前に状況を把握し、適切な準備と対応が可能
  • カメラの存在が不審者や患者様同士のトラブルを抑止し、院内の秩序と安全性を維持
  • 映像記録が事故原因の究明や再発防止に役立ち、明確な運用ルールの周知により信頼性が向上

こうした運用を通じて、病院全体で「予防・検知・対応・改善」のサイクルを回し、患者様の安心と信頼を高めることができます。

効果2.犯罪抑止・証拠保全の実効性

監視カメラは、犯罪やトラブルの発生を防ぐ抑止力となると同時に、万が一の際には客観的な証拠を残す役割を果たします。

病院という公共性の高い空間では、抑止・証拠・改善の3つの観点で大きな効果を発揮します。

1.抑止

  • 「カメラ作動中」の掲示と、人目につきやすい位置への設置が心理的な抑止力として作用する
  • 不審者や盗難行為を思いとどまらせ、院内の秩序と安全を維持できる

2.証拠保全

  • 事件・事故発生時には、高画質な映像が「発生日時・関係者・経緯」を明確に示す客観的証拠となる
  • 映像があることで、警察・保険会社・関係者間での事実確認がスムーズに行える

3.再発防止

  • 証拠映像は、単に犯人を特定するだけでなく、トラブル発生時のスタッフの初動対応や現場の動線を客観的に振り返るための貴重な資料となる
  • 検証結果をもとに、セキュリティ上の脆弱な箇所(死角や運用上の穴)を特定し、再発防止策の策定や運用ルールの改善へとつなげるPDCAサイクルが回せる

このように、監視カメラは「事件を記録する」だけでなく、記録をもとに組織の安全管理体制を継続的に改善するための基盤になります。

参考:医療機関における安全管理体制について|厚生労働省

効果3.職員保護・労務環境の改善

病院における監視カメラの導入は、患者様や来訪者によるハラスメントや暴力行為などのトラブルから職員を守ります。また、安心できる職場環境を作るうえでも重要です。監視カメラは、次の2つの側面から職員の保護と労務環境の改善に貢献します。

1. ハラスメント・暴力行為の抑止と証拠確保

  • 監視カメラの存在そのものが、暴言や暴力といったハラスメント行為の強力な抑止力となる
  • 万が一トラブルが発生した際には、映像記録により状況を把握しやすくなり、迅速な事実確認や適切な対応、職員の安全確保に役立つ

2. 精神的負担の軽減と安全意識の向上

  • トラブル発生時に映像で事実確認が容易になると、職員の精神的負担を軽減する
  • 映像を研修や情報共有に活用することで、リスクへの安全意識と適切な対応力が組織に浸透する
  • 監視カメラは、職員にとっての心理的なセーフティーネットとしても役立つ

職員が安心して働ける環境を整備することは、働きがいのある質の高い医療を提供できる基盤となります。このような環境は職員のエンゲージメントを高め、結果として定着率の向上や離職率の防止にもつながり、病院全体の持続的な発展が期待できます。

病院の監視カメラにおけるプライバシー保護の注意点と対策

病院における監視カメラの設置は、安全確保に極めて有効です。しかし、カメラの設置場所が不適切な場合や利用目的・撮影範囲を周知していないなどの不透明な運用は、「常時監視されている」という不信感を招き、場合によってはプライバシーの侵害となるおそれがあります。

システムを信頼して活用してもらうためにも、以下の具体的な注意点と対策を理解し、法令を遵守した運用を行いましょう。

  1. 同意取得の考え方と「要配慮個人情報」への対応
  2. 閲覧権限・ログ管理・持ち出しに関する厳格な運用
  3. 保存期間の考え方と映像の適切な消去
  4. 信頼を築くための組織体制の構築

監視カメラの運用において、「安心」を損なわずに「安全性」を高めるには、「誰が(閲覧権限)」「どこを(撮影範囲)」「どのくらい(保存期間)」といったルールを導入前に定めることが重要です。

対策1.同意取得の考え方と「要配慮個人情報」への対応

監視カメラは安全確保に役立つ一方、個人を識別できる画像を扱うため、個人情報保護法に則った運用が必要です。

プライバシー侵害になりやすい例は以下のとおりです。

【プライバシー侵害になりやすい一例】

1.目的を超えた広すぎる範囲・長時間の撮影/私的領域(病室・更衣室など)の常時撮影
 ・病室内部(ベッド・処置台側)を常時録画する
 ・廊下カメラのズームで病室内の処置・着替え・カルテ掲示まで継続的に映り込む
 ・保存期間を「無期限」などとして期限を定めない

2.防犯目的を超える二次利用(教育・人事評価など)
 ・防犯目的で得た映像を、研修教材として編集・配布する
 ・映像を職員に同意なしで勤怠・査定資料に流用する

3.患者様・来訪者が気付けない運用(掲示がない、問い合わせ先が不明)
 ・受付・会計周辺で録画しているのに「カメラ作動中」掲示や問い合わせ窓口の記載がない

4.安全管理措置が不十分(誰でも見られる、暗号化なしなど)
 ・監視カメラの映像を見るためのID・PWの職員共有やアクセス制御・ログがない
 ・クラウドに暗号化しないでデータを転送する

5.監視カメラの不透明な運用(顔照合の有無や使い道が示されない)
 ・顔認証で入退室管理を開始したのに、顔識別を使っている事実・利用目的・問い合せ先を掲示および公表していない

参考:医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス|個人情報保護委員会

【注意点】

病院で扱う情報は「病歴・障がい・健康診断結果・診療内容」など、本人の社会的不利益につながり得るため、要配慮個人情報に該当します。

この情報を含む映像の取得や利用には、本人の明示的な同意が原則として必要です。

【対策】

  • 撮影可否の基準を明確化する
    • 例:手術室・ナースステーション=可(安全確保目的)/病室・診察室=原則不可
  • 本人同意と説明を行う
    • 同意が必要なケース→診療行為やプライバシー領域が映るカメラ
    • 説明すべき内容→設置目的/保存期間/問い合わせ窓口/利用範囲
  • 掲示・文書での周知を徹底する
    • 患者様や来訪者が一目でわかる位置に「録画中」「目的」「問い合わせ先」を明記する

参考:医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス|個人情報保護委員会

【個人情報・個人情報保護法・要配慮個人情報とは?】

個人情報
 生存する個人に関する情報で、単体または他の情報と容易に照合して特定の個人を識別できる情報、または個人識別符号を含む情報

▼カメラ映像が個人情報にあたる可能性がある場面の例
 ・受付の定点映像→顔と氏名が表示された診察券が同時に映り込んでいる場合
 ・廊下の俯瞰映像→人影のみで個人が特定できないように見えても、入退館ログと照合できる状態にある場合
 ・顔映像の扱い→状況によっては「個人の顔そのもの」が、個人を識別できる情報(記述等)として扱われる場合がある
 ※顔の特徴量をデータ化したものは「個人識別符号」に該当し得るため、取り扱いには注意が必要

個人情報保護法
 個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利や利益を守ることを目的とした法律

▼病院で監視カメラを使用する際の留意点(法令遵守の前提)
 ・監視カメラの目的(防犯・事故対応など)の正当性を明確にする
 ・撮影範囲は必要最小限に設定する
 ・映像データの保存期間を適切に定める
 ・閲覧・利用できる職員の権限を限定する

要配慮個人情報
 差別・偏見などの不利益を避けるため、取扱いに特に配慮が必要な個人情報

▼該当する情報の例
 ・人種・信条・社会的身分・病歴・障がいに関する情報
 ・調剤カウンターの映像→薬袋のラベルから薬品名が読み取れ、その情報から診療・調剤内容が推測できる場合
 ・外来案内モニターの映像→特定の診療科名と患者様の氏名が同時に表示され、個人を特定できる状態で撮影されている場合

 参考:「個人情報保護法」を分かりやすく解説。個人情報の取扱いルールとは? | 政府広報オンライン

顔認証・顔照合など特定の個人を識別する高機能カメラを用いる場合は、従来の防犯目的のカメラ使用時以上に、詳しい説明や情報の厳格な管理(暗号化、アクセスログなど)が求められます。

  • 詳細な説明(利用目的・識別の仕組み・保存範囲)を明示
  • 取得データの暗号化・アクセスログ管理の徹底
  • 第三者提供の有無や目的を事前に文書で通知

こうした手順を経ることで、患者様や職員からの信頼を損なわず、安全とプライバシーを両立したシステム運用が可能になります。

対策2.閲覧権限・ログ管理・持ち出しに関する厳格な運用

映像データは、安易に第三者が閲覧したり、院外へ持ち出されたりすると重大な情報漏洩リスクに直結します。

【注意点】

  • 誰でも閲覧・コピーできる状態では、内部からの情報漏洩リスクが高まる

【対策】

  • アクセス権限を細分化する
    • リアルタイム監視/録画再生/データエクスポートの権限を別々に設定
    • 閲覧できるのは、安全管理部門または情報管理責任者など限られた職員のみ
  • 操作ログを取得・監査する
    • 「誰が・いつ・どの映像に・どのような操作をしたか」を自動記録し、月1回など定期的にチェック
  • データ持ち出しの条件を明文化する
    • 警察など外部提供は責任者承認+提供日時・目的・提供先の記録を必須化
    • 提供データは暗号化またはパスワード保護を義務づける

情報漏洩リスクを未然に防ぎ、監視カメラに対する信頼性を維持するためには、これらの厳格な運用ルールと、操作ログに基づく第三者監査の体制を確立することが重要です。

対策3.保存期間の考え方と映像の適切な消去

映像データの長期保存は、情報漏洩が発生した場合に流出する個人情報の量が増え、プライバシー侵害のリスクを高めます。また、データ容量が増えることにより管理コストや運用負担の増加にも直結するため、適切な保存期間の設定が欠かせません。

【注意点】

  • 映像を長期間残しすぎると、情報漏洩や管理コスト増加につながる
  • 一方で短すぎると、事故・訴訟対応の証拠を失うおそれがある

【対策】

  • 保存期間を明確に定義する
    • 防犯目的:おおむね30日以内
    • 医療事故検証目的:3〜6ヵ月
    • 訴訟・苦情対応:案件単位で別保存(責任者判断)
  • 自動上書き・消去を設定する
    • 設定期間を過ぎた映像は速やかに消去するか、上書きによる消去を実施し、人為的ミスを防ぐ

参考:防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン|いわき市

映像データの保管は、安全確保という目的に応じた最小限の期間に留め、設定期間後の確実な消去・上書き手順を運用ルールに組み込むことが欠かせません。これにより、プライバシーリスクの低減とコスト削減を両立できます。

対策4.信頼を築くための組織体制の構築

病院での監視カメラ導入において、安全性の確保と患者様・職員への配慮の両立が最も重要です。

【注意点】

  • 特定の部署や担当者だけで運用していると、他部門との認識ずれやルール逸脱が生じやすい。

【対策】

  • 多部門連携によるルール策定
    • 総務・看護・情報管理などが共同で「目的・設置範囲・保存期間」を決定
  • 透明性ある説明資料の整備
    • 院内掲示や職員研修で、運用目的・問い合わせ先・責任者を明確に共有
  • 専門事業者への相談
    • 設備選定やログ・暗号化などの技術的設定は専門業者に確認し、拡張性を確保
  • 段階的導入と効果測定のステップ
    • 組織の信頼を得ながらシステムを効果的に運用するために、段階的な導入を推奨
【病院への監視カメラ導入3ステップ】

ステップ1.試験的導入
・一部の限定的なエリアでカメラを設置・運用し、運用ルールの周知を徹底する

ステップ2.効果の検証
・設定した指標を定点観測し、カメラの効果と職員・患者様からのマイナス面(圧迫感・負担感)の両方を評価する

ステップ3.ルール調整と拡大
・評価結果に基づき、運用ルールや設置範囲を調整する
・問題点が解決できたら、段階的に設置範囲を拡大し組織全体への定着を図る

このように、組織的・段階的・専門的な運用体制を整えることで、監視カメラは「監視のための装置」ではなく、「安全と信頼を支える仕組み」として定着します。

株式会社セキュアでは、専門知識を持った担当者がお客様のご要望をヒアリングしたうえで、施設の規模や状況に適したソリューションをご提案いたします。
監視カメラシステムの導入、または買い替えをご検討の方は、下記からお気軽にご相談ください。

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病院のエリア別・監視カメラの最適な設置方法

監視カメラの効果は、どこに、どのように設置するかによって大きく左右されます。本章では、病院でよくあるエリアごとに、目的に応じたカメラの設置ポイントを解説します。

  1. 出入口・受付・待合室
  2. 病棟・病室
  3. 診察室
  4. 手術室
  5. 薬品庫・機材室・バックヤード

病院では、各エリアでリスクとプライバシー配慮の度合いが異なるため、目的に合わせた適切なカメラ選定と設置が欠かせません。

セキュアでは下の図のような病院施設向けのトータルセキュリティをご提案しています。

出入口・ナースステーション・薬品庫・バックヤードといったエリアごとのリスクに応じて、1,000種類に及ぶ豊富なカメラとシステムを組み合わせてより安全な環境づくりや院内の業務改善を支援いたします。

病院での監視カメラの導入をご検討の方は、下記フォームより資料をご請求ください。担当者がご連絡のうえ、資料をお届けいたします。

エリア1.出入口・受付・待合室

出入口や受付、待合室は、来院者が最初に通る場所であり、トラブルの発生を未然に防ぐための最重要エリアです。

このエリアでは「顔の識別」「人の流れの把握」「トラブル時の証拠確保」を目的に、カメラの設置位置と画角を慎重に設定する必要があります。

【設置の目的】

  • 不審者や無断立ち入りの早期発見
  • 金銭授受・接客対応などのトラブル防止

来院者・患者様・スタッフの動線の可視化と安全確保

【設置ポイントと注意事項】

  • 出入口
    • 入退場時に顔がしっかり映る高さに設置する(目安:約2.3〜2.7m)
    • 自動ドア付近では逆光になりやすいため、WDR※(ワイドダイナミックレンジ)対応カメラが推奨される
※WDR(ワイドダイナミックレンジ)とは

明るい部分と暗い部分が混在する環境(例:日中の窓際や出入口)でも、両方を識別できる映像に自動補正する機能です。これにより、光が強すぎて「白飛び」したり、影が暗すぎて「黒つぶれ」したりするのを防ぎ、人や物の特徴を確実に記録できます。
  • 受付
    • 窓口全体を俯瞰し、やり取りの様子が確認できる位置(2.5m前後)に設置すると十分な効果が期待できる
    • 書類や端末画面が映り込まないよう、レンズ角度と焦点距離を調整する
  • 待合室
    • 圧迫感を与えないよう天井設置+広角レンズを採用する
    • 天井高に応じて、手が届かない2.5〜3mを目安に取り付けることで、いたずら防止にもつながる

出入口・受付・待合室は病院の顔であると同時にトラブルの侵入を防ぐ最前線であり、確実な記録と抑止力の発揮が求められます。

エリア2.病棟・病室

病棟や病室では、患者様の安全確保を最優先しつつ、プライバシーを最大限に尊重した設置が求められます。運用ルールに基づいた利用者への説明と同意取得が重要です。

【設置の目的】

  • 転倒や徘徊などのリスクを早期に検知して事故を防止
  • 夜間や少人数体制でも安全を確保
  • トラブル発生時の客観的な記録と再発防止

【設置ポイントと注意事項】

  • 病棟(廊下・共用部)
    • 曲がり角やエレベーター前・非常口など、死角になりやすい場所に優先して設置し広い範囲をカバーする
    • 万が一の事故やトラブル発生時の証拠保全に備え、顔や状況が明確に判別できる十分な画質と運用ルールに基づいた適切な保存期間を確保する
    • 患者様の「要配慮個人情報」を扱うデリケートな空間であることを踏まえ、映像の閲覧権限・保存期間・消去手順・同意取得などを詳細に定めた厳格な運用ルールのもとで運用する
  • 病室
    • ベッドと出入口を同時に確認できる、必要最小限の範囲に絞って設置する
    • 患者様の身体やプライベートな空間が直接映り込まないよう、角度・高さを慎重に調整する
    • カメラ設置の目的・撮影範囲・映像の保存期間・閲覧権限などを事前に利用者に説明し、可能な限り同意を得るのが望ましい

繰り返しになりますが、病院は患者様の「要配慮個人情報」を扱うデリケートな空間です。映像の閲覧権限や保存期間、消去手順、同意取得などを詳細に定めた厳格な運用ルールのもとで運用することが、安心と信頼の確立につながります。

エリア3.診察室

診察室では、医師と患者様のやり取りが行われるため、カメラを設置する場合には、安全確保や医療品質向上など正当な目的がある場合に限ることが原則となります。

目的を明確にし、プライバシーを損なわない範囲での運用が重要です。

【設置の目的】

  • 暴言や暴力などのトラブルが想定される患者様対応時の記録と防止
  • 医療手技の確認や教育目的での記録
  • 【設置ポイントと注意事項】
    • 医療安全・教育・トラブル防止など、具体的な設置目的を明示し、患者様へ事前に説明・同意を得ること
    • 「録画中」「安全確保のため記録しています」などの掲示も行う
    • 撮影は医療手技部分など、必要最小限の範囲にとどめる
    • 採血台や診察台を中心に、患者様の顔や電子カルテ画面が映り込まない角度・範囲に限定して撮影する
    • 映像の利用は、医療安全や手技向上といった正当な目的に限定し、教育・評価目的での安易な二次利用は避ける

診察室へのカメラ設置は、患者様のプライバシーに十分配慮したうえで、「必要性」「最小限」「透明性」の3原則に沿って慎重に運用することが求められます。

エリア4.手術室

手術室は、医療行為の中でも特に専門性が高く、倫理的な配慮が強く求められるエリアです。

監視カメラにより記録された映像は、医療の質向上やインシデントの検証に役立ちます。

ただし、撮影・保存・利用のすべての段階で、法令と院内倫理基準に則った厳密な運用が求められます。

【設置の目的】

  • 医療技術の検証
  • 術式の教育・研修
  • 手術中の安全管理(インシデント発生時の検証など)

【設置ポイントと注意事項】

  • 院内規定や倫理審査の定めに厳密に従い、患者様への同意取得や個人が特定できないような匿名化処理などを適切に実施する
  • 手術室特有の照明のちらつきや逆光といった環境下でも、鮮明な映像を記録できるよう調整可能なカメラを選ぶ

手術室のカメラは、医療技術の検証と倫理的な記録保全という特殊な目的を持つため、院内の規定と連携システムを前提とした選定と運用が欠かせません。

エリア5.薬品庫・機材室・バックヤード

薬品庫・機材室・バックヤードは、高価な薬品や機材が保管されており、盗難や不正持ち出しのリスクが高い場所です。そのため、重点的に監視を行い、厳重なセキュリティ体制で徹底的にリスクを排除することが求められます。

【設置の目的】

  • 医薬品・機材の盗難・持ち出し防止
  • 入退室履歴と映像の照合による内部統制強化
  • 不正アクセスや誤操作発生時の事後検証・原因追跡

【設置ポイントと注意事項】

  • 入退室管理システム(例:ICカード)と監視カメラを連携させ、誰がいつ入室したかというログ情報と映像記録を紐づけることで、物理セキュリティを強化できる
  • 「監視中」ステッカーや警告表示などを併用することで、潜在的な犯罪者への心理的プレッシャーを高め、犯罪抑止効果を一層高められる

高価な資産や管理の厳しい薬品を守るため、厳重なセキュリティ体制で不正持ち出しのリスクを徹底的に排除しましょう。

病院に適した監視カメラの選び方

病院では、出入口の逆光や細長い廊下など設置環境に特徴があるため、条件に合ったカメラを選ぶことが大切です。次の2点に注意してカメラを選びましょう。

  1. 環境別のタイプ選定(ドーム/ボックス/PTZの使い分け)
  2. 夜間対応・高画質・音声・遠隔監視の要否

安全性とプライバシー配慮を両立するには、設置場所の条件に合ったカメラを選定し、少ない台数で効率的に監視することがポイントです。

選び方1.環境別のタイプ選定(ドーム/ボックス/PTZの使い分け)

カメラの形状にはそれぞれ適した環境と目的があります。設置環境に応じて最適なタイプを選びましょう。

▼出入口

逆光への対策として、WDR(逆光補正)に対応したボックス型やバレット型のカメラがおすすめです。設置することで、来訪者の顔を明瞭に記録できます。

▼受付や待合室

圧迫感を抑えるためにドーム型を用い、全体を俯瞰できるカメラと窓口の手元を確認できるカメラを組み合わせるのが効果的です。

▼ロビーや駐車場など広い空間

PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラ※を導入することで、状況に応じて寄りや広角の映像を柔軟に切り替えられます。

※PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラとは

PTZカメラは、遠隔操作でカメラの向き(上下左右)やズームを自由に変えられる高性能なカメラです。広範囲を一台で監視でき、異常発生時にはオペレーターが手動または自動でズームインし、インシデントの具体的な映像を撮影できます。

広いロビーや駐車場など、状況に応じて監視範囲を柔軟に切り替えたい場所に有効です。

▼薬品庫やバックヤード

固定ドーム型カメラで鍵、受け渡し台を同じ画面に収められるように設置すると、人と物の動きを同時に確認できます。

▼屋外や出入口の外側

防塵・防水性能(IP規格相当)や耐衝撃性能を備えた筐体を選ぶことで、環境に左右されにくい安定した監視が可能です。
参考:IP規格・防水保護構造及び保護等級|日本エイ・ヴィー・シー株式会社

選び方2.夜間対応・高画質・音声・遠隔監視の要否

病院は24時間稼働しているため、夜間対応や柔軟な運用ルールに対応できる機能性の選定が必要です。
ここでは、導入時に特に注目すべき5つの機能を紹介します。

1.夜間対応・低照度性能

  • 夜間や廊下など光量の少ない場所では、低照度性能や赤外線(IR)機能の有無を確認する

2.高画質(解像度)

  • 事故やトラブル発生時に、顔や手元の動作を識別できることが前提となる
  • フルHD(1080p)相当以上を目安とすると、証拠保全としての能力が高まる

3.音声機能(マイク)の要否

  • 受付窓口や出入口など、やり取りの記録が必要な場所では、マイクを備えた機種を選ぶことで、映像だけでなく音声による客観的な事実確認が可能になる
  • ただし、内蔵マイクは周囲の環境音の影響を受けやすく、肝心な音声がうまく拾えないことがある
  • 状況に応じては、目的に合わせた外部マイク(指向性マイクなど)の併用を検討する
  • 音声を録音する時は、運用ルールに基づいたプライバシーへの配慮をする
※会話の内容まで記録する場合、映像のみの場合よりも高いレベルでの同意や周知が必要になるケースがあります。トラブル防止のため、音声機能は受付など「やり取りの記録」が必要な場所に限定して運用することをおすすめします。

4.遠隔監視・録画システム

  • 遠隔監視を想定する場合、管理室だけでなく、タブレットなどのモバイル端末からでも院内のカメラ映像を確認できる仕組みを導入すると効果が期待できる
  • クラウド録画を利用すれば、拠点をまたいだ管理や災害時のデータ損失回避が可能
  • ネットワーク切断が起きても録画が止まらないように、カメラ内のSDカードによる録画を併用しておくと良い

5.将来の拡張性

  • 将来の拡張性も考慮した機種を選んでおくと、システムの更新時や他の(入退室管理などの)システムとの連携がスムーズ

遠隔監視は、夜間・休日体制をとる病院にとって、初動対応の迅速化を可能にする有効な手段のひとつです。一方で、「高額な専用機材がなければ導入できないのでは」と考えられがちですが、既存のPCやタブレットでも運用が可能です。専用機材を導入しなくても、コストを抑えて遠隔から状況を確認できる体制を整えられます。

遠隔監視の具体的な仕組みや、既存のパソコンを活用して映像を確認する手法については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

監視カメラシステムは、技術面や運用ルールに関する専門知識が求められるため、導入判断を行う経営層にとっても、専門知識なしで最適解を見極めるのは容易ではありません。

株式会社セキュアでは、病院の規模や運用体制、プライバシーへの配慮レベルなど、お客様の環境に応じた監視カメラソリューションをご提案しています。

導入の具体的なイメージを知りたい方や専門家のアドバイスを受けたい方は、担当者よりご連絡のうえ資料を送付させていただきますので、下記のお問い合わせフォームよりお申し込みください。

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参考:病院に監視カメラを導入する費用構成

最後に、病院に監視カメラを導入する際の費用構成について紹介します。

主な費用項目は次のとおりです。

カメラ本体の費用設置台数・性能(例:PTZ・全方位対応など)・種類(ドーム型・バレット型など)によって変動する
映像記録・管理機器の費用・オンプレミス型の場合
 レコーダー、サーバーなどの機器費用がかかる
・クラウド型の場合
 サービス利用料金に必要な初期設定費用などが含まれることが多い
設置工事にかかる費用配線作業・カメラ設置場所の複雑性・複数フロアにわたるネットワーク構築の有無などによって変動する

また、監視カメラシステムを継続的に運用するには、以下のランニングコストも必要です。

電気代システム全体の消費電力に応じた費用
メンテナンス・保守費用・定期点検、故障時の修理、システムアップデートなどにかかる費用
・オンプレミス型の場合
 機器の維持管理費用や交換費用が発生することがある
・クラウド型の場合
 管理費用はサービス費用に含まれることが多いが、契約内容によるので確認が必要
クラウド利用料クラウド型システムやクラウド録画サービスを利用する場合の月額料金

上記以外にも、セキュリティレベルやデータ保存期間、運用・管理の手間など、オンプレミス型とクラウド型それぞれに検討すべき内容があるため、十分な検討が必要です。

オンプレミス型とクラウド型のどちらが貴院に最適か、さらに詳しく比較検討したい場合は、以下の記事もご参照ください。

現在の状況や希望する監視方法に最適な費用プランは、ご相談を通じて具体的にご提示できます。まずは、お気軽に現状の課題やご要望をお聞かせください。

 

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安全とプライバシーを両立する監視カメラの運用を始めよう

病院の監視カメラは、防犯だけでなく患者様の見守りや医療事故の振り返りにも活用できます。プライバシー保護と安全確保を両立させるには、撮影範囲の最小化、わかりやすい掲示・説明、映像閲覧ルール、適切な保存期間の設計が重要です。

自院の状況や予算に応じて段階的に導入し、運用開始後は効果検証と負担軽減の両方を継続的に見直しながら、より良いシステム運用を目指していきましょう。

株式会社セキュアの監視カメラソリューション「SECURE VS」は、医療施設特有の動線や業務フローに適した設置・運用プランをご提案します。導入をご検討の際は、下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

専任担当者がヒアリングのうえ、施設規模やご予算に合わせたご提案をさせていただきます。

 

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監修者

セキュリティマーケター

和田 麗奈

保有資格:防犯設備士(優良)

株式会社セキュアに入社後4年間、セキュリティソリューション営業に従事。多岐にわたる業界・業種の課題解決に貢献する。
現在はマーケティングチームに所属し、現場での経験を活かしながら活動中。

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