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工場の防犯対策7選|盗難被害の実態とリスクを高める特徴を解説

防犯カメラや入退室管理で盗難を防ぐ工場のイラスト

工場の管理責任者や経営層の方にとって、事業資産と従業員を守る防犯対策は経営上の重要な課題です。

しかし、「何から手をつければよいのか分からない」「投資対効果を経営層にどう説明すればよいのか」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、製造業の総務・工場管理責任者の方を主な対象に、近年の被害動向から代表的な7つの対策、業種別のポイント、導入までの進め方までを体系的に解説します。

株式会社セキュアでは、工場の防犯対策に適した監視カメラや入退室管理システムをご提案しています。
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目次

工場の窃盗・盗難被害の実態【公的資料から見る被害動向】

金属盗の被害動向と工場の監視体制を表したイラスト

工場で実施すべき防犯対策を考える前に、まず「今、工場でどのような被害が、どの規模で発生しているのか」を公開されている公的データで把握しておくことが欠かせません。

ここでは、警察庁の公的統計をはじめとする公的データをもとに、工場で発生している被害の実態を整理していきます。

金属盗の認知件数は令和7年に1万5,712件

警察庁が公表した『令和7年の犯罪情勢』によると、金属盗の認知件数は令和7年に15,712件でした。

令和6年の20,701件から4,989件(24.1%)減少したものの、統計を取り始めた令和2年(5,478件)と比べると約2.9倍に当たります。

特に、銅製ケーブル・グレーチング・敷鉄板など、工場や太陽光発電施設で使用される金属資材が被害対象となりやすく、被害は地域を問わず各地で確認されている状況です。

▼金属盗の認知件数推移(令和2年〜令和7年)

認知件数前年比
令和2年5,478件(統計開始)
令和3年7,534件+37.5%
令和4年10,368件+37.6%
令和5年16,276件+57.0%
令和6年20,701件+27.2%
令和7年15,712件-24.1%

令和7年は前年から減少しましたが、統計開始時と比べると依然として高い水準です。

工場で使用・保管する金属資材や設備の状況を確認し、防犯対策を継続的に見直すことが欠かせません。

参考:警察庁「令和7年の犯罪情勢」

工場でも注意したい金属盗を取り巻く3つの背景

金属盗の認知件数が統計開始時より高い水準にある背景には、金属価格や組織的な盗品流通など、複数の要因があります。

単に件数の増減だけを見るのではなく、金属盗を取り巻く環境を把握して、自社の保管・警備体制を見直すことが重要です。

▼金属盗リスクが高まりやすい3つの要因

要因内容
金属価格の高騰金属価格の高騰を背景に、換金目的で狙われる可能性がある
組織的・広域的な事犯金属盗や盗品の海外への不正輸出など、組織的・広域的な事犯が確認されている
無人時間帯・管理上の死角夜間・休業日など無人となる時間帯や、人目につきにくい資材置き場では、異常の発見が遅れるおそれがある

こうした状況を受け、国も法整備を進めています。

令和7年6月20日に公布された「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(金属盗対策法)」は、ケーブルカッターなどの犯行用具の隠匿携帯を禁止するものです。

令和7年9月1日からは、違反者に1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を科す罰則が適用されています。

令和8年6月1日からは、特定金属くず買受業者への届出義務化などの制度も適用され、法的な枠組みの整備がさらに進みました。

事業者側にも、防犯体制の見直しが求められる局面といえるでしょう。

参考:警察庁「金属盗対策」

工場が被害に遭うと発生する4つの損失

工場が窃盗・盗難被害に遭った場合、実際の経営インパクトは「盗まれた物の金額」だけにとどまりません。

以下の4つの損失を総合的に見積もる視点が有効です。

▼被害発生時に生じる4つの損失

損失の種類内容
直接的な金銭的損失盗まれた資材・機材・現金などの金銭価値
復旧費用切断された配線の交換工事、破壊されたフェンス・扉の修繕など、被害額を上回るケースも
事業停止による機会損失電気設備が破壊された場合の生産ライン停止、復旧が長期化する場合も
信頼失墜による長期的影響取引先からの納期遅延クレーム、従業員の不安、採用への悪影響

特に注意すべきなのが、3つ目の「事業停止による機会損失」です。

たとえば受変電設備の銅線が切断されると、生産ライン全体が停止するだけでなく、復旧に時間を要する場合があります。

この間の売上機会損失は、盗難品の金額を上回りかねません。

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保管物や無人時間帯、既存設備を確認し、被害リスクに合わせた対策をご提案します。

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工場で盗難被害の対象となりやすい4つの物品

工場で盗難対象になりやすい金属資材・機材・情報機器・私物のイラスト

工場で実際に窃盗・盗難の対象となりやすい物品は、大きく4つのカテゴリに分類できます。

それぞれの対象物について「なぜ被害対象となりやすいのか」「どのようなリスクがあるのか」を理解しておくことで、自社工場の保管方法や警備強化の優先順位を判断しやすくなります。

対象1.金属資材(銅線・鉄板・グレーチング)

金属盗で被害が多い品目の一つが、屋外に保管されている金属資材です。

警察庁の金属盗対策検討会の資料によると、令和5年の金属盗の品目別構成比では、金属ケーブルが全体の約54.8%、グレーチングが10.4%、敷鉄板が6.7%を占めており、これら3品目だけで7割以上に達しています。

また、材質別では銅が51.8%と過半数を占め、被害総額は約132億9,000万円、うち銅の被害額が約97億8,000万円にのぼりました。

屋外の資材置き場や電気設備の周辺、太陽光発電施設に敷設された金属ケーブルなどは、被害対象となりやすい品目・場所として注意が必要です。

敷地の奥まった場所や道路から見えにくい位置に保管されている資材は、特に被害発覚が遅れやすく、対策の優先度が高いといえます。

参考:警察庁「第1回金属盗対策に関する検討会 資料」

対象2.電動工具・発電機などの高額機材

電動工具・発電機・溶接機といった機材は、1点あたりの単価が高額で、持ち運びやすく、中古市場でも容易に転売できるため、古くから窃盗の標的となっています。

特に工場でありがちなのが、「貸出記録が曖昧」「所定位置に戻していない」「夜間はそのまま現場に置きっぱなし」といった管理ルールの甘さです。

こうした状況では盗まれたこと自体の発覚が数日〜数週間遅れてしまい、証拠の追跡も困難になります。

対策としては、資産台帳を整備したうえで、機材ごとに社名や管理番号を刻印するマーキングやGPS発信器の取り付けなどが有効です。

後述する「対策5.資材へのマーキング・GPS発信器」で詳しく解説します。

対象3.PC・タブレットなどの情報機器

事務所や作業場に置かれているPC・タブレットは、物品としての価値だけでなく、内部に保存されている機密情報や個人情報の流出リスクという観点からも極めて重要な防犯対象です。

近年では、製造ノウハウや設計データ、取引先情報などが経済的価値を持つことが広く認識されており、情報機器は外部犯だけでなく内部犯行の対象にもなりやすい傾向があります。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の調査でも、営業秘密の漏えいルートとして「現職従業員によるルール不徹底」や「金銭目的の内部不正」が上位を占めています。

情報機器の管理では、物理的な防犯と情報セキュリティの両面から対策を考えることが重要です。

参考:IPA「組織における内部不正防止ガイドライン」

対象4.従業員の現金・貴重品(更衣室・ロッカー)

意外と見落とされがちなのが、更衣室やロッカー内にある従業員の私物です。

財布・スマートフォン・鍵・腕時計などが標的となるケースは工場でも発生する可能性があり、従業員から総務部門への相談をきっかけに発覚することが多い傾向にあります。

このタイプの盗難は、関係者の出入りが多い場所で発生する場合もあるため、個人を疑うのではなく、客観的な記録とルールに基づく慎重な対応が不可欠です。

個人を疑うようなトーンで調査を進めれば、職場全体の信頼関係が損なわれかねません。

対策としては、ロッカーの施錠徹底、貴重品の持ち込みルールの明文化、更衣室への防犯カメラ設置などが挙げられます。

ただし、更衣室へのカメラ設置はプライバシーへの配慮が必須であるため、設置範囲や運用ルールを慎重に検討する必要があります(詳細は後述の「対策7」で解説します)。

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盗難リスクが高まりやすい工場の5つの特徴【セルフチェック】

盗難リスクを高める工場の立地・外周・死角・無人時間を表したイラスト

自社の工場が「盗難リスクが高い状態」になっていないかを客観的に把握することは、防犯対策の第一歩です。

ここでは、盗難リスクが高まりやすい工場に共通する5つの特徴を紹介します。

1つでも当てはまる項目があれば、対策の検討を始めるタイミングといえます。

特徴1.死角が多く監視の目が行き届かないレイアウト

建物配置や設備の影、資材の積み上げなどによって死角が多い工場は、犯行を見つけにくく盗難リスクが高まりやすい傾向があります。

犯行者にとって「身を隠せる場所がある」ことは、侵入を決断する大きな要因の一つです。

対策としては、敷地内をくまなく見渡せる動線設計を意識するほか、死角になりやすい場所には防犯カメラを配置することが有効です。

特徴2.目立たない場所に資材置き場がある

屋外の資材置き場、特に道路から見えにくい奥まった場所にあるものは、犯行が発覚しにくく被害が拡大しやすい環境です。

「周囲から見えない」という状況は、犯行者にとって最も好都合な条件の一つといえます。

対策としては、センサーライトで接近をけん制するとともに、遠隔監視カメラや侵入検知センサーを組み合わせ、無人時間帯でも異常を把握できる仕組みを整えることが重要です。

特徴3.外構からの侵入が容易・施錠が甘い

フェンスが低い・破損している、施錠がチェーンや南京錠のみ、複数の出入り口が管理されていないなど、物理的な侵入障壁が弱い工場では、侵入リスクが高まりやすくなります。

基本となる対策は、破損したフェンスや門扉の補修、出入口の集約と施錠強化、夜間の車両ゲートの閉鎖などです。

必要な費用や工事規模は敷地の広さや既存設備によって異なるため、侵入されやすい出入口や破損箇所など、リスクの高い場所から優先的に対策しましょう。

特徴4.夜間・休業時に完全な無人となる

夜間や休業日に完全に無人となる工場は、犯行に時間をかけられるため、被害が大きくなりやすい特徴があります。

特に金属資材の盗難では、ケーブルの切断や搬出に一定の時間を要するため、「長時間無人である」ことが犯行の成立を左右する要因です。

対策としては、機械警備の導入や、不審者検知時に警備会社・管理者へ通報する仕組みを整えることで、発見までのタイムラグを短縮できます。

特徴5.周辺地域に人通りが少ない・郊外立地

郊外や山間部など、周辺に人通りが少ない立地の工場は、目撃者が出にくく、犯行リスクが低いと見なされる傾向があります。

近隣住民の見守りが期待しにくい環境では、自社で監視・検知の仕組みを用意しておくことが不可欠です。

また、地域の自治体や警察との連携、近隣事業者との見守り協力体制の構築も、長期的なリスク低減につながります。

実際に山梨県など、金属盗被害が確認されている自治体では、事業者向けに注意喚起と連携の呼びかけを行っています。

参考:山梨県「銅線ケーブルの盗難被害にご注意ください」

株式会社セキュアでは、自社工場のリスク診断から状況に応じた防犯対策のご提案まで、専門担当者による支援が可能です。

「うちの工場はどの特徴に当てはまるのか」「まず何から始めればよいのか」といった初期のご相談も歓迎しています。

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死角・外周・資材置き場・入退室の状況を整理し、優先順位の高い対策からご提案します。

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工場で実施すべき防犯対策7選

防犯カメラ・入退室管理・外周警戒など工場の7つの防犯対策を表したイラスト

ここからは、工場で実施すべき防犯対策を7つに分けて見ていきましょう。

対策の順序は「侵入を未然に防ぐ → 侵入を検知する → 被害を最小化する → 内部のリスクにも備える」という流れで設計しており、それぞれの対策の効果・特徴と、経営層への提案時のポイントにも触れていきます。

自社工場の状況に応じて、優先順位を付けながら段階的に導入を検討してみてください。

対策1.防犯カメラ・監視カメラの設置

工場の防犯対策として、基本的な対策の一つが防犯カメラ・監視カメラの設置です。

常時録画による証拠確保と、カメラが設置されていることによる視覚的な犯行抑止効果の両方が期待できます。

屋外用の防水・耐候性に優れた機種、夜間も鮮明に撮影できる暗視機能付き、不審な動きをAIが自動検知する高度な機種など、用途に応じて多様な選択肢があります。

工場の規模や設置場所に応じて、適したカメラを組み合わせることが重要です。

なお、工場に特化した監視カメラの選び方や、360°カメラの活用事例については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

関連記事→ 工場での監視カメラ活用方法と360°カメラのすすめ

対策2.入退室管理システムの導入

「誰が・いつ・どこに入退室したか」を記録・制限する入退室管理システムは、外部からの不審者侵入を防ぐだけでなく、内部不正の抑止や、有事の際の証拠確保にも有効な対策です。

認証方式にはICカード、顔認証、QRコード、指紋認証などがあり、工場では衛生管理や手袋着用を考慮し、非接触で認証できる顔認証などを選択肢として検討できます。

特に食品工場では、顔認証や虹彩認証は、手袋を着けたまま認証できる方式として、衛生管理と防犯を両立する選択肢の一つです。

また、入退室記録は、勤怠記録を確認する際の資料としても活用可能です。

厚生労働省は、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間などの客観的な記録を基礎として、始業・終業時刻を確認・記録する方法を示しています。

ただし、入退室時刻は在社時間を示すもので、労働時間そのものと必ずしも一致しません。

勤怠管理に利用する場合は、勤怠記録との突合や実態確認が必要です。

参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

関連記事→ 工場の入退室管理システム導入のポイント

関連記事→ 工場の入退室管理は顔認証へ

対策3.外周フェンス・センサーライト・侵入検知センサー

敷地の外周対策は、建物内部に侵入される前に、不審者の接近をけん制し、異常を早期に把握するための対策です。

フェンスや門扉を破損や隙間がない状態に保ち、夜間は照明やセンサーライトで死角を減らすことが基本です。

必要に応じてフェンスセンサーや赤外線センサーなどを設置し、警報や通報と連動させることで、異常の早期把握につながります。

福岡県警察は、犯人が事前に下見をして防犯設備の設置状況を確認することがあると注意喚起しており、防犯カメラ、センサーライト、機械警備、フェンス整備などを対策例として挙げています。

費用や施工規模は設備によって異なるため、出入口、資材置き場、死角など、リスクの高い箇所から優先順位をつけて対策しましょう。

参考:福岡県警察「金属窃盗対策」
参考:公益社団法人 日本防犯設備協会「施設セキュリティ 工場」

対策4.警備員配置・機械警備の活用

人による巡回警備や機械警備は、侵入などの異常を早期に把握し、対応につなげるための対策です。

一般社団法人全国警備業協会によると、機械警備とは、対象施設にカメラやセンサーを設置し、警備会社の集中監視センターで侵入・火災などの発生を監視したうえで、異常時に警備員が現場へ駆けつけて対処する仕組みを指します。

常駐警備、巡回警備、機械警備のどれが適しているかは、工場の規模、無人となる時間帯、警戒対象、必要な対応レベル次第です。

料金も、対象面積、出入口やセンサーの数、外周警戒の有無、工事内容、契約期間などによって変わります。

現地調査を受け、初期費用、月額料金、契約期間、解約条件を含む個別見積もりを確認しましょう。

参考:一般社団法人 全国警備業協会「警備業とは?」

対策5.資材へのマーキング・GPS発信器

高額機材や金属資材そのものに対策を施すというアプローチも、近年注目されている対策の一つです。

社名や管理番号を刻印するマーキング、GPS発信器の取り付けなどにより、盗難品の追跡と、転売市場での流通抑止につなげることができます。

金属盗対策法は、特定金属くず買受業者に届出や取引時の確認・記録保存などの措置を求める内容です。

盗品が流通市場で発見されやすい環境が整ってきており、マーキングやGPS発信器の活用も対策の一つとして検討しやすくなっています。

参考:警察庁「金属盗対策」

対策6.内部不正対策(従業員教育・ルール整備)

外部からの侵入対策だけを強化しても、内部からのリスクには対応できません。

IPAが公表した『企業における営業秘密管理に関する実態調査2024』によると、営業秘密の漏えい情報で最多だったのは「製造に関するノウハウ、成分表等」で61.5%でした。

製造業では、外部からの侵入対策に加え、情報管理や持ち出しルールを含む内部リスクへの備えも欠かせません。

こうした不正行為は「動機」「機会」「正当化」の3要素が揃ったときに発生しやすいとされており(不正のトライアングル理論)、企業が最もコントロールしやすいのが「機会」の排除です。

監視カメラの設置や入退室管理、アクセス権限の適切な運用は、まさに不正を実行できる機会を減らす対策にあたります。

重要なのは、「誰かを疑う」のではなく、「誰もが不正を起こさないで済む環境を整える」という視点で取り組むことです。

参考:IPA「企業における営業秘密管理に関する実態調査2024
参考:IPA「組織における内部不正防止ガイドライン」

対策7.事務所・更衣室の私物管理ルール

従業員の私物盗難を防ぐためのルール整備も、職場の安心感を守る重要な防犯対策です。

個人ロッカーの施錠徹底、貴重品の持ち込みに関するルール、盗難発生時の報告フローの整備など、仕組みとして「盗まれにくく・発覚しやすい」環境を作ることが目的となります。

更衣室周辺への防犯カメラ設置は、私物盗難の抑止策の一つとして検討される場合がありますが、プライバシー権との関係には十分な配慮が必要です。

更衣室内部の撮影はプライバシー侵害につながるおそれがあるため、原則として避けなければなりません。

やむを得ず周辺にカメラを設置する場合も、撮影範囲は入口付近や共用通路など必要最小限に限定し、利用目的・保存期間・閲覧権限を明確にしたうえで、従業員への事前説明を行う必要があります。

設置にあたっては、個人情報保護委員会の資料を参照し、利用目的、撮影範囲、保存期間、閲覧権限を社内ルールとして明確にしたうえで、従業員への事前説明・周知が必要です。

また、カメラが作動中であることを認識できるよう、設置場所での表示も検討します。

労務管理上のトラブルを避けるためにも、運用ルールの明文化は欠かせません。

参考:個人情報保護委員会「従来型防犯カメラを設置する際の留意点」

防犯カメラ・個人情報に関する注記 防犯カメラの設置・運用にあたっては、撮影目的、撮影範囲、保存期間、閲覧権限を明確にし、従業員への事前説明や社内ルールの整備を行うことが重要です。特に更衣室・休憩室などプライバシー性の高い場所では、必要最小限の範囲に限定して慎重に運用する必要があります。

株式会社セキュアでは、これら7つの対策のうち、防犯の中核となる「監視カメラ」と「入退室管理」の両方を自社ソリューションとしてご提供しています。

工場の規模や業種、レイアウトに応じた適した組み合わせを、導入実績14,000社以上のノウハウをもとにご提案できます。

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場所別に考える工場の防犯対策ポイント

製造設備が並ぶ工場内の様子

工場の防犯対策は、エリアごとのリスク特性に応じて優先順位をつけることで、限られた予算を配分しやすくなります。

ここでは、工場の主要な5つのエリアについて、重視すべき対策のポイントを整理します。

敷地境界・出入口

敷地境界と出入口は、外部からの侵入を食い止める「第一の防衛ライン」です。

フェンス、門扉、車両ゲート、そして入退場記録の管理が中心的な対策となります。

特に複数の出入口を持つ大規模工場では、業務時間外は出入口を1箇所に集約し、そこに警備員や入退室管理システムを配置することで、管理効率と防犯効果の両方を高められます。

車両の出入りについても、ゲートでの記録・確認を徹底することが重要です。

屋外資材置き場

金属資材や完成品の置き場は、金属盗の被害対象となる可能性があるため、特に注意したいエリアです。

監視カメラ、センサーライト、遠隔監視の組み合わせによって、無人時間帯でも異常を検知できる体制を整えることが求められます。

レイアウト設計の段階から資材を道路や事務所から見通せる場所に配置すれば、犯行を発見しやすい環境づくりにつながります。

被害リスクを下げるうえでは、死角を作らない配置が欠かせません。

工場内・生産ライン

工場内部では、入退室管理によるエリア区分、生産設備の稼働監視を兼ねたカメラ活用が効果的です。

製造エリアと事務エリア、原材料保管エリアなどを明確に区分し、それぞれに適切な権限レベルを設定することで、従業員の動線管理と異常の早期発見を両立できます。

生産ラインに設置するカメラは、防犯目的に加え、品質管理や作業状況の確認にも活用できる点が特徴です。

活用目的と必要な機能を整理しておくことで、導入の目的を社内で説明しやすくなります。

事務所エリア

事務所エリアは、PCや書類を通じた情報漏えいリスクと直結する重要エリアです。

施錠ルール、来客者対応のフロー、PCやキャビネットの管理ルールなど、物理的な対策と運用ルールをあわせて整備する必要があります。

特にアルバイト従業員や派遣社員、業者の出入りが多い工場では、事務所エリアへのアクセス権限を明確に分けることが、情報漏えい予防の基本となります。

更衣室・休憩室

更衣室と休憩室では、従業員の私物を守るための管理が必要です。

個人ロッカーの施錠、貴重品の持ち込みルール、必要に応じた共用通路へのカメラ設置などを検討します。

前述のとおり、更衣室内部の撮影はプライバシー権との関係で慎重な判断が必要です。

更衣室周辺にカメラを設置する場合は、着替えを行う場所やロッカー内部、私物が映り込む範囲を避け、入口付近や共用通路など必要最小限の範囲に限定しましょう。

従業員への事前説明・周知を行い、撮影目的や運用ルールを明確にすることが、トラブルの防止につながります。

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敷地境界、資材置き場、製造エリア、事務所まで、場所ごとのリスクを整理して対策を設計します。

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業種別に異なる工場の防犯対策のポイント

食品・金属加工・化学薬品工場に応じた防犯対策のイラスト

工場と一口に言っても、業種によって守るべき対象や対策の優先順位は大きく異なります。

ここでは、代表的な3つの業種について、それぞれの防犯対策のポイントを整理します。

自社の業種に該当するセクションを重点的にご参照ください。

食品工場の場合(フードディフェンス対策)

食品工場で特に重要となるのが、フードディフェンス(食品防御)の視点です。

フードディフェンスとは、製品への意図的な異物混入や毒物混入といった、悪意を持った人物による攻撃から食品の安全を守るための取り組みを指します。

過去には、食品工場の従業員が製造ラインの食品に薬剤を混入させる事件が発生し、大規模な製品回収と多額の特別損失、ブランド毀損につながった事例も報告されています。

この種のリスクは、外部からの侵入者ではなく、製造エリアにアクセスできる従業員による内部犯行が中心となるのが特徴です。

そのため、入退室管理による「誰がいつ製造エリアに入ったか」の記録が、犯行の抑止と有事対応の両方で極めて重要な役割を果たします。

▼食品工場における防犯対策の重点ポイント

  • 顔認証や虹彩認証による非接触の入退室管理(手袋着用のままでも認証可能)
  • 製造ラインへの監視カメラ設置(異物混入の抑止と証拠記録)
  • 原料・仕掛品・完成品のエリア区分と、段階的なアクセス権限設定
  • 従業員の持ち込み物品の管理ルール(透明ポーチ、ノーポケット白衣など)

関連記事→ フードディフェンスとは?その重要性と対策法

部品・金属加工工場の場合

部品・金属加工工場では、原材料となる金属資材に加え、加工途中の仕掛品や完成部品も盗難の対象となる可能性があります。

とくに屋外の資材置き場は、周囲から見えにくい、または車両で搬出しやすい場合があるため、保管方法や監視体制に注意が必要です。

重点ポイントとしては、フェンス強化や侵入検知センサーといった外周対策、屋外資材置き場への監視カメラ設置、高額機材のマーキングやGPS管理などが挙げられます。

また、図面データや加工ノウハウなどの技術情報も保護すべき資産であり、情報機器へのアクセス管理と物理的な防犯を組み合わせた多層的な対策が有効です。

化学・薬品工場の場合

化学・薬品工場では、薬品の盗難や流出が重大事故につながる可能性があるため、他の業種以上に厳格な管理が求められます。

危険物や規制対象物質の管理、環境汚染リスクへの配慮など、防犯の枠を超えた安全管理と密接に関係する領域です。

重点ポイントとして、エリア別の入退室管理(特に危険物保管エリアの権限制限)、薬品の厳格な持ち出し管理、異常検知時の即時通報体制の整備などが挙げられます。

危険物関連法令との整合性を取りながら、物理セキュリティと化学物質管理の両方の観点から、専門家の助言を受けながら対策を組み立てることをおすすめします。

工場の業種に応じた監視カメラ・入退室管理の活用方法を確認したい方は、各ソリューションの詳細をご覧ください。

 

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工場の防犯対策の進め方|検討から導入までの4ステップ

工場の防犯対策を現地調査から導入・運用まで進める流れのイラスト

防犯対策の必要性を理解したあと、次に検討したいのが「実際にどう進めればよいか」という実務的な道筋です。

ここでは、現状把握から運用開始までの進め方を4つのステップで整理します。

経営層への提案や、社内での合意形成の際にもご活用ください。

STEP1.現状リスクの洗い出し

まずは、自社工場の弱点を客観的に把握することから始めます。

本記事の「盗難リスクが高まりやすい工場の5つの特徴」のチェックリストを活用して、自社の状況を一つひとつ確認してみてください。

より精度の高い診断を行いたい場合は、防犯設備の専門家による現地調査(無料で対応しているベンダーもあります)を活用するのも有効です。

社内の目では気づきにくい死角や、施設構造に由来するリスクなどを、第三者の視点から整理してもらえます。

STEP2.対策の優先順位を決める

洗い出したリスクに対して、被害が発生した場合の影響度と、現在の対策状況を踏まえて優先順位を決めます。

すべての対策を一度に実施するのではなく、侵入されやすい出入口や死角、屋外の資材置き場など、リスクの高い場所から施錠、照明、防犯カメラなどを見直すのが第一段階です。

そのうえで、必要に応じて入退室管理システムや機械警備などを組み合わせ、侵入防止から検知・対応までの体制を段階的に整えましょう。

STEP3.信頼できるベンダーを選ぶ

ベンダー選定では、以下の4つの観点でチェックすることが重要です。

▼ベンダー選定時の4つのチェック観点

観点確認ポイント
導入実績同規模・同業種の工場への導入実績があるか
サポート体制導入後の運用支援や故障対応が明確か
他システムとの連携可否既存の勤怠管理システムや警備システムと連携できるか
費用の透明性初期費用・ランニングコスト・保守費用が明確に提示されるか

これらを踏まえたうえで、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。

価格だけで判断するのではなく、提案内容の具体性や、自社の課題に対する理解度を総合的に比較することが、長期的な満足につながります。

STEP4.導入と運用ルールの策定

システムを導入しただけでは、防犯対策としての効果は十分に発揮されません。

運用ルールの策定と、従業員への周知徹底まで含めて初めて、投資の成果が得られます。

具体的には、カメラ映像の確認フロー、記録データの保存期間、入退室管理の権限設定、異常発生時の対応手順などを明文化し、定期的な見直しを行う体制を整えましょう。

運用開始後は定期的に運用状況を点検し、必要に応じてルールや設備を見直すことが、実効性の維持につながります。


ここまで4つのステップをご紹介しましたが、実際に進めようとすると「社内だけで検討すると視点に偏りが出ないか不安」「他社から受けた提案内容が適切なのか客観的に判断したい」といった場面も少なくありません。

株式会社セキュアでは、こうした各ステップでお客様と同じ目線に立ち、フィジカルセキュリティのプロとして伴走するサポートを行っています。

たとえばSTEP1の現状リスクの洗い出しでは、社内の視点だけでは見落とされがちな課題を、専門家の目線から一緒に整理することが可能です。

STEP3のベンダー選定では、大規模プロジェクトでRFP(提案依頼書:複数ベンダーへ要件を提示し提案を求める文書)を作成して比較検討する場面でも、お客様の側に立って各社の提案内容を客観的に評価し、戦略と実装の間にギャップが生まれないようご支援できます。

「実装まで一貫してお任せいただく」というかたちはもちろん、「他社からの提案を一緒に評価してほしい」といったご相談にも柔軟な対応が可能です。

具体的な導入工程を確認したい方は、監視カメラ・入退室管理それぞれの導入ステップ資料をご活用ください。

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監視カメラと入退室管理について、検討時のポイントから導入までの流れを資料で確認できます。

工場の防犯対策に関するよくある質問

最後に、工場の防犯対策を検討する際によく寄せられる質問にお答えします。

Q1.防犯対策にはどのくらいの費用がかかりますか?

工場の規模・立地・対策内容によって大きく異なるため、一律の金額を示すことはできません。

防犯カメラは設置台数や録画期間、入退室管理システムは扉数や認証方式、機械警備は対象面積やセンサー数、外周警戒の有無などによって費用が変動します。

費用を比較する際は、機器代だけでなく、設置工事費、保守費用、月額料金、契約期間、解約条件なども確認しましょう。

正確な費用を把握するには、現地調査を受けたうえで、複数の対策案と見積もりを比較することが重要です。

Q2.中小規模の工場でも対策は必要ですか?

はい。

工場の規模にかかわらず、金属資材、製品、設備、情報機器、従業員の私物など、守るべき対象がある場合は防犯対策が必要です。

予算が限られている場合は、すべての設備を一度に導入するのではなく、侵入されやすい出入口や死角、屋外の資材置き場などを確認し、施錠、照明、防犯カメラといった対策から優先順位をつけて進めましょう。

Q3.警察への通報はどのタイミングで行うべきですか?

盗難被害を発見した場合、または不審者・不審車両を見かけた場合は、迷わず110番通報を行いましょう。

「このくらいで通報してよいのか」と迷って連絡が遅れると、犯行者の逃走や証拠の散逸を招くおそれがあります。

現場では手を触れず、警察の到着を待つのが原則です。

被害状況の確認や証拠保全は、警察の指示に従って行いましょう。

Q4.防犯カメラの録画データは何日間保存すべきですか?

保存期間に一律の基準はありません。

個人情報保護委員会は、利用の必要性を考慮して保存期間を設定し、個人データを利用する必要がなくなったときは、遅滞なく消去するよう努める必要があるとしています。

撮影目的、事故や不正が判明するまでの期間、記録容量、社内規程などを踏まえて保存期間を定め、映像へのアクセス権限や削除方法も明文化しましょう。

参考:個人情報保護委員会「カメラ画像や顔特徴データ等の保有期間」

Q5.内部不正が疑われる場合、どう対応すればよいですか?

個人を特定して疑う前に、まずは事実関係の客観的な確認から始めましょう。

映像記録やアクセスログといった客観的な証拠に基づいて状況を把握し、労働法・個人情報保護法に配慮した手順で調査を進めることが重要です。

社内調査の進め方については、弁護士や専門機関への相談がおすすめです。

早期の段階で専門家と連携することで、トラブルの拡大を防げます。

調査時には、IPAの『組織における内部不正防止ガイドライン』も参考になります。

参考:IPA「組織における内部不正防止ガイドライン」

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工場内を監視する防犯カメラ

ここまで、工場の防犯対策について、被害の実態から具体的な7つの対策、業種別のポイント、導入までの進め方まで体系的に解説してきました。

防犯対策は、一度に完璧を目指すよりも、自社のリスクに応じて優先順位をつけ、段階的に整備していくことが現実的です。

しかし、「どこから手をつければよいか」「どのベンダーに相談すべきか」といった初期判断で迷う方も少なくありません。

株式会社セキュアは、創業以来20年以上にわたり、工場・倉庫・オフィスをはじめとする多様な施設のセキュリティ環境を支えてきました。

累計14,000社以上の導入実績から蓄積されたノウハウをもとに、お客様の施設特性に応じたソリューションをご提案しています。

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ソリューション概要
監視カメラソリューション(SECURE VS)屋外対応・AI検知・クラウド録画に対応した監視カメラ。複数拠点の一元管理にも対応
入退室管理ソリューション(SECURE AC)顔認証・ICカード・QRコードなど多様な認証方式に対応。労働時間管理との連携も可能

どちらのソリューションも、導入前の現地調査から運用開始後のサポートまで、ワンストップで対応できる体制です。

「まずは自社の現状を診断してほしい」「複数の対策を組み合わせたい」といったご相談も、お気軽にお寄せください。

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まとめ|工場の防犯対策は経営課題として段階的に取り組む

本記事では、工場の防犯対策について、近年の被害動向から代表的な対策、業種別のポイント、導入の進め方までを解説しました。

金属盗は令和7年に前年から減少したものの、認知件数は統計開始時の令和2年と比べて約2.9倍の水準です。

組織的・広域的な金属盗や盗品流通事犯は引き続き課題とされており、工場の防犯対策は、事業継続の観点から継続的に見直す必要があります。

対策を考える際は「侵入防止 → 検知 → 被害最小化 → 内部不正対策」という体系で整理すると、優先順位の判断がしやすくなります。

まずは自社工場の特徴をセルフチェックし、リスクの高い箇所から段階的に導入していくことが現実的なアプローチです。

株式会社セキュアでは、工場の規模や業種など、施設状況に応じたセキュリティ環境のご提案を行っています。

防犯対策についてのご相談や、現地診断のご依頼は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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本記事では、QRコードを用いた認証方式を「QRコード」と表記しています。QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

監修者

セキュリティマーケター

和田 麗奈

保有資格:防犯設備士(優良)

株式会社セキュアに入社後4年間、セキュリティソリューション営業に従事。多岐にわたる業界・業種の課題解決に貢献する。
現在はマーケティングチームに所属し、現場での経験を活かしながら活動中。

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