入退室管理システムの価格は何で決まるのか?価格に関わる項目を徹底解説!
目次
1.入退室/出入管理とは?
簡単に言うと、人の出入りを管理することです。部外者が勝手に入室することを防いだり、特定の部屋への出入りの記録を厳密にとることです。
- 外部からの出入口は常時施錠し、部外者が入れないようにする
- 特定の部屋への入室を社員ごと、時間ごとに制限する
- 出入りの記録をPCに自動的に記録する
出入口を常に施錠しておくことは防犯上重要ですが、出入りの度に鍵で開け閉めすることは現実には困難です。また、昨今では内部犯罪への対策も重要とされ、特定の部屋や区画へは曜日や時間帯で出入りを制限し、誰がいつ、出入りしたかの記録を厳密に管理することが求められています。
2.入退室管理システムにはどのような費用がかかるのか
入退室管理システム導入時には「初期費用」と「月額/年額費用」が発生します。
初期費用は、機器と設置工事、月額/年額費用が保守や利用料です。
【初期費用】
①機器費用
機器は入退室管理システムを構築するに当たり物理的に必要となる認証機のことです。機器費用の内訳は大きく3つあり、認証方法・扉数・入側のみ管理か入退室側どちらも管理かで変わります。各項目を解説していきます。
認証方法
入退室管理システムは認証方法が5つあります。
テンキー認証、カード認証、指紋・静脈認証、虹彩認証、顔認証
それぞれの認証方法でメリット、デメリットがあり価格も異なってきます。
一般的にセキュリティ性が高くなると価格も高くなる傾向にあります。
・テンキー認証(価格相場:2~10万円)
出入り口に設置したテンキーに設定してある暗証番号を入力して解錠する方法です。
コストを抑えることができますが、個人を特定した入退室の履歴を記録することができません。
また、暗証番号を盗み見られてしまうリスクがあるため、暗証番号が流出した場合は部外者の侵入を許してしまいます。そういったリスクを抑えるためにも、定期的に暗証番号を変更する必要があり、セキュリティレベルの低い管理方法だといえます。
・ICカード認証(価格相場:8~20万円)
リーダーに非接触ICカードをかざして解錠する方法です。
価格はテンキー同様安価に導入できる傾向にあります。
しかし、ICカードの紛失や盗難といったリスクもあり、リスクに備えた対策を講じる必要があります。また、カード紛失や発行の際にカード費用がかかります。
・指紋/静脈認証
(価格相場(指紋):5~30万円、価格相場(静脈)20~60万円)
指紋認証、静脈認証はそれぞれ指の特長点を利用して認証を行う解錠方法です。
指紋認証の場合は、隆線と呼ばれる指表面の突起の特徴を読み取り、照合を行います。 静脈認証では、近赤外線を透過させて血流パターンを読み取り、照合を行います。
どちらも生体認証でなりすましが困難というメリットがあります。
指紋を読み取るセンサーは小型で比較的安価に導入できる一方、指の乾燥や皮脂の状態によって読み取り精度に影響を及ぼすというデメリットがあります。
静脈は指の内部状態を照合するため指紋認証より外部環境に影響しにくい一方冬場に血流が悪くなると認証精度が落ちることや、指の置き方によって認証が左右されるなど認証に時間がかかることがあります。
・虹彩認証(価格相場:40~70万)
虹彩は瞳の周りにある瞳孔以外の部分を指します。人によってメラニン色素の量で虹彩の模様が異なり、アジア系で最も多いブラウンの他、北欧系のブルー、ゲルマンやスラブ系に多いグリーンなど、多彩なパターンがあります。
虹彩は経年変化による影響が少なく双子でも違いを認証できることから、精度の高い生体認証を実現可能です。
デメリットとしては認証する際の認証機との距離感が掴みにくく運用方法を工夫する必要があります。
価格は一般的に高価な傾向にあります。
・顔認証(価格相場:20~150万)
個人の目・鼻・口の位置や輪郭、大きさの情報などを基に本人認証を行います。PCやスマートフォンへの事前登録が不要であるだけでなく個人の顔をコピーすることは難しいため、利便性と安全性の高さを兼ね備えています。比較的汎用性も高く、個人レベルでの活用から企業や組織での認証にも利用可能です。
また近年AIの技術の向上に伴い顔認証精度が飛躍的に上がってきております。
価格も空港に用いるようなとても高価なものからオフィスでも使えるような価格帯のものまでラインナップが幅広くあります。
扉数
扉数は入退室管理システムを導入するにあたり価格を見積もる重要な要素です。
1扉が2扉になると認証を行う認証機であったり扉内部にある電気錠の数が増え、費用は倍になります。
【例】
①扉数1枚の場合 トータル100万円 × 1枚 = 100万円
②扉数8枚の場合 トータル100万円 × 8枚 = 800万円
入室側のみ管理、もしくは入退室側管理
入室側のみ管理か入退室両側管理かは運用方法によって決まります。例えば勤怠管理システムと連携したいとなると入口側だけでなく出口側にも認証機をつける必要があります。
部外者の侵入を制限するということであれば入口側のみの管理でも可能です。
価格は入口側のみより出口側にも付けた場合の方が認証機分高くなります。
②設置工事
入退室管理システムで価格に大きく影響を及ぼす要素の2つ目が施工です。
施工は認証機を設置する際に切っては離せない要素です。
設置環境によって大きく価格に影響を与えるので、導入する場所にあったシステムを検討する必要があります。
施工では主に配線距離、管理フロア数、扉の種類により、費用が変わってきます。
配線距離
配線距離は認証機からPCの距離であったり、電源から認証機の距離などの配線する距離です。配線距離が長くなるほど配線材料費が高くなり、作業が大変になるので人件費がよりかかります。
管理フロア
管理フロアは入退室管理システムを使用して管理するフロアの数です。
管理フロアが多くなると階数をまたいで配線を行う必要があり、配線距離が延びることまた、配線作業が複雑になることで価格があがります。
扉の種類
扉の種類も施工費を見積もる要素の中で重要です。
扉に電気式の鍵を埋め込む場合には、扉が木製なのか鉄製なのかで加工のしやすさが異なり価格に影響します。また扉の厚さが薄いと電気式の鍵が埋め込みできない場合があります。
【月額/年額費用】
①保守費用
一般的に保守費用は建物や設備機器を、長期にわたってその機能を保持するために、 点検・調整・補修するのに要する費用です。
もし機器が故障した場合、管理PCやシステムがトラブルを起こした場合には現地で確認する必要があります。その際にかかる駆けつけ対応費、機器の修繕費などは保守に加入することにより、都度費用が発生することはありません。
機器が壊れてしまった場合を考慮して、保守費用を積算することも重要です。
②利用料
利用料で一番多いケースはクラウドサービスを利用するうえで必要になる費用です。
今では多くのサービスが月額や年額で支払いする形になっている為、クラウドサービスを利用するうえで月額/年額費用がかかることが問題ないかを確認する必要があります。
また金額は機器台数、また利用人数や利用回数により変わってきますが、長期的にみると初期費用はかさみますが買い切り型のサービスの方が費用面で安くなる場合もあります。
まとめ
入退室管理システムで価格に関係する項目を解説しました。
価格に関して検討する項目は様々あるので、必要な機能を見極めその環境に適したシステムを導入する必要があります。
そのためにも一度社内で入退室管理システムを導入する目的、要件を整理し購入するものを検討する、もしくはセキュリティ会社に伝えることが重要です。
最後に概算の構成と費用を下記にまとめました。
ご参考にしてください。
[1]
1扉1台、カード認証、買い切り型
システム一式:300,000円~600,000円
[2]
1扉2台、顔認証、買い切り型
システム一式:2,000,000円~3000,000円