顔認証で効率的にセキュリティ強化!メリットや活用シーン・注意点を解説

顔認証は、「顔の情報」を読み取り、個人を識別できる優れたシステムです。
従来の鍵やIDカードによる認証は、紛失や盗難のリスク、煩雑な管理手続きなど、多くの課題を抱えていました。また、認証にかかる手間や時間、再発行の手続きなど、運用面での非効率さも課題です。
企業におけるDX対応が求められる現在、物理的な鍵が不要で、効率的な入退室管理やセキュリティリスクの軽減を実現する顔認証は、時代のニーズに応える技術として注目されています。
そこで本記事では、顔認証の仕組みや注目される背景・メリットなどについて解説します。
顔認証システムが活用されているシーンも具体的にご紹介するので、顔認証システムの導入を検討している方・情報を調べられている方はぜひ最後までご覧ください。
株式会社セキュアでは、3年連続(2021~2023年)顔認証業界シェアNo.1(※)の実績がある顔認証ソリューションを提供しています。
(※)2021年度の顔認証によるアクセスコントロール市場における数量ベースでの調査。富士経済調べ。
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目次
顔認証とは?

顔認証とは、人の顔の特徴を利用して個人を識別または認証する技術です。
この技術は生体認証(バイオメトリクス)の一種であり、指紋認証や虹彩認証と並び、セキュリティ分野や個人認証で広く活用されている技術です。
具体的には、顔の画像や映像データから目、鼻、口、輪郭などの特徴を検出し、それらの位置や形状、バランスを基にデジタルデータとして記録・分析します。
この特性により、なりすましや不正侵入などのリスクを抑止する効果が期待されており、高度なセキュリティが求められる場面で注目を集めています。
また、顔認証は顔認識と混同されることがありますが、両者には明確な違いがあります。ここでは、顔認証の仕組みや、顔認識との違いについて詳しく解説します。
顔認証の仕組み
顔認証は、人間が普段相手を判別する手段をシステムで実現した認証方式です。
顔の目、鼻、口などの特徴点の位置や顔領域の位置、比率など様々な要素をもとに照合を行います。
また近年では技術の向上に伴い、マスクを着用したまま認証可能なものや、測温の機能を有したものも登場しています。

高精度化が進んだことにより、情報システム部門やDX担当者にとっても導入後のトラブルリスクを軽減し、運用の初期段階でのつまずき(設定ミスやシステムトラブルなど)を防ぎます。また、立ち止まらずに認証が可能であることや、デバイスに接触せず認証を実行できる特性は、非接触が求められる環境や効率化を重視する現場で有用です。
加えて顔認証が他の生体認証と異なるのは、デバイスへの接触が不要であり、持ち物等で手がふさがっている人の認証処理もできる点や、立ち止まらなくても認証処理ができる点です。
顔認証は誤認率が低く、最近では使い勝手の良いシステムとして多くのお客様が検討されています。
「顔認証」と「顔認識」の違い
顔認証と混同しやすい画像認証技術に「顔認識」があります。
「顔認識」は個人を特定せず、性別や年代などで「どんな人がいるか」を検出する技術です。一方で、「顔認証」は登録されたデータと照合して特定の個人を認証し、「誰がいるか」を判別します。
その特徴から、顔認識はマーケティング用途に、顔認証はセキュリティ用途に主に使われています。
顔認識 | 顔認証 | |
---|---|---|
目的 | 顔の検知と属性判定(性別、年代、表情などの判別) | 登録されたデータと照合して特定の個人であることを認証 |
処理内容 | 画像から顔の位置を検出し、性別や表情などを分析 | 顔の特徴データをもとに個人を特定するための認証を実施 |
用途 | マーケティング(顧客属性の分析など) | セキュリティ(本人確認、アクセス制御など) |
目的や用途が異なるため、使用シーンに応じて技術を適切に選びましょう。
顔認証システムの費用相場
顔認証システムの費用は、導入するシステムのタイプや設置台数、利用する機能によって大きく異なります。
月額10,000円以下で利用できるタイプから、セット購入の場合は数十万円から数百万円のものまで幅広く存在します。
顔認証システムの費用については、下記の記事でも解説しているので併せてご覧ください。
自社の目的に合ったシステムの費用を知りたい方は、ぜひお気軽に下記よりお問い合わせください。課題や必要な機能などを丁寧にヒアリングし、お見積りいたします。
顔認証の2つの認証方式

本章では、株式会社セキュアの「SECUREのAI顔認証システム」を元に解説します。
「SECUREのAI顔認証システム」では、ビジュアルベース(2D認証)と、IRベース(3D認証)の2つの方式を採用しています。
2D認証はカメラで取得した画像を基に認証を行うもので、コスト効率に優れていますが、照明条件や偽装行為への耐性に限界があります。一方、3D認証は赤外線カメラを用いることで奥行き情報を取得できるため、照明環境に左右されにくく、なりすまし対策にも高い効果を発揮します。高度なセキュリティを求める情報システム部門の担当者には、3D認証が特におすすめです。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
認証方式1.ビジュアルベース(2D認証)
まず、ビジュアルベース(2D認証)は、撮影した画像から「輪郭」や「⽬・⿐・⼝」といったパーツの位置関係を計測します。
計測した顔をテンプレート化して、それを基に登録されている特定の個⼈かどうかを特定する方式です。

ビジュアルベース(2D認証)のメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・平面的に認証、識別する技術でセンサーなどは必要ない ・一般的なIPカメラで導入可能 | ・平面のみで識別を行うため写真でも識別可能になる場合がある ・化粧などの変化で精度が低くなる場合がある ・照明の明るさに影響されてしまう |
導入コストが抑えられるため、手軽に顔認証を始めたい場合に適した方式といえます。
認証方式2.IRベース(3D認証)
IRベース(3D認証)は、ビジュアルベースに加え、赤外線カメラによって顔の凹凸など奥行き情報をデータ化し、登録されている特定の人物かどうかを特定する方式です。

IRベース(3D認証)のメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・化粧や大幅な髪型の変更にも影響を受けない ・照明に影響されない。特に暗い環境下においても精度を維持できる ・マネキンや写真などの偽顔も判別できる | ・赤外線カメラも内蔵して奥行きも計測するため本体のサイズの小型化に限界がある ・専用カメラの導入が必要 |
高精度な認証を必要とするシーンでは、IRベース(3D認証)が有用です。
なお、セキュアでは専門スタッフが、多様なシーンに最適なAI顔認証システムのご提案を実施しています。顔認証システムの導入をご検討の際は下記をクリックのうえ、お気軽にご連絡ください。
顔認証が注目される背景

セキュリティ意識の高まりに加え、今後の少子高齢化、労働人口の減少による人手不足に対応するため、顔認証などのバイオメトリクス技術を使った勤怠管理や、監視カメラを活用した業務の効率化が進むと予想されています。
株式会社富士経済が2023年におこなった調査によると、2027年には市場が1兆2,125億円に成長すると見られています。
特に顔認証は、鍵やパスワードを使わない新しい認証方法として注目されており、表面体温の測定機能を備えた製品や、マスクを着用した状態でも高精度な認証が可能な技術の進化が、コロナ禍を契機に市場環境を大きく変化させました。
その結果、セキュリティ分野に限らず多様な分野で需要が拡大しているのが現状です。
例えば顔認証はハンズフリーでの入退室が可能なため、車いす利用者にとって大きな利点となっており、介護施設関連でも採用が広がっています。
参考:セキュリティ関連の国内市場を調査 | プレスリリース | 富士経済グループ
顔認証は非接触認証の需要や多様な用途の広がりを通じて、社会の変化や課題に対応する革新的な技術として、存在感をさらに強めているといえます。
顔認証システム導入の5つのメリット

本章では、顔認証システムを導入したことによる主なメリットを5つ紹介します。
メリットを知り、導入を検討する際の判断材料としてご活用ください。
メリット1.季節や体の状態に影響を受けない認証方式
顔認証は、幅広い人が利用しやすい点がメリットの一つです。
例えば、同じ生体認証のなかの「指紋認証」は、価格も手頃で指を置くだけで認証できる手軽さがありますが、乾燥した寒い季節や細い指などに反応がしづらいという課題も含んでいます。
その点、顔認証なら季節や体の状態に関係なく認証できるため、スムーズな運用が期待できます。
メリット2.非接触での入退室管理が可能
顔認証は顔をかざすだけで個人を特定し認証ができるため、非接触で入退室できる点もメリットです。
例えば、ドアノブやカードリーダーなど、多くの人が触れる物理的な接触ポイントがないため、共用部分を介したウイルスや細菌の拡散リスクを大幅に軽減します。
食品を扱う企業が、高いセキュリティ機能と非接触であることを優先事項として顔認証システムを導入した事例を下記で紹介しているので、具体的な内容が知りたい方はご覧ください。
メリット3.セキュリティレベルの強化
顔認証は、ICカードのように物理的な紛失のおそれや暗証番号のように流出するリスクがないため、セキュリティが強化される点もメリットです。
また、顔情報は本人固有の特徴であるため他人による不正利用が困難で、なりすましのリスクも低いことから、より安心して利用できます。
メリット4.多様なシーンで導入が可能
顔認証は、オフィスだけでなく空港・お店・医療施設など幅広いシーンで活用できます。
例えば空港では、令和元年7月24日の羽田空港を皮切りに顔認証技術を活用して日本人の出帰国手続き・外国人の出国手続きを合理化するために顔認証ゲートが導入されました。
参考:顔認証ゲートの更なる活用について(お知らせ) | 出入国在留管理庁
また自治体では、暗証番号の管理の負担軽減のため、本人確認方法を機器による顔認証または目視による顔確認に限定したマイナンバーカードを導入しているところもあります。このように公的な機関でも導入されていることから、顔認証は信頼性の高い技術であることがわかります。
マスク着用でも認証できる機能を保有しているシステムでは、顔が覆われていてもスムーズに認証できるため、利便性がさらに向上し、衛生管理が重要視される施設やセキュリティを強化したい企業にとって特に効果的です。
メリット5.業務効率の向上
サービスによっても異なりますが、顔写真で登録が完了する場合、認証登録の負担が軽減され業務の効率化につながる点もメリットです。
顧客に対しても、わざわざ物理的に足を運んでもらう必要がないため手続きのスムーズさと利便性が向上します。
またカードや鍵の管理が不要になることで、管理業務や紛失対応にかかる時間を削減できます。
さらに、システムと連携することにより自動で勤怠記録や入退室記録が行われ、人手による記録ミスや確認作業が不要になる点も効率的です。
幅広く使用されている顔認証システムの活用シーン

次に、顔認証システムが活用できるシーンを大きく7つ紹介します。
1つずつ見ていきましょう。
シーン1.オフィスの入退室管理
顔認証は、オフィスへの入退室管理のシーンでセキュリティ強化や業務の効率化に効果的です。
社員の顔データを基に本人確認を行うため、他人による不正な入室を防ぎやすくなります。また、データの視覚化や分析を通じて、従業員の出勤・退勤状況を効率的に管理することが可能です。
また来客時にも利用できる一時的なアクセス管理としても役立ちます。一時的なアクセス権を顔認証で発行することで、ゲスト用IDカードの発行や回収などの負担を削減できます。また、来客者の出入りを正確に記録することで、オフィスのセキュリティ全体を向上させます。
下記の記事では、オフィスのセキュリティと勤怠システムをサポートする顔認証入退室管理システムを導入した企業の事例を紹介しているので、ご覧ください。
シーン2.貸会議室・貸別荘・スポーツジムなどの受付

貸会議室・貸別荘・スポーツジムなどの施設での受付も、顔認証が活用できるシーンの一つです。
受付担当者が目視で確認を行う代わりに顔認証システムを設置することで、スタッフの確保が難しい時間帯や深夜帯の営業においても無人での受付が可能となり、24時間利用可能なサービスを提供できます。
加えて、他人のカードを使ったなりすましも防げるため、無人での受付ができてコスト削減につながるだけでなく、利用者にとっても安心・安全な環境の提供が可能です。
なお下記の記事では、セキュアの顔認証システムを導入し、地域初の24時間営業施設のセキュリティ向上に活用しているフィットネスジムの事例を紹介していますので、併せてご覧ください。
シーン3.工場・倉庫のセキュリティ強化
顔認証は、工場や倉庫でのセキュリティ強化にも有用です。
例えば、危険区域や高価値商品が保管されているエリアへのアクセスを従業員ごとに管理できたり、許可された人物のみが特定エリアに入れるように制御したりして、事故や盗難のリスク軽減につながります。
下記は、事故の予防を最優先にした顔認証による入退室管理システムを導入した企業の事例です。製造現場などで事故の未然防止を課題としている方は、ぜひご覧ください。
シーン4.無人販売店での顔認証決済
顔認証システムを決済に利用する方法(顔認証決済)もあります。
例えば、コンビニや書店などで顔認証決済を導入できれば、レジ打ちのスタッフが不要となり、人件費の削減が可能です。
さらに顔認証の情報を活用し、下記のような分析を通して店舗運営に活用することも可能です。
- どういった年齢層の顧客がいるのか
- 年代別に購入される商品の傾向
顔認証技術の進歩により、より安全で便利な決済システムが構築されていくことが期待されます。
シーン5.スマートフォンのログインや支払い
Appleが提供しているiPhone X以降のシリーズにはFace IDという顔認証システムが搭載されています。
スマホを覗き込むだけでロック解除が可能になるだけでなく、電子マネーなども顔認証システムにより支払うことが可能です。
シーン6.空港での入出国

空港ゲートなど、世界各国の空港内も顔認証システム活用シーンの一つです。
凶悪犯の密入国を防ぐ機能に加えて、パスポートと本人の照合を効率的に行うことで、セキュリティレベルの向上に貢献しています。
事前に顔データを登録しておけば、いわゆる「顔パス」でそのまま歩いて搭乗ゲートまで進むこともでき、搭乗手続きの大幅な時間削減に役立っています。
シーン7.患者の見守り

介護施設では、入居者の安全や健康が第一です。
万が一入居者が人知れず外出してしまったら、思わぬ事故にもつながりかねません。顔認証システムを施設内のカメラと連携させれば、入居者の無断外出を防止できます。
同時に外部からの侵入も防ぐことができ、より利用者にとって安心・安全な施設を提供できます。
顔認証システムを選ぶ際のチェックリスト

ここでは、顔認証システムを導入する際のチェックポイントを紹介します。下記の点を押さえたうえで導入すると、スムーズな運用を実現できます。
- 誤認率(False Acceptance Rate)、拒否率(False Rejection Rate)はどうか
- マスクを着用した状態での認証精度はどうか
- 屋外や逆光など、環境条件が変化する場合でも高精度に動作するか
- スマートフォン、タブレット、固定型デバイスなど、導入予定のハードウェアに対応しているか
- 屋外設置の場合、防塵・防水性能(IP規格)はどうか
- サーバーの管理費用やソフトウェアの更新頻度はどのくらいか
- 既存のシステムや業務フローとの互換性があるか
- 利用人数や登録データ量が増えても対応可能か
- 導入後のトラブル対応やアップデートの提供体制が整っているか
- 過去の導入事例や口コミ、ベンダーの信頼性はどうか
既存のシステムとの互換性では、例えば出退勤記録を効率化したい場合は、既存の勤怠管理システムと連携可能なモデルを選ぶ必要があります。
なお、株式会社セキュアでは、顔認証システムの導入前にデモ機で認証スピードや正確性をお確かめいただけるサービスを提供しています。
顔認証システムの使用感を試してみたい方は、お気軽に下記からお問い合わせください。
顔認証を取り扱う際の注意点

最後に、顔認証を取り扱う際の注意点を解説します。
プライバシー保護の観点から顔認証を取り扱う際には、生体情報である顔画像情報を適切に管理することが非常に重要です。
例えば国土交通省は、空港で顔認証技術を用いた搭乗手続きの導入に際してガイドラインを公表しています。
ガイドラインによると、利用者に下記の点を明確に説明し、同意を得る必要があると述べています。
・何のために顔画像情報を利用するのか(利用目的) ・収集した情報がどのように管理され、安全性が保たれるのか(情報管理の方法) |
参考:空港での顔認証技術を活用したOne IDサービスにおける個人データの取扱いに関するガイドブック(概要)|国土交通省
顔画像は、一度取得されると変わることがないという特性を持っています。さらに、顔は日常的に晒されているため、悪意を持つ第三者によっても許可なく収集されやすい点に留意が必要です。
不適切な利用やデータ流出を防ぐために、集めたデータは厳格な管理体制を整備しましょう。
まとめ:顔認証で非接触でスマートな入退室管理を始めよう

顔認証技術は、非接触で迅速な本人確認が可能となり、セキュリティ強化や業務効率化に貢献します。
施設内のセキュリティ管理を目的とした導入にとどまらず、多くのアプリケーションやシステムなどのログインにも顔認証システムの活用が拡大されることも予想されます。
顔認証システムを導入する際は、本記事で紹介したチェックリストを活用し、自社の要件に合ったシステムを選ぶことをおすすめします。
なお、社内での検討だけで導入を決めかねている方は、顔認証も実績のあるセキュリティサービスプロバイダーに相談するのも有効な選択肢です。株式会社セキュアは、画像認識からソフト・ハードや設置環境まで、それぞれ高い専門性を保有しており、あらゆる企業の各シーンに適した顔認証システムの活用をご提案いたします。
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