入退室記録の重要性とは?入口におけるセキュリティの基本を知ろう!
オフィスや施設の大小を問わず、入退室記録をつけることはとても大切です。
「2~3人しかいないオフィスでも、記録って要る?」
「入退室記録って何の役に立つの?方法は?」
このようにお悩みの方もいらっしゃいます。本記事では、企業が入退室管理で記録をつける意義と方法について以下の流れで解説します。
- 入退室記録は企業にとっての義務なのか?
- 記録をつけることで得られるメリットとは?
- 入退室の記録をつける具体的な方法
なお、オフィスや施設の入口や特定エリアへのセキュリティ対策を強化したい方は、入退室管理システムの導入が効率的です。こちらも合わせてご参考ください。
目次
企業や施設における入退室記録とは?
「入退室記録」とは、社員や来訪者が特定エリアに出入りする際につける記録です。主に企業や施設の入口や、セキュリティルームの扉の前で行われます。
不審者や部外者を簡単に中に入れない入退室管理の一環として、人の出入りを記録することはとても大事な意味があります。企業が保管・管理する機密情報や個人情報の盗難、またデータの漏洩を未然に防ぐことにつながるからです。
記録するタイミングは、主に人が入る時と出る時の2回です。来た人や場所によって、記録する内容は異なります。例えば来訪者の場合、どこの誰がいつどんな目的で入室するかを記し、退室時には時刻だけが記されることが多いです。
入退室記録は企業にとっての義務なのか?
企業の情報漏洩事故に関する報道をたびたび耳にするなか、入退室記録をつけることは企業にとって義務なのでしょうか?
以下2つの視点で、それぞれ見ていきましょう。
- Pマーク・ISMS認証と入退室記録の関係性
- 勤怠管理と入退室記録の関係性
Pマーク・ISMS認証と入退室記録の関係性
入退室記録をつけることは法的な義務ではありませんが、社会で企業のセキュリティ対策の強化が求められていることは事実です。東京商工リサーチによると、2021年に上場企業による情報漏洩と紛失事故件数は、過去最多の137件。入退室の記録と管理は、もはや企業が担う責務と言えます。
参考:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210117_01.html
情報保護認証規格の「Pマーク」や「ISMS」を取得する企業が年々増えていることからも、セキュリティ対策への関心は高まっています。
- Pマーク(プライバシーマーク):「個人情報」の適切な取り扱いと運用を認定
- ISMS認証(ISO27001):企業の「機密情報」を保護する情報マネジメントシステム
これらを取得するために、社内のリスクマネジメントを見える化し、適切な運用を行って情報が漏れないようにしなければなりません。人の出入りの記録を残すことから始める入退室管理は、セキュリティ対策の基本と言えます。
PマークやISMS取得を目指す方におすすめの入退室管理システムについては、こちらからご覧いただけます。
参考:Pマーク、ISO27001を取得するのに必要なセキュリティは?
また、個人情報保護委員会は、企業が個人情報を安全に管理する義務に言及し、管理区域を作って情報の漏洩対策をとらなければならないとしています。
この場合の安全管理措置として、使用する機器を限定したり、セキュリティエリアへの人の出入り記録づけを含む入退室管理が必要になってきます。
勤怠管理と入退室記録の関係性
入退室記録は企業の大事な情報を守るためだけでなく、社員の勤怠管理にも役立ちます。
労働安全衛生法の改正で、「労働時間の把握」が義務化されました。
企業は社員の残業を含む労働時間や有給休暇、欠勤など勤務状況を把握して、給与計算に反映しなければなりません。過労の防止と社員の健康維持、そして適正な賃金の支払い義務があります。
しかし労働安全衛生法では、具体的にどのような方法で労働時間を把握するかを指定していません。とはいえ、社員がいつ出社して退社したか入退室記録を残す手段を含めて、社員の勤務状況を総合的に把握することが求められています。
入退室記録をつけることによるメリット4つ
方法を問わず入退室記録が役立つシーンは多いです。記録をつける4つのメリットをご紹介します。
- 誰がいつ入退室したのか把握できる
- 社員の出退勤管理に活用できる
- 機密情報の漏洩リスク対策になる
- クラスター感染対策にもつながる
それでは具体的に見ていきます。
【メリット1】誰がいつどこに入退室したのか把握できる
入退室記録のメリット1つ目は、社員がいつ入室し、いつ退室したのか確認できることです。また、入口で記録をつけることで部外者の出入りを監視することもできます。
施設や企業への人の出入りを記録しておけば、万が一物品や重要書類の盗難が起きたときでも、入退室記録が証拠として使えます。
入退室の記録はシンプルに、セキュリティ対策として人の出入りを統制し、問題が起きたときにも重要書類として必要です。また、入退室管理システムの基本機能としての役割も大きいです。
例えばセキュアのAI Office Baseでは、社員や来訪者の入退室を記録するだけではありません。AI技術を駆使した顔認証で誰が入室したかを解析し、「なりすまし」による入室を防ぎます。
この他にも入退室記録データの分析や、オフィス利用率まで見える化し、わかりやすく体系的な入退室管理が可能です。
【メリット2】社員の出退勤管理に活用できる
企業の総務部にとって、入退室記録は社員の出退勤管理で大事な役割を果たします。給与計算をするとき、社員ごとに労働時間を集計し、時間外手当や有給休暇の扱いなどを把握しなければならないからです。その際、勤務表のほかに社員の出勤状況を裏付ける記録が必要です。
昨今、コロナ禍でテレワーク化が進み、出社と在宅勤務を交互に行う企業も増えました。社員の働き方が多様化した一方で、出退勤管理は以前より複雑化しています。そのため、誰がどこで勤務しているか把握するためにも、入退室記録が出退勤管理に活用されています。
【メリット3】機密情報の漏洩リスク対策になる
入退室記録は、企業に侵入しようとする人に隙を与えにくくし、情報の盗難・漏洩リスク対策になります。企業は特に個人情報の保護に慎重にならざるを得ません。個人情報保護法では、重大な情報漏洩問題が起きたときには報告しなければならないからです。
特にマイナンバーなど個人情報は、高いセキュリティ対策のもと、通常業務とは分けられた管理区域で保管することが望ましいとされています。そして管理区域への入退室には、細心の注意を払わなければなりません。その点で、入退室記録はとても重要な業務です。
社員のマイナンバー情報を守る入退室管理については、こちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご一読ください。
参考:マイナンバー情報を守る入退室管理!情報漏洩対策でできることとは?
【メリット4】クラスター感染対策にもつながる
入退室記録をつけることは、コロナ禍のクラスター感染対策にもつながります。企業は、労働環境について安全を配慮する義務があるためです。
新型コロナウィルス感染症は伝播力が強く、かかると重篤化するリスクもある病気です。そのため、施設や企業では、集団感染がおきないように日ごろから社員の体温チェックや衛生管理など、できることをしなければなりません。
入退室記録をつけていれば、感染者が発生しても、記録からオフィス滞在時間や滞在場所も確定できます。その時間帯と同じ場所に居合わせた社員に注意を促して在宅勤務に切り替えるなど、感染拡大の予防に向けた対応がとりやすくなります。
ここまで、入退室記録をつけることによるメリットをご紹介しました。それでは、実際にどのように入退室記録をつければいいのでしょうか。次に、具体的に入退室の記録をつける方法を見ていきます。
入退室記録をつける3つの方法
一般的な記録法から効率的な方法まで、入退室記録をつける方法をご紹介します。
- Excelやスプレッドシートで入退室記録表を作る
- タイムカード・来訪者記録をつける
- 入退室管理アプリ・システムを導入する
それぞれ見ていきましょう。
【方法1】Excelやスプレッドシートで入退室記録表を作る
企業の入口で、受付担当や警備員が対面で記録する方法があります。Excelやスプレッドシートで入退室記録表を作成し、一人ひとり目視で確認することが多いです。
来訪者の場合、訪問予約の有無を確認したり担当者を呼び出したりして、簡単に入室させないメリットがあります。社員など関係者以外の人に対しても、プレッシャーを与えることが可能です。社員が管理区域にむやみに出入りしないためにも、役立ちます。
一方で、人が行う入退室管理は全ての重要エリアの前に配置することは難しく、人件費の負担も考慮しなければなりません。
【方法2】タイムカード・来訪者記録をつける
多くの施設で実施されている方法が、タイムカードや来訪者記録です。社員の出退勤にはタイムカードを使用し、来客には入口に設置された入退室管理表に、社名と氏名、訪問部署や用件、そして入退室時間を記入してもらいます。
この場合のデメリットとしては、入退室の記録漏れや外部者が社員について入室する「共連れ」リスクがあることです。そのため、誰がいつ出入りしたか確実に記録するしくみ作りが必要になってきます。
また、機密情報の管理区域への入退室に関しては、記録だけでなく扉に暗証番号やICリーダーを設置するなどして、セキュリティレベルをあげることも検討されます。
【方法3】入退室管理アプリ・システムを導入する
入退室管理アプリやシステムを導入すると、記録と管理が効率化できます。例えば入退室管理システムの場合、人の出入りの記録を機械的に行えます。
また、個人ごとに特定の区域へ入退室を記録できて確実です。Excelなどで受付担当が記録する方法では、管理範囲に限界がありますが、システムなら自動で記録できます。
記入漏れもありません。入退室記録のデータベース化もできるため、長い目線で見ても入退室管理を行うメリットは大きいのではないでしょうか。
セキュアの入退室管理システムは、オフィス規模や管理区域のセキュリティ重要度に合わせて、入退室を制限できます。AI顔認証や測温まで時代のニーズにも対応しています。
入退室管理システムについてはこちらで更に解説しています。ぜひご一読ください。
まとめ:入退室の記録と管理からセキュリティ対策を始めよう
入退室記録と管理は、もはや企業や施設に欠かせないセキュリティ対策です。
個人情報や業務上の機密情報の漏洩事件が起きると、社会的な信用を失い事業の発展を妨げる結果にもなりかねません。多くの企業が積極的にPマークやISMS認証を取得しているように、セキュリティ対策の見える化が求められています。
テレワークなど働き方が多様化するなか、社員の出退勤管理や感染の拡大対策にも役立つ入退室管理。来訪者や社員の入退室記録を自動化し、業務の効率化ができる「Secure AI Office Base」について知りたい方は、ぜひこちらからご覧ください。