【2025年最新版】入退室管理システムの価格相場は?内訳やコストを抑えるポイントを紹介

入退室管理システムとは、施設への出入りを管理・記録するセキュリティシステムの一種です。
昨今はオフィスや工場、フィットネスジムなど幅広い現場で導入が進んでおり、セキュリティ強化や勤怠管理の効率化にも役立ちます。ただし、導入にあたっては、認証方式や現地の状況、設置台数、セキュリティレベル、運用方法などによって費用が異なるため、慎重な検討が必要です。
本記事では、入退室管理システムにかかる費用の内訳や認証方式ごとの費用、コストを抑えるポイントや注意点を解説します。
なお、セキュリティと利便性を両立しながらコストを最適化する方法を知りたい方は、株式会社セキュアが提供する「SECURE AC」入退室管理システムがおすすめです。
セキュリティソリューションの導入社数11,000社の実績をもとに、顔・指紋・カード・テンキーと用途に合わせた多様な認証デバイスを取り揃えて、お客様の課題に柔軟に対応します。
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入退室管理システム導入費用の3つの要素

入退室管理システムの導入には、大きく分けて3つの費用が発生します。
なお、前述したように費用は、「現地の状況・設置台数・セキュリティレベル」などによって異なるため、目安としてご覧ください。
要素1.導入時にかかる費用(初期費用)
入退室管理システムの初期導入時には、導入環境や運用方法によって異なりますが、下記のような費用の発生が考えられます。
項目 | 詳細 | 相場 |
---|---|---|
機器費用 | 認証装置や電気錠など、必要なハードウェアの購入費用 | 約2万〜150万円(認証方式による) |
設置工事費用 | 配線作業やフロアごとの設置調整にかかる費用 | 約5万円〜(配線距離やフロア数により変動) |
システム設定費用 | ソフトウェアや管理PCとの連携に必要な設定費用 | 約5万円〜(システムの規模により変動) |
扉数の増加にともなう費用 | 管理対象となる扉の数が増えるごとに、認証機や電気錠の追加が必要となる費用 | 1扉あたり約10万円〜(認証方式・電気錠の種類により変動) |
管理範囲による費用 | 入室側のみの管理にするか、入退室両側を管理するかによって必要な設備が変わる | 約10万円〜 |
扉の種類による費用 | 木製扉、金属扉、ガラス扉、防火扉など、扉の材質や仕様によって設置できる電気錠の種類や施工方法が異なる | 扉の種類によって施工費用が変動 |
なお、入退室管理システムには、「オンプレミス型」と「クラウド型」があり、どちらを選ぶのかで費用が異なる点も押さえておきましょう。
詳しくは後述の「入退室管理システム導入コストを抑える3つのポイント」で解説します。
要素2.導入後にかかる費用(運用費用)
運用費用には、クラウドサービスの月額利用料やオンプレミスの場合の保守契約費、システムアップデート料なども含まれる場合があります。
項目 | 詳細 | 相場 |
---|---|---|
保守費用 | 故障時の修理対応や定期点検の契約費用 | 月額数千円~数万円/扉 |
利用料 | クラウド型サービスを利用する場合の月額または年額料金 | 月額数千円~数万円/ID |
運用費用は、システムの安定稼働と長期的な利用を支えるために必要不可欠な費用です。
要素3.既存の設備を活かす際にかかる費用
既存の設備を有効活用する場合も、追加で以下のような費用が発生する可能性があります。
項目 | 詳細 | 相場 |
---|---|---|
改修工事費用 | 既存の扉に電気錠を後付けする場合の工事費 | 約5万円~(扉の種類や配線距離による) |
システム連携費用 | 既存の勤怠管理システムやセキュリティシステムとの統合にかかるコスト | 約10万円~(システムの種類や統合の複雑さにより変動) |
初期費用を抑える一方で、改修や連携にかかるコストも事前に把握しておくことが重要です。
【認証別】入退室管理システムの費用相場の目安

本章では、入退室管理システムの認証方式ごとの費用相場を比較します。
- テンキー(価格相場:約100~120万円)
- ICカード認証(価格相場:約110~150万円)
- 指紋認証(価格相場:150~180万円)
- 静脈認証(価格相場:200~220万円)
- 虹彩認証(価格相場:約200~230万円)
- 顔認証(価格相場:約200~250万円)
※設置工事の規模や現場の状況などにより費用は変動します。
認証1.テンキー(合計費用の相場:約100~120万円)
出入り口に設置したテンキーに設定してある暗証番号を入力して解錠する方法で、比較的コストを抑えた運用が可能です。テンキーは、定期的な暗証番号の変更を推奨します。
項目 | 費用目安 |
---|---|
端末機器 | 約5~10万円 |
周辺機器・サーバー | 約20~50万円 |
システム | 約10~20万円 |
保守・サポート | サービスによる(要見積もり) |
工事費 | 約30~60万円 |
合計費用の目安 | 約100万円〜120万円 |
認証2.ICカード認証(合計費用の相場:約110~150万円)
リーダーに非接触ICカードをかざして解錠する方法です。価格はテンキー同様、安価に導入できる傾向にあります。
項目 | 費用目安 |
---|---|
端末機器 | 約10~20万円 |
周辺機器・サーバー | 約40〜50万円 |
システム | 約10〜30万円 |
保守・サポート | サービスによる(要見積もり) |
工事費 | 約40~60万円 |
合計費用の目安(1扉1台・買い切り型の場合) | 約110〜150万円 |
ICカードでの入退室管理を、網羅的に解説していますので、ご関心のある方は下記の記事をご覧ください。
認証3.指紋認証(合計費用の相場:150~180万円)
指紋認証は指の特徴点を利用して認証を行う解錠方法です。
隆線と呼ばれる指表面の突起の特徴を読み取り、照合を行います。 生体認証のため、なりすましが困難という点がメリットです。
指紋を読み取るセンサーは小型で比較的安価に導入できます。
項目 | 費用目安 |
---|---|
端末機器 | 約10~20万円 |
周辺機器・サーバー | 約40~50万円 |
システム | 約10〜50万円 |
保守・サポート | サービスによる(要見積もり) |
工事費 | 約40~60万円 |
合計費用の目安 | 約150万円〜180万円 |
認証4.静脈認証(合計費用の相場:200~220万円)
静脈認証は、近赤外線を透過させて指や手の血流パターンを読み取り、照合する生体認証方式です。
指紋よりも内部情報を利用するため、偽造が極めて困難で、高いセキュリティレベルを実現します。また、「指の内部状態」を照合するため、外部環境に影響されにくい特徴があります。
項目 | 費用目安 |
---|---|
端末機器 | 約30~60万円 |
周辺機器・サーバー | 約40〜50万円 |
システム | 約20~50万円 |
保守・サポート | サービスによる(要見積もり) |
工事費 | 約40~60万円 |
合計費用の目安 | 約200万円〜220万円 |
認証5.虹彩認証(合計費用の相場:約200~230万円)
虹彩とは、瞳の周りにある瞳孔以外の部分のことです。人によってメラニン色素の量で虹彩の模様が異なり、ブラウンやブルー、グリーンなど、多彩なパターンがあります。
虹彩は経年変化による影響が少なく双子でも違いを認証できることから、精度の高い生体認証の実現が可能です。
価格は一般的に高価な傾向にあります。
項目 | 費用目安 |
---|---|
端末機器 | 約40~70万円 |
周辺機器・サーバー | 約40〜50万円 |
システム | 約20~50万円 |
保守・サポート | サービスによる(要見積もり) |
工事費 | 約40~60万円 |
合計費用の目安 | 約200〜230万円 |
認証6.顔認証(合計費用の相場:約200~250万円)
顔認証とは、個人の目・鼻・口の位置や輪郭、大きさの情報などをもとに本人認証を行う方法です。
紛失や持参忘れのリスクがなく、個人の顔をコピーすることも難しいため、利便性と安全性の高さを兼ね備えています。比較的、汎用性も高く個人レベルでの活用をはじめ、オフィスでの認証から空港で求められるレベルまで、幅広いシーンでの利用が可能です。
価格も空港に用いるような高価なものから、オフィスでも使えるような価格帯のものまで、設定が幅広いのが特徴です。
項目 | 費用目安 |
---|---|
端末機器 | 約50~150万円 |
周辺機器・サーバー | 約40〜50万円 |
システム | 約20~50万円 |
保守・サポート | サービスによる(要見積もり) |
工事費 | 約40~60万円 |
合計費用の目安(1扉2台・買い切り型の場合) | 約200万円〜250万円 |
なお下記の記事では、顔認証の費用相場や導入のコツなどをまとめているのでご覧ください。
【補足】扉数
「扉数」は、入退室管理システムを導入するにあたって価格を見積もる際の要素として重要です。1扉が2扉になると、認証を行う認証機や扉内部にある電気錠の数が増え、その分機器費や工事費が増加します。
なお、扉が増えても費用が単純に比例して増えるとは限りません。
実際の現場の状況や求めるセキュリティレベル、工事の進め方なども影響しますので、扉の数のみならず要件に変更がある場合には必ず再度見積もりを取得することを推奨します。
入退室管理システム導入コストを抑える3つのポイント

本章では、入退室管理システム導入コストを抑える3つのポイントを紹介します。
一つずつみていきましょう。
ポイント1.必要な機能を精査する
入退室管理システムを導入する目的を明確にし、「本当に必要な機能」と「最適なコストプランを精査」することで、無駄なコストを削減できます。
例えば、次のような5つのポイントでチェックするのがおすすめです。
1.最低限必要な機能か
ICカード認証、ログ記録、権限管理など、導入にあたって欠かせない機能を見極めましょう。
2.不要な機能を削れないか
高度な生体認証やAI分析機能など、本当に必要な機能かどうかを再検討することで、コストの最適化につながります。
3.導入目的は明確か
セキュリティ強化、勤怠管理、業務効率化など、目的がはっきりしていれば機能選定もスムーズになります。
4.管理対象エリアは最適か
全社的な管理なのか、一部エリアのみの管理なのか、また屋内・屋外の範囲も含めて想定しておきましょう。
5.将来的に扉数や管理エリアが増える可能性があるか
今後、扉数や管理エリアが増える可能性があるかを考慮し、柔軟に拡張できる構成かどうかを確認します。
ポイント2.買い切り型かサブスク型か検討する
買い切り型(オンプレミス型)にするかサブスク型(クラウド型)にするかも自社の目的に合わせて考慮しましょう。
買い切り型・オンプレミス方式 | ・システムやデータがユーザーの施設内のサーバーに直接インストールされて運用される方式 ・ユーザー自身でハードウェアの維持管理やセキュリティ対策を行う必要がある ・データの管理やセキュリティが完全にユーザーのコントロール下にあるため、厳格なセキュリティが求められる場合に適している ・初期費用は高くなりがちだが、長期的にみるとトータルコストが抑えられる場合がある(ただし、機器台数や利用人数による) |
---|---|
サブスク型・クラウド方式 | ・システムやデータがインターネットを通じて外部のサーバー(クラウド)上で管理される方式 ・ハードウェアの設置や運用はクラウドサービスプロバイダが担当し、ユーザーはサービスの利用に集中できる ・利用規模の増大に合わせて拡張できるなど柔軟性が高い |
なお、株式会社セキュアでは、カードリーダーや顔認証などの幅広い認証機能や他社とのシステム連携を含めたセキュリティソリューション「SECURE AC」入退室管理システムを提供しています。
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ポイント3.既存の設備を活かせるか検討する
まずは、既存の電気錠や自動ドアをそのまま利用できるシステムはないか検討してみましょう。必要最小限の改修で済めば、工事費用を大きく抑えることができます。
また社員証や交通系ICカードなど、すでに使われているICカードを認証に活用できるシステムであれば、新たにカードを発行する手間やコストも削減できます。
ポイント4.複数の業者から見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取り、下記のようなコストを比較検討することもポイントの一つです。
- 初期費用
- 月額費用
- 保守費用
- 業者ごとのサポート体制
- アップデート費用など
導入後のサポート体制や保証内容も確認し、長期的な視点でコストを評価しましょう。
入退室管理システム導入の際の3つの注意点

最後に、入退室管理システムを導入する際の主な注意点をまとめました。
入室側のみ管理か入退室両側管理か | ・セキュリティ目的だけなら、入口側の管理のみでも十分 ・勤怠管理と連携したい場合は、入口側だけでなく出口側にも認証機を設置する必要がある ・入退室両側管理にすると正確な入退室ログを取得できるが、導入コストは増加する |
---|---|
管理者の負担を考慮する | ・「誰が管理を担当するのか」を事前に決めておく ・システムの操作が煩雑だと運用が定着しないため、直感的に使えるシステムを選ぶ |
非常時の対応を想定する | ・災害時や停電時に、解錠できる仕組みがあるかを確認 ・火災報知器と連動して、自動解錠する機能があるか検討 |
導入後に「運用が大変」「想定していた機能が足りない」などの問題を防ぐためにも、注意点を押さえておきましょう。
費用対効果の高い入退室管理システムを選ぼう

入退室管理システムの価格相場は、認証方式や扉数、設置環境、運用方法などによって大きく異なります。初期費用と運用費用の内訳を把握したうえで、自社に最適なプランを選びましょう。
既存設備やICカードの活用、必要機能の見極めなどによって、コストを抑えながら効果的に導入するのがおすすめです。
なお、株式会社セキュアでは、24時間受付可能なWEBからのご相談フォームや各種マニュアルページを設けており、導入前後のサポート体制も万全な「SECURE AC」入退室管理システムを提供しています。
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セキュリティマーケター
和田 麗奈
保有資格:防犯設備士
株式会社セキュアに入社後4年間、セキュリティソリューション営業に従事。多岐にわたる業界・業種の課題解決に貢献する。
現在はマーケティングチームに所属し、現場での経験を活かしながら活動中。