入退室管理システムの必要性と導入ステップ
入退室管理システムの導入をご検討されている方はこちらから。
出入り管理を行いたい、取引先から要望を受けた、移転の予定があるなどで入退室管理システムの導入を考えているが、何から始めたら良いか分からないという方に向けて、入退室管理システムとは?から導入までの検討項目を紹介します。
目次
1.入退室管理を導入する背景と目的
⼊退室管理システムを導⼊する背景と⽬的としてはいくつか挙げられます。
①部外者の侵入防止
⽇本は性善説の概念からセキュリティ意識が未だに低く、部外者でも簡単にセキュリティエリアに⼊れてしまう事による事件・事故が発⽣している。
②内部犯罪対策、情報漏洩防止策
情報漏洩などの経済損失は約80%が内部要因であり、外部のみならず内部統制が重要になっている。
③外部からの要請、資格取得の為
プライバシーマークやISMS取得の際に⼊退室管理システムの導⼊は必須事項となる。
④従業員の管理
3.11以降で災害が起きた際に、誰がどこにいるのかの把握も企業が負うべき責任になっている。また、現在では新型コロナウィルス感染拡⼤に伴い、企業はオフィスで働く社員の健康管理も⾏う必要がある。
2.入退室管理システムとは?
⼊退室管理システムは元々、特別施設等で部外者の侵⼊の防⽌することが基本でした。
今では求められる機能も⼤きく変化し、社内の機密情報の漏洩防⽌対策として出⼊りの履歴管理を⾏ったり、勤怠の打刻データとして労務管理との連携の応⽤など、幅広い課題の解決策として、⼤企業ではほぼ100%といっていいほど導⼊が進んでいます。
しかし中⼩企業への導⼊はこれからといった状況です。
現在ではカード認証以外にも顔認証などの認証⽅法が増えており、感染症対策として測温機能を備えたシステムが注⽬されています。
3.入退室管理システムの構成パターン
扉の鍵を電気で動く「電気錠」に入替え、鍵を施解錠できる認証機を設置します。
入室のみの管理を行うか、入室と退室どちらも管理を行うかにより、構成や費用に違いがあります。
[入室のみの管理の場合]
入室時にのみ認証を行う運用です。
この運用の注意点は退室時の履歴が残らない事です。
それにより従業員の在籍状況など把握する事はできません。
[入室退室どちらも管理の場合]
入室時も退室時も認証を行う運用です。
入室側と退室側に認証機を設置する事で、出入りの管理が可能になり、勤怠や在籍管理への応用ができます。
4.設置扉数やセキュリティエリアを定義
まずは全ての扉の区画分けやセキュリティレベル分けが必要です。
[オフィスでのセキュリティエリア]
・エントランス/共有部/通用口
部外者の侵入を防ぎ、社員の出入り管理、勤怠や健康
管理の記録が必要です。
・サーバールーム/セキュリティルーム
セキュリティレベルを上げ、生体認証などを取り入れます。
[店舗でのセキュリティエリア]
・事務所
関係者以外の入室を制限する為に入室管理システムの導入が必要です。
・ストックルーム/バックヤード
内引き防止などの為にも入退室の履歴管理が重要になってきます。
[工場でのセキュリティエリア]
・入退場門/作業場/クリーンルーム/事務棟.作業等出入口
入退場の履歴の管理が必要です。
・執務室.研究室/サーバールーム/書庫
セキュリティレベルを上げ、内部不正への対策で生体認証などを
取り入れます。
5.認証方法の選定
認証機の種類は様々あります。
認証種類によりセキュリティレベルも導入コストも変わってきます。
規模・利便性・設置環境に合わせて認証機を選定します。
顔認証システムの費用相場は?自社に最適な予算・機能で導入するコツも解説https://secureinc.co.jp/blog/faceauth/face-recognition-cost/
6.利用人数の確認
セキュリティ区画の使用頻度や人数によりシステムレベルを検討します。
[小規模運用 従業員数20名〜50名前後]
カード認証が主流ではありますが、生体認証の設置でイメージUPにつながります。簡易的なシステムではなく、増員など企業の成長を見据えた際にシステムの拡張が可能な製品の選定が必要になります。
[小中規模運用 従業員数100名〜300名前後]
簡易システムの導入ですと、使用頻度から耐久性の問題が発生する可能性がある利用人数です。
オフィス規模が大きい事で管理する扉数も増える為、統合管理を考えたシステム導入が必要になります。
[大模運用 従業員数300名以上]
カード認証になるとカード管理の管理工数がかかります。
社員数が多ければ多いほど、結果的にコストUPになる事もあるので、生体認証の導入を検討した方が運用がスムーズです。
7.セキュリティレベルの定義
どのようなセキュリティ対策を施すかは 『企業・事業所の規模』『環境』『所有する情報資産の重要度』によって決定する必要があります。
8.他システムとの連携確認
入退室管理システムは入退室制限のみならず、様々なシステムと連携することで幅広く応用が可能になります。
ただの入室管理のみの機能ではもったいない!
拡張可能な運用をご紹介します。
①警備連動
警備とは区画内への不審者の侵入などを検知し警報で威嚇したり、警備会社や警察機関に通報を行う設備の事です。
警備システムから信号を受信することにより、認証機の使用停止やセンサーでの警備開始が可能になります。
②火災報知器連動
火災報知器との連動により、非常時に全ての扉が解放になる設定が可能です。
③勤怠連携
入室/退室の記録から履歴をCSVにて出力し管理を行ったり、他社の勤怠管理システムとの連携も可能です。
④在籍管理
入室/退室の記録から、いつ誰がその部屋に居たのかの履歴を残すことが出来ます。災害時の在籍確認にもなります。
9.管理ソフトの要件確認
認証の履歴確認や扉の設定は専用の管理ソフトで行います。各社イメージは様々で、管理人数・管理する扉の数・機能種別によりグレードが異なってきます。
また過去の履歴閲覧可能日数や他社システムとの連携内容により、費用が変わる可能性もあるので、事前に必要な項目のピックアップが必要です。
10.導入スケジュールの作成と各社との調整項目確認
入退室管理システムの導入はご相談から運用開始まで平均30日~60日かかります。
既存オフィスへの導入であれば、セキュリティベンダーとの打ち合わせのみの場合もありますが、移転などでセキュリティを導入する際には電気工事業者・通信工事業者・警備会社ビル管理人との調整も必要になります。
運用開始後の想定も行い、事前に社内でも総務部・システム担当者と連携を取るようにしましょう。
11.導入・運用開始
導入時には工事の立ち合いをし、使用方法の確認をしましょう。
実際に設置をしたかった場所やイメージと違うといった事もないよう当日の立ち合いは重要です。
運用開始前には下記の様に社内で運用方法のルールを明確にしましょう。
『入室時には必ず全員が入室する。共連れをしない』
『決まった扉から入退室をする』
『セキュリティカード紛失時は〇〇に連絡』
その他、もし急に扉が開かない!認証しない!といった事が起きても慌てず対処できるよう問い合わせ先の確認やマニュアルを用意しておくと安心です。
12.まとめ
本記事では入退室管理システムの導入ステップをご紹介しました。
セュリティシステムは現状運用しているので大丈夫と考えていても、移転・人員増加・環境・劣化などにより、定期的に見直しをする必要があります。
入退室管理システムの検討~運用までにはたくさんの確認事項がありますが、それぞれの会社の状況や働き方に合ったシステムの選定が必要です。
検討段階から、セキュリティの提案や設計、サポートをしてくれる企業にお問い合わせしてください。