データセンターには顔認証システムがいい?メリット・デメリットを解説!
データセンターに顔認証システムを導入することで、館内のセキュリティを保つことが可能です。また、受付や管理スタッフの負荷を軽減できるため、業務効率化も実現しやすくなります。
とはいえ、実際に導入すべきか判断しきれない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、
- データセンターが抱える課題
- データセンターに顔認証システムを導入するメリット・デメリット
の流れで、データセンターに顔認証システムを導入すべきか参考となる情報を紹介します。
記事後半で「データセンターにおすすめの顔認証システム」や「導入検討時によくある質問」についてもまとめているので、ぜひ最後までご一読ください。
なお「顔認証しつつ、データセンターの入退室管理もしたい」などのお悩みがある方には、以下の資料もおすすめです。無料ダウンロードのうえ、ご活用ください!
目次
データセンターが抱える課題とは?
データセンターが抱える課題は、主に下記の3つがあります。
- セキュリティを確保するため、本人確認に時間がかかる
- 緊急時でも書類を記入する必要がある
- 受付や管理スタッフの負荷が大きい
データセンターへの入館手続きを行う際は、カードキーを発行するための書類記入や、スタッフによる本人確認が欠かせません。
データセンター内のIT機器や機密情報を安全に維持するため、その分、入館手続きに時間がかかることが課題です。
昨今はコロナウイルス感染症のリスクもあり、対人による入館確認はデータセンターの利用者や、スタッフの健康に影響が出る恐れもあります。
本人確認作業を効率化して運用負荷を軽減するためには、スムーズに本人確認ができるシステムの導入が欠かせません。
顔認証システムを導入することでどんなメリットがあるのか、具体的に解説します。
データセンターに顔認証システムを導入するメリット4つ
顔認証システムを導入するメリットは、次の4つがあります。
- なりすましなどによる不法侵入を防ぎやすくなる
- 受付や管理の負担を軽減しやすい
- 認証がスピーディになる
- 監視カメラとしても活用できる
特になりすましによる不法侵入を防ぎやすい点や、監視カメラとしても活用できる点はデータセンターに効果的です。それぞれ具体的に見ていきましょう。
【メリット1】なりすましなどによる不法侵入を防ぎやすくなる
顔認証システムを導入することで、なりすましなどによる不法侵入を防ぎやすくなります。生体認証はIDカードと違い、貸し借りや模倣がしにくいためです。
たとえばICカードによる認証の場合、ICカードの紛失や盗難などによってなりすましされるリスクがあります。しかし顔認証であれば、なりすましされる可能性が低いです。
なりすましにより不正侵入された場合、企業の機密情報の漏えいや盗難に遭うリスクが高くなります。
企業の大きなイメージダウンにつながる恐れもあるため、顔認証システムで精度の高い本人確認を行うことが欠かせません。
【メリット2】受付や管理の負担を軽減しやすい
2つ目のメリットは、本人確認のための受付や管理の負担を軽減しやすい点です。
IDカードの場合、契約している企業や利用者に増減が発生すると、その都度カードを発行しなければなりません。
パートナー企業との打ち合わせなどでもカードを発行する必要があり、対応に時間がかかります。さらにオフィスに出社することが必須となってしまい、テレワークもしづらくなってしまいます。
一方で顔認証システムの場合は、システム上で顔写真などの登録や削除を行うだけで済むので、管理の工数を減らすことが可能です。
スタッフが受付に常駐する必要もなくなるため、ほかの重要な業務に注力しやすくなります。
【メリット3】認証がスピーディになる
本人認証がスピーディになるため、緊急時に対応しやすくなる点もメリットのひとつです。
顔認証システムでは、カメラに顔を向けるだけでデータベースの登録情報と自動的に照合されるため、一瞬で認証が完了します。
混雑しやすい時間帯でも受付の待ち時間を減らせるので、「サーバーに障害が発生した」などの緊急時に速やかに作業に移れます。
高いセキュリティを確保しながら、時間帯を問わずスムーズに入室できるようになることは、顔認証システムの大きなメリットです。
【メリット4】監視カメラとしても活用できる
顔認証システムは入館時の本人認証だけではなく、監視カメラとしても活用できます。
登録された顔データと合致しない場合は専用端末に通知されるため、警備員が速やかに現場に向かうことが可能です。
また、システムで撮影したデータを記録できるので、万が一不審者が敷地内に侵入した場合も、犯人を特定しやすくなります。
警備員の負担を軽減することも可能なため、顔認証システムはデータセンターの運営に欠かせない機器といえます。
データセンターに顔認証システムを導入するデメリット2つ
顔認証システムには、下記のデメリットも存在します。
- 事前にデータの登録が必要となってしまう
- カメラの設置が必要となってしまう
それぞれ見ていきましょう。
【デメリット1】事前にデータの登録が必要となってしまう
新しくデータセンターに顔認証システムを導入する際は、データセンター利用者の情報を登録しなければなりません。
データセンターの利用者数が増えるほど、登録作業にかかる工数も増加します。
そのため、顔認証システムを導入する前に、ベンダーに下記のことを確認しておきましょう。
- 事前にベンダー側でデータを登録してもらえるか
- 過去の入館者情報を移行できるか
- 自社でデータを登録し、一時的に入館を許可する機能があるか
特にサーバーに問題が発生したときなどの緊急時には、システムに未登録の作業員が入館しなければならないケースもあります。
自社で本人情報を登録して一時的に入館を許可できる機能があれば、運用の負荷を軽減しやすくなります。
【デメリット2】カメラの設置が必要となってしまう
2つ目のデメリットは、データセンターの入り口にカメラを設置しなければならない点です。
カメラを設置する場所が極端に暗かったり、逆光が入ったりする場合、システムによっては認証の精度が落ちる可能性もあります。
そのため、設置予定の場所でシステムが正常に機能するか、ベンダーに確認しておきましょう。
また、顔のデータは個人情報にあたるため、従業員のプライバシーに関わります。事前に顔認証システムの利用目的を従業員に周知し、理解してもらうことが大切です。
このようなデメリットもありますが、顔認証システムは本人認証に加えて監視カメラにも活用できます。
不正侵入や器物破損などのトラブルが起きた際にも役立つため、導入を検討することがおすすめです。実際にどんな顔認証システムがあるのか、詳しく紹介します。
データセンターにおすすめの顔認証システム3選
データセンターにおすすめの顔認証システムは、次の3つです。
- 株式会社セキュア「AI顔認証システム」
- NECソリューションイノベータ「NeoFace KAOATO」
- セーフィー株式会社「safie entrance2」
それぞれの特徴を詳しく解説します。
1. 株式会社セキュア「AI顔認証システム」
株式会社セキュアは、高度なAI(人工知能)技術を駆使した顔認証ソリューションを提供している会社です。
たとえば顔認証に加え、クラウドで入退室管理も行える「SECURE AI Office Base」を利用すると、以下のメリットがあります。
- 入館者の測温やマスクの着用を確認でき、コロナ対策になる
- 遠隔で認証情報を確認し、施錠・開錠ができる
- 機器が故障したときも、素早く手厚いサポートを受けられる
「セキュリティ対策だけではなく、従業員や入館者の行動を管理したい」などの方は、セキュアのシステムがおすすめです。
顔認証できる入退室管理システム「SECURE AI Office Base」の機能や活用方法は、以下の資料から確認できます。ぜひ無料ダウンロードしてご活用ください!
2. NECソリューションイノベータ「NeoFace KAOATO」
2つ目の顔認証システムは、顔認証最大手のNECが手がけた「NeoFace KAOATO」です。
下記の通り、周辺機器やエレベーターとの連携もできる点が特徴といえます。
- 利用者ごとの稼働スケジュールを加味した入退室管理が行える
- 体温の計測を行うサーマル機器や、エレベーターと連携もできる
- 入退室ログを顔写真付きで確認できる
特に利用者が多い大規模なデータセンターで、感染症対策・混雑緩和をしたい方におすすめのシステムです。
3.セーフィー株式会社「safie entrance2」
3つ目の顔認証システムは、多拠点での導入も簡単なクラウド型入退室管理サービス「safie entrance2」です。
下記のメリットがあり、複数のデータセンターを管理する企業におすすめです。
- 低価格な導入コストで利用を開始できる
- 緊急時に遠隔から解錠できる
- クラウドの録画サービスと連携し、データを多様なデバイスで確認できる
特に遠隔で緊急解錠できるため、「地方の支店で予期しない顔認証のエラーが発生した」などの場合も、本社から対応しやすくなります。
データセンターの顔認証システム導入を検討するときよくある2つの質問
データセンターに顔認証システムを導入するかどうかを検討する際に、よくある質問を2つ紹介します。
- 入退室管理ができる顔認証システムの費用相場は?
- 顔認証以外の認証方式では問題があるの?
ひとつずつ見ていきましょう。
【質問1】入退室管理ができる顔認証システムの費用相場は?
顔認証システムの費用は概算で200万円〜300万円程度になることが一般的です。
費用には、下記の初期費用と運用費用があります。
種類 | 詳細 |
初期費用 | ・20万円~150万円 ・配線距離、管理フロア数、扉の数・種類により大きく変わる |
運用費用 | ・50万円~100万円 ・クラウド型の場合、月額・年額費用がかかる |
クラウド型の顔認証システムの場合、ベンダー側で管理しているサーバー上にデータを保存するため、月額・年額の費用がかかります。
運用コストも含めてベンダーに確認しておくことが大切です。
「入退室できる顔認証システムの費用を詳しく知りたい」などの場合は、下記の記事をご一読ください。費用の種類を解説しています。
【質問2】顔認証以外の認証方式では問題があるの?
顔認証以外の認証方式には、以下のメリット・デメリットがあります。
認証方式 | メリット | デメリット |
暗証番号 | 手軽で安価 | 暗証番号が流出すると誰でも入室できる |
カードキーなどの電子錠 | ・利用者を特定できる・安価 | ・紛失・盗難のリスクがある ・カードの貸し借りができる |
上記の通り、暗証番号やカードキーなどを使った認証方式では、番号の流出やカードの盗難による不正侵入が起こるリスクがあります。
一方で顔認証システムの場合、データベースに事前登録された情報と照合して本人確認するため、なりすましなどの不正を防ぎやすくなります。
混雑時もスムーズに認証できるので、スタッフの負荷軽減や業務効率化を実現しやすいのがメリットです。
以下の記事では、データセンターの入退室管理方法を解説しています。システムの導入にかかる費用も紹介していますので、あわせてご覧ください。
まとめ:顔認証システムでセキュリティ対策を強化可能
今回は顔認証システム導入のメリット・デメリットや、おすすめのシステムを解説しました。
- データベースの情報と照合することで、なりすまし防止になる
- 認証がスピーディなため、受付や管理の負荷を軽減できる
- 監視カメラとして活用し、不審人物を特定しやすくなる
データセンターのセキュリティ対策を強化しつつ、効率化を図りたい方は、この機会に顔認証システムの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
なお「顔認証しつつ、データセンターの入退室管理もしたい」などのお悩みがある方には、以下の資料もおすすめです。無料ダウンロードのうえ、ご活用ください!