IE終了に伴い入退室管理ができなくなる?使い続けるリスクや対処法を解説
「IEがサポートを終了するので焦っている」
「IE終了後の各社の利用方法を知りたい」
「どうすれば、楽にシステムを使い続けられるの?」
IEのサポート終了に伴い、今後IEで入退室管理システムの利用はできなくなります。
とはいえ、そのまま使う場合、どうすれば良いのかわからない人もいるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、
- IE終了後の各社の利用方法
- そのまま使い続けた場合のリスク
- IEモードを利用するデメリット
についてまとめて解説します。
記事後半で「入退室管理システムをリプレイスする際のポイント」や「おすすめの入退室管理システム」も紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
なお、オフィス・職場の入退室管理・打刻管理・混雑状況の可視化などさまざまな状況に応じた操作や管理ができるシステムについては、下記で詳しくまとめています。
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目次
IE終了により入退室管理システムがそのままでは使えなくなる
2022年6月16日にマイクロソフトのInternet Explorer(以下IEと呼ぶ)のサポートが終了しました。
入退室管理の管理画面・アプリ、制御版への直接アクセスをする際にIEを使っているサービスでは、これまでと同じ方法ではサービスの利用ができなくなりました。
IEのサポート終了からしばらくはそのまま使えますが、いずれIE自体の起動ができなくなるため、別の利用方法に移行しなければなりません。
IE終了の影響を受ける入退室管理システム一覧
入退室管理システムのうち、いくつかのメーカーの製品は、IE終了により対応を求められます。
以下の表は、各入退室管理システムのIEサポート終了の影響の有無です。
入退室管理システム | IEのサポート終了の影響の有無 |
---|---|
SECURE AI Office Base | なし |
NIPPOの入隊弁慶 | あり |
Qrio株式会社のカギカン | あり |
PanasonicのデイリPLUS | あり |
株式会社ロックシステムのid・Techno シリーズ | あり |
日本電算設備株式会社のAccess Easy Controller 2.1 | あり |
iDoorsのiDoors リーダー | あり |
akerunのAkerun ConnectおよびPhotosynth | あり |
NECプラットフォームズのSecureFrontia Lite | あり |
イー・アンド・エム株式会社のe+macoco | あり |
ITOKIのSeculecti | あり |
東芝の入退管理システム | あり |
ACALL株式会社のACALL RECEPTION | なし |
株式会社アートのALLIGATE | なし |
ブロックチェーン株式会社のKeyvox | なし |
「PanasonicのデイリPLUS」や「東芝の入退管理システム」などIE終了の影響を受ける入退室管理システムが多くあります。
一方でSECURE AI Office BaseやACALL RECEPTIONのように、元々IEが推奨環境に含まれていない入退室管理システムは今回の影響を受けません。
特に手続きの必要もなく、そのまま利用し続けられます。
IE終了による入退室管理システム提供会社の対応
今回のサポート終了に伴い、今後は入退室管理システムをIEで利用できなくなります。そこで、各社がどのような対応しているのか解説します。
入退室管理システムの提供会社 | 今後の対応 |
---|---|
パナソニック | ・Microsoft EdgeのInternet Explorerモードによる使用 ・2023年4月移行は、Microsoft Edgeにも対応予定 |
株式会社ロックシステム | Microsoft EdgeのInternet Explorerモードによる使用 |
株式会社グラスフィアジャパン | Microsoft EdgeのInternet Explorerモードによる使用 |
セコム | Microsoft Edgeに対応 |
NECプラットフォームズ | Microsoft EdgeかGoogle Chromeブラウザでの使用 |
ALSOK | Microsoft Edgeに対応 |
表を見ても分かる通り、Microsoft Edgeを使うか、Microsoft EdgeのInternet Explorerモードによる使用に切り替える会社がほとんどです。
1.EdgeのIEモードでそのまま使える会社が多い
以下の会社については、Microsoft EdgeのInternet Explorerモードによる使用に変更されます。
- パナソニック
- 株式会社ロックシステム
- 株式会社グラスフィアジャパン
Microsoft Edgeには、Internet Explorerモードと呼ばれる機能があります。これは、Internet Explorerにしか対応していないソフトをMicrosoft Edgeでも表示できる機能です。
かんたんな設定でできるので、IEのサポートが終了しても移行はスムーズに終わります。
2.IE以外に対応している入退室管理システムなら別のブラウザを使う
IE以外に対応している入退室管理システムであれば、別のブラウザを使いましょう。
パナソニック・セコム・NECプラットフォームズなどのシステムは、Microsoft Edge自体に対応しています。
また、NECプラットフォームズでは、Google Chromeブラウザに対応しています。
IEでそのまま入退室管理システムを使い続けた場合のリスク
IEがサポートを終了してもしばらくは、引き続きサービスの利用ができるので、ほかの方法への移行が面倒に感じるかもしれません。
しかし、そのままIEを使い続けた場合、以下のようなリスクがあります。
- ウイルスへの感染リスク
- 不正アクセスによる情報漏洩
- 動作不良による従業員への負担増加
それぞれのリスクについて順番に見ていきましょう。
【リスク1】ウイルスへの感染リスク
一般的にブラウザソフトを使っている場合、サイバー攻撃につながるような脆弱性が見つかると、修正パッチが提供されます。
修正パッチが提供される限りは、ウイルスへの感染リスクも低いです。
しかし、IEのサポートが終了すると、問題が見つかったとしても修正パッチは提供されません。そのため、ウイルスに感染すると、対処できなくなります。
また、社内でしか使わなければ、安全になるわけではありません。なぜなら、脆弱性があるパソコンを使っている場合、社内のネットワークに侵入されれば、感染が拡大するリスクがあるからです。
【リスク2】不正アクセスによる情報漏洩
IEのサポートが終了している場合、セキュリティの脆弱性が低い状態が続きます。つまり、その状態では、不正アクセスによる情報漏洩リスクが高くなります。
入退室管理システムには、撮影した画像に表示される個人情報や企業の機密情報が入っているため、漏洩すると悪用される可能性があります。
特に、機密情報の漏洩防止を目的に入退室管理システムを導入している場合、被害は大きくなるでしょう。訴訟により損害賠償請求されるのはもちろん、復旧にも時間がかかりますし、顧客からの信用失墜につながります。
【リスク3】動作不良による従業員への負担増加
IEを使い続けた場合、プログラムの不具合が起きてもサポートを受けられないので、ブラウザの動作不良が起きやすくなります。その結果、入退室管理システムの使用に支障が出てしまう可能性もあるでしょう。
また、サポートが無いため動作不良が起きても自力で対処法を考える必要があり、修正には時間がかかります。最悪の場合、時間をかけても動作不良を直せないケースもあるでしょう。
上記により対応工数が膨大になることが予想されます。
入退室管理システムをEdgeのIEモードで開くための設定方法
入退室管理システムをMicrosoft EdgeのIEモードで開くためには以下の手順で設定しましょう。
- Microsoft Edgeの右上にある「・・・」をクリックして、設定を開く
- 設定画面の左上にあるメニューから「既定のブラウザー」を選択
- 「Internet Explorerモードでサイトの読み込みを許可」を「許可」にする
- 「Internet Explorerモードページ」の「追加」をクリックする
- 空欄にログインURLを入力したら「追加」をクリックする
▲設定画面のイメージ
なお、これらの手順を進めているとき画面上部に「お使いのブラウザーは組織によって管理されています」と出る場合は、自社のシステム管理者へ相談しましょう。
IEモードで入退室管理システムを使う3つのデメリット
IEに対応していた入退室管理システムを引き続き使う場合、Microsoft EdgeのIEモードを使えば、わざわざブラウザをあらたにダウンロードする必要はありません。
とはいえ、IEモードで使う場合、以下のデメリットがあります。
- 設定が必要
- Edgeのネイティブモードよりも性能が低い
- 2029年以降、IEモードについても終了する可能性がある
それぞれのデメリットを見ていきましょう。
【デメリット1】設定が必要
IEモードで起動するためには、事前に設定が必要です。設定手順については、各社のホームページで公開されています。とはいえ個々に設定が必要であることから、煩わしさを感じる人もいます。
対応漏れにより問い合わせが増える可能性もあるでしょう。また設定が制限されている場合は、システム管理者に相談した上で進めていかなければなりません。
【デメリット2】Edgeのネイティブモードよりも性能が低い
Microsoft EdgeのIEモードは、IEのレンダリングエンジンを使用したものなので、Edgeのネイティブモードや他社のブラウザよりも性能が低くなります。
加えて、ブラウザ組み込みのデバッグツールにも制約があるため、障害が発生すると対処が難しくなります。
よって、ブラウザそのものに対応している入退室システムを利用した方が、安心して利用可能です。
【デメリット3】2029年以降、IEモードについても終了する可能性がある
IEモードは、最低でも2029年までは使えますが、それ以降になるとサービスが終了するかもしれません。
そうなれば、Microsoft EdgeやGoogleクロームブラウザなどへの変更をする手間がかかります。
IE終了の影響で入退室管理システムをリプレイスする際のポイント3つ
IEのサポートが終了したこの機会に、現在の入退室管理システムから別のシステムへのリプレイスを検討している人もいるのではないでしょうか?
そこで、入退室管理システムをリプレイスする際のポイントを3つ紹介します。
- 既存のシステムと連携できるか
- 社員が使いやすいシステムか
- 会社の規模や目的に合っているか
これらのポイントを把握しておけば、リプレイス先に悩む時間を減らせます。ぜひ、参考にしてみてください。
【ポイント1】既存のシステムと連携できるか
まずは、新たに導入予定の入退室管理システムが、勤怠管理・監視カメラ・警備などと連携できるか確認しましょう。
既存のシステムと連携できれば、入退室管理システムを導入する際の負担も減らせるので、スムーズに移行できます。
【ポイント2】社員が使いやすいシステムか
入退室管理システムには、ICカード・暗証番号・生体認証などさまざまな方法があります。
セキュリティを重視するなら生体認証、運用効率を考えるならICカードというように、特色がありますが、考えなければならないのは社員が使いやすいかです。
認証のしやすさはもちろん、利用者やカギの管理がしやすいかも踏まえて、選びましょう。
【ポイント3】会社の規模や目的に合っているか
入退室管理システムをリプレイスするときは、将来的な会社の規模や目的に合っているかも考える必要があります。
今後、自社ビルを移転する場合や従業員が大きく増える見込みがある場合は、今のうちに相性の良い入退室管理システムを選ばなければなりません。
また、高機能な製品を選ぶと、費用も高くなります。自社の規模や目的と合わせて、慎重に検討しましょう。
まとめ:IE終了を機に入退室管理システムのリプレイスを検討しよう!
IEのサポート終了により、多くの入退室管理システムはMicrosoft EdgeのIEモード、Microsoft EdgeやGoogleクロームブラウザでそのまま利用できます。
とはいえ、新たに設定の必要があるため、サポート終了を機にリプレイスを検討してみてはどうでしょうか。
SECUREの「入退室管理システム」なら、入退室管理だけでなく、労務・勤怠管理やオフィス管理も可能です。
扉ごとに入退室管理ができるので、認証方式の変更やセキュリティレベルの設定も細かくできます。
入退室管理システムを探しているのであれば「SECURE AC」をご検討ください。