葬儀場の人手不足対策3選!DXツール活用で無人・省人化と安全管理を強化

高齢化社会の進展とともに需要が拡大する葬儀業界。2040年には死亡数が160万人を超えると推計される一方で、人口減少などの影響で深刻な人手不足に直面しています。
日本の総人口は減少傾向にある一方で、高齢者の割合は増加の一途をたどっています。
そこで本記事では、葬儀場の人手不足対策に有効なアプローチとして、24時間対応による負担軽減の方法や葬祭業界のDX導入事例の紹介など、葬儀場が抱える課題と人手不足解消に焦点を当て、無人化・省人化に役立つ情報を紹介します。
なお、株式会社セキュアではセキュリティのプロフェッショナルが、導入者数11,000社を超える実績をもとにお客様のお悩みに寄り添い、効率化も含めたソリューションのご提案を実施しています。葬儀場の業務負担の軽減や、限られた人員での対応に課題を感じている方は、下記から気軽にお問い合わせください。
目次
葬儀業界の現状

日本の総人口は減少傾向にある一方で、高齢者の割合は増加の一途を辿っています。
内閣府による「令和6年版高齢社会白書」によると、令和5年10月1日時点の高齢化率は29.1%に達しました。今後もこの傾向は続き、厚生労働省の推計では2040年に死亡数が160万人以上に達すると予測されています。

つまり、葬儀の需要は今後さらに拡大することは明らかです。
このような状況からもわかるように、葬儀場・火葬場・セレモニーホールなどの運営現場では「需要の増加」と「人手不足の深刻化」という二重の課題に直面しています。特に、24時間体制でご遺体の搬送や準備が必要な葬儀業務では、人員確保が難しくなっているのが現状です。
なぜ?葬儀場で人手不足が深刻化する3つの理由

葬儀場の人手不足は年々深刻化しています。その背景にはどのような要因があるのでしょうか?ここでは3つの理由をもとに深掘りします。
理由1.業界特有の労働環境
葬儀場の業務は、一般的に厳しいというイメージを持たれる傾向にあります。業界特有の労働環境を下記に挙げてみました。
- 24時間365日対応が必要な場合が多く、深夜や早朝の勤務が発生しやすい
- 人の死に接する仕事のため、精神的な負担があるご遺体の搬送や式場の設営など、体力が必要な仕事が多い
業界特有の環境に加えて、専門知識や礼儀作法、宗教や文化に対する深い理解が必要なため、葬儀場の仕事は「精神的・体力的なきつさがありそう」と求職者が躊躇してしまう要因の一つとなっています。
理由2.働き方の変化と求職者の意識の変化
昔と比べて、仕事に対する考え方や働き方が変化していることも葬儀場の人手不足の理由の一つです。近年ではワークライフバランスが重視されるようになり、下記のように考える人が増えています。
- 仕事だけでなくプライベートの時間も大切にしたい
- 急な残業や不規則な勤務が求められる環境は魅力的ではない
- リモートワークやフレックスタイムなどで、自分の都合に合わせて働きたい
葬儀業界においては、急な対応や不規則な勤務が発生しやすいため、ワークライフバランスを重視する求職者の意識の変化と合わず、人材確保の障壁となっていると考えられます。
理由3.他業界との人材獲得競争の激化
葬儀業界だけでなく介護業界やサービス業など、他の業界でも人手不足が問題になっており、限られた人材をめぐる競争が起きている点も理由の一つです。
求人広告を出しても他の業界との競争に勝てず、より良い条件を提示する他業種へ人材が流出するケースも少なくありません。
このような人材不足を解消するためにブランディングを強化したり、スタッフが辞めない職場づくりに取り組む葬儀場は多いと思いますが、なかなか簡単なことではないのが現状です。
そこで今、注目されるのがデジタル技術を活用した無人化・省人化です。ネットワークカメラなどを活用した遠隔接客を導入することで、少ない人員でも質の高いサービスを提供できる仕組みづくりが進んでいます。次の章で詳しくご紹介します。
人手不足対策にDXで業務効率化!少ない人数でも回る葬儀場へ

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、最新のデジタル技術を活用して業務プロセスを根本的に変革し、効率化や価値創造を目指す取り組みのことです。葬儀場では「無人化・省人化」によるスタッフ負担の軽減だけでなく、サービス品質の均一化や安全管理の強化にも役立ちます。
本章では、実際に導入された「葬儀場A様」の事例をもとに、無人化・省人化に効果的な3つのDXソリューションを紹介します。
葬儀場A様の導入事例
数十の式場を展開する「葬儀場A様」では、運営の効率化を目的として無人化の計画を進めていました。葬儀場A様が求めていたのは、下記のような条件でした。
- 省人化ではなく、可能な限り完全無人での運営を目指したい
- 少ない人数でも運営できるようにしたい
- 複数の拠点がある場合に、本部にある1つのマイクから一斉アナウンスできるようにしたい
これらの要望に応える形で、セキュアの3つのDXソリューションが導入されました。
1.ネットワークカメラによる遠隔確認
ネットワークカメラとは、カメラ本体にコンピューターが内蔵されており、インターネットに接続できるビデオカメラのことです。インターネット回線を通じてPCやスマートフォンから映像を遠隔で確認できるのが大きな特徴です。
ネットワークカメラを設置することで、人の目視確認や巡回業務を削減でき、下記の効果が期待できます。
- 受付、控室、駐車場など各所の様子を事務所から一括で確認し、トラブルや混雑を早期発見(巡回担当者不要で広範囲をカバー)
- 夜間や早朝など、無人状態でもカメラが24時間自動見守り
- 録画データを振り返ることで、接客や運営の課題を分析し、サービス改善にも活用
また、トラブル発生時には録画映像で状況を即時確認できるため、現場対応の必要性を事前に判断できます。これにより、不必要な出動を減らし、現場スタッフの負担を軽減することが可能です。
現場状況の確認・防犯に役立つカメラの詳細は、下記の記事で紹介していますので、併せてご覧ください。
2.ネットワークスピーカーによる自動案内
ネットワークスピーカーとは、インターネットや社内LANに接続して、PCやスマートフォンなどから遠隔で音声の配信ができるスピーカーです。
ネットワークスピーカーを設置することで、案内業務を自動化し、下記のような効果が期待できます。
機能 | 実現すること |
---|---|
リアルタイムの遠隔対応 | ・来場者が入るとカメラが検知し、スピーカーから「いらっしゃいませ。お掛けになってお待ちください」と自動アナウンス ・本部側のスタッフがリアルタイムで映像を確認し、必要に応じて遠隔で対応 |
音声アナウンスの自動再生 | ・特定の時間に自動で定型アナウンスを流す ・「退館時間の案内」や「式場案内」などが無人で対応でき、スタッフ業務負担を軽減 ・BGMや環境音楽を流し、式場の雰囲気づくりも省人化 |
複数拠点を一元管理 | ・本部のオペレーターが画面上で拠点を選択し、マイク1本で式場内や控え室などの拠点へ指示を出す ・各拠点ごとに設備を個別導入する必要がなく、システムを統一することで管理の手間を軽減 |
スムーズな緊急対応 | ・フルHD(200万画素)のカメラを採用し、約1秒以内の遅延でスムーズな映像確認が可能 ・異常事態を早期に発見できるため、迅速に対応できる |
例えばセキュアのサービスでは、ネットワークカメラとスピーカーがセットになっているため、これらのソリューションをマイク1本で対応することが可能です。
また、一つのカメラシステムで完結するため、複数のメーカーに依頼する必要がなく、スムーズな導入が可能です。異なるシステム間の連携トラブルを防ぎ、導入コストや運用負担を軽減できるというメリットもあります。
3.入退室管理システムでセキュリティと省人化を両立
入退室管理システムとは、施設への出入りを管理・記録できるセキュリティシステムです。
葬儀場には貴重品や個人情報が多く存在するため、安全管理は必須です。しかし、巡回や目視確認だけでは従業員の負担が大きくなります。
そこで入退室管理システムを導入することで、スタッフが常時対応しなくても安全性を確保し、省人化とセキュリティ強化の両立が可能です。
入退室管理システムの導入で期待できる効果は、下記のとおりです。
- スタッフの出退勤時間をシステムが自動記録し、担当者の管理業務を削減
- 不正な侵入を防止し、エリアごとのアクセス権限を自動制御
- IDカードや生体認証で本人確認を自動化し、受付業務の負担軽減
- 入退室ログをクラウドで自動保存、問題発生時も巡回不要で履歴確認が可能
- リモート管理により、事務所不在時や夜間でも安全性を確保
サービスによっては、警備システムや勤怠管理システムと連携できるため、不審者の侵入時には自動で警備会社へ通報したり、入退室データをそのまま勤務時間の記録として活用したりすることもできます。
入退室管理システムについてさらに理解を深めたい方は、下記の記事もご覧ください。
導入後の成果
これらのソリューションにより、複数拠点を本部から一括で管理しながら、リアルタイムの映像確認や遠隔アナウンス、来場者対応までを一つのシステムで完結できる体制が整いました。
導入後はスタッフの現場負担が大幅に軽減され、効率的な無人化運営がスタート。
例えば、来場者が施設に入るとカメラが自動検知し、「いらっしゃいませ。お掛けになってお待ちください」とスピーカーが自動で案内。必要があれば、本部スタッフが画面上から該当拠点を選んでマイクで直接対応することも可能となりました。
葬儀場の人手不足対策なら株式会社セキュアにご相談ください
株式会社セキュアでは、20年以上の実績とセキュリティノウハウを活かして、葬儀場の無人化・省人化をはじめ、各社の環境に合わせた最適なソリューションをご提案しています。葬儀場の無人化・省人化に効果的なネットワークカメラ・スピーカー・入退室管理システムをまとめてご提案も可能です。
導入サポート
セキュアのソリューションでは、導入前後のサポートも万全です。
【セキュアのソリューションの3つの安心】 1.導入前にデモ機の貸し出しを実施。カメラ映像の確認やスピーカーの音声品質などのチェックが可能 2.提案から設計・導入支援・施工・導入後サポート・保守まですべてセキュアが一貫して対応するため、情報共有がスムーズにおこなわれ、対応ミスやトラブルが発生しにくい 3.運用開始後も、システムのチューニングやトラブル対応をサポートし、安定稼働を実現 |
導入社数11,000社を超える実績を持つセキュリティソリューションのご相談は、下記から気軽にお問い合わせください。
まとめ:葬儀場の無人化・省人化にはDXツールを活用しよう!

2040年に向けて拡大する葬儀需要と深刻化する人手不足の課題に対し、デジタル技術を活用した業務改革が求められています。本記事では、ネットワークカメラ・スピーカー・入退室管理システムなどのDXツールを活用し、少ない人数でも円滑に運営できる方法を紹介しました。
これらのソリューションを導入することで、業務の効率化だけでなく、サービス品質の向上、セキュリティの強化、そしてスタッフの負担軽減を同時に実現できます。
株式会社セキュアでは、20年以上の実績を持つセキュリティのプロフェッショナルとして、お客様の施設環境や課題に最適な省人化ソリューションをワンストップでご提案します。導入前のヒアリングからデモ機の貸し出し、運用サポートまで一貫して提供し、人手不足の課題解決と安全管理の強化の両立をサポートいたします。
WEBからのお問い合わせは24時間対応しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。

セキュリティマーケター
和田 麗奈
保有資格:防犯設備士
株式会社セキュアに入社後4年間、セキュリティソリューション営業に従事。多岐にわたる業界・業種の課題解決に貢献する。
現在はマーケティングチームに所属し、現場での経験を活かしながら活動中。