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万引きを防止するためには?具体的な対策方法や万引き防止ツールについて解説

万引きは、店舗経営において避けて通れない大きな課題です。被害による売上の減少はもちろん、従業員の精神的負担・業務負担の増加など、店舗運営全体に深刻な影響を及ぼします。

こうした被害を防ぐには、単に監視を強化するだけでなく、来店客に「見られている」「悪いことはできない」と感じさせる心理的な抑止も欠かせません。

本記事では、万引きを未然に防ぐための具体的な防止策や、防犯カメラをはじめとした万引き対策グッズについて詳しく紹介します。しっかりと対策を講じ、安心して営業できる店舗環境を整えていきましょう。

また、株式会社セキュアでは、あらゆる店舗の課題や万引き対策にも役立つセキュアの監視カメラシステム「SECURE VS」を提供しています。SECURE VSの機能・特徴について詳しく解説していますので、詳細は下記のページをご覧ください。

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万引きの現状とその影響

万引きは、多くの店舗にとって深刻な問題です。全国万引犯罪防止機構によると、日本国内における年間の万引き被害総額は推定4,615億円にのぼり(2010年)、1日あたり約12.6億円もの被害が発生しています。

近年、社会問題として注目されている特殊詐欺(振り込め詐欺など)の被害額は、暫定値で721億5,000万円(2024年)です。比較すると、万引きによる被害は実に特殊詐欺の6倍以上に相当する規模であり、店舗経営にとって看過できないリスクといえるでしょう。

また、法務省の「平成26年版 犯罪白書」によると、窃盗罪の中でも万引きは特に再犯を繰り返すケースが多いと指摘されています。そのため、一度被害に遭うと、その後も継続的に狙われるリスクが高まり、結果として被害額が膨らんでしまう可能性があるのです。

*参考:法務省,平成26年版 犯罪白書
*参考:全国万引犯罪防止機構,万引対策強化国際会議2017 報告書 及び 提言

万引きによる店舗経営への影響

万引きが頻発すると、店舗経営に以下のような具体的な影響が出るおそれがあります。

▼売上の減少
万引きで商品が盗まれると、その分の売上が失われ利益が減少します。高額商品ほど被害は大きく、損失分を補うために商品の販売価格を引き上げざるを得なくなるケースもあり、結果として顧客離れを招くリスクがあります。

▼顧客や従業員の安全リスク
万引き犯を問い詰めた際に、暴力や口論に発展するなど、顧客や従業員が危険にさらされるケースも否定できません。また、万引き被害が頻発すると「この店は治安が悪い」という印象を持たれ、お客様が安心して買い物できなくなるといった間接的な悪影響を招く可能性もあります。

万引きされやすい店舗・時間帯の特徴

万引きは、店舗の種類や時間帯によって発生しやすい傾向があります。効果的な対策を講じるためには、これらの特徴を理解することが重要です。

以下に、万引きされやすい店舗の特徴をまとめました。

▼万引きされやすい店舗

店内の死角が多い高い棚や複雑なレイアウトにより、店員の目が届きにくい場所が多い店舗は、万引き犯に狙われやすくなる
従業員の数が少ないスタッフが不足していると、監視の目が行き届かず、万引きのリスクが高まる
店内が混雑している混雑時には店員の注意が分散し、万引きが発生しやすくなる
防犯対策が不十分防犯カメラやミラー、警備員の配置などの対策がない店舗は、特にリスク大

万引きの発生時間帯は、万引き犯の年齢層や店舗の種類などによって異なります。

▼万引きが多発する時間帯

午前中・高齢者によるスーパーマーケットでの食料品を万引きが多発
16:00時頃・小中高生によるコンビニでの食料品・玩具類の万引きが目立つ
・高齢者のスーパーマーケットでの食料品の万引きも多発
*参考:万引きに関する調査研究報告書|警視庁

高齢者によるスーパーマーケットでの万引きでは、人員を増やす・声かけを強化するなどの対策が有効です。小中高生によるコンビニでの万引きでは、入り口付近や目につきやすい場所にお菓子・玩具を配置するといった対策が有効です。

万引きが発生する状況に合わせ、適切な対策を実施することが万引き被害の減少につながります。

内引き(従業員による窃盗)へのリスクと対策

内引きとは、従業員が勤務先の店舗・企業から商品や現金を盗む行為です。
万引きと同様に、企業の利益損失だけでなく、職場の信頼関係やモラルの低下にもつながる重大なリスクを伴います。

以下に、内引きのリスクとその対策方法をまとめました。

▼内引きのリスク

経済的損失・内引きによる商品・現金の盗難は、店舗・企業に経済的損失を与える
・特に小規模な店舗では、被害額が利益を圧迫し、経営に深刻な影響を及ぼす可能性もある
職場環境の悪化・内引きが発覚すると、従業員間の信頼関係が損なわれ、職場の雰囲気が悪化する
・他の従業員のモチベーション低下や離職率の上昇といった問題が発生する恐れがある
顧客からの信頼失墜・内引き事件が公になると、顧客からの信頼が低下し、ブランドイメージの損失につながる
・売上減少や顧客離れといった二次的な被害が発生することもある

▼内引きの対策

防犯カメラの設置・レジや在庫管理場所に防犯カメラを設置し、定期的にモニタリングすることで内引きを防止する
・内引きそのものの抑止力にもなる
在庫管理の徹底・棚卸しを定期的に実施し、在庫の不一致を早期に発見できるようにする
キャッシュレス決済の導入・現金の取扱いを減らし、金銭管理の透明性を保つ
アクセス制限の強化・在庫の保管場所や金庫室への入室を制限し、入退室の記録を管理することで不正行為を抑止する
内部通報制度の整備・匿名で不正を報告できる体制を整え、内引きを早期に発見できるようにする
従業員教育の実施・コンプライアンス研修を定期的に実施し、倫理観を高めることで内引きを未然に防止する

内引きは、企業の存続や信頼性に直結する重大な問題です。上記の対策を講じ、内引きのリスクを最小限に抑えることで、健全な職場環境を維持できる環境を整えましょう。

また、株式会社セキュアでは、万引きだけでなく内引き対策にも役立つ監視カメラシステム「SECURE VS」を提供しています。SECURE VSの機能・特徴について詳しく解説していますので、詳細は下記のページをご覧ください。

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万引き防止のための対策とは

ここからは、万引きを防止するための具体的な対策について解説します。

万引きしづらい店舗をつくる

万引き被害を防ぐためには、店舗環境そのものを見直し「盗みにくい」と感じさせる工夫が欠かせません。具体的には以下のような対策があります。

▼死角を減らす
店舗内のレイアウトや商品棚、従業員の配置を工夫し、常に店内全体が見渡せる環境を整えましょう。棚は低めにし視界を広く保つことが基本です。

また、防犯カメラに死角が生じないよう設置場所を確認し、死角に商品を置かない工夫も必要です。さらに、通路を広く確保し、人の流れをスムーズにすることで、不審な行動に気づきやすくなります。

▼商品配置を工夫する
高価な商品や盗まれやすい小型商品は、レジ周辺など従業員の目が届きやすい場所に配置しましょう。また、商品棚が乱雑だと、管理が甘い店舗だと思われ、万引き犯を引き寄せる原因になります。常に整理整頓を心がけましょう。

▼自動セキュリティゲートを設置する
出入口に自動セキュリティゲートを設置し、防犯タグを付けた商品が持ち出される際にアラートが鳴る仕組みを導入することで、盗難を未然に防止できます。

これらの対策を組み合わせることで、万引き犯に「監視されている」「盗みにくい」と意識させ、犯罪抑止効果を高めることができます。

従業員教育をおこなう

万引き防止には、現場で働く従業員一人ひとりの意識と対応力を高めることが重要です。そのために、不審行動を見逃さないための教育と、声掛けや対応手順のマニュアル化を進める必要があります。

▼不審行動の識別方法を学ぶ
不審行動には一定のパターンがあり、これらを理解しておくことで万引きの早期発見につながります。たとえば「同じ商品を何度も手に取る」「商品を手にしたまま長時間立ち止まっている」「従業員や他のお客様を避けるように動いている」などです。

内引きを含め、顧客や従業員の行動に違和感を覚えた場合は、速やかに周囲に共有しましょう。

▼声掛けと対応手順をマニュアル化する
声掛けや万引き発覚時の対応をマニュアル化し、いざというときに従業員が落ち着いて行動できるよう準備しておきましょう。万引きや内引きを疑う場面では「どのように声を掛けるのか・対応するのか」「万引きが発覚した場合の警察への連絡方法・証拠映像の保存方法」など、適切な手順をマニュアル化しておくことが求められます。

心理的抑止を与える

万引きを防ぐためには、万引きをしにくいと感じさせる環境づくりも効果的です。従業員や防犯設備によって「見られている」と意識させることで、犯罪を未然に防ぐ心理的抑止効果が期待できます。

▼積極的な声掛けをおこなう
「いらっしゃいませ」「何かお探しですか?」といった一言をかけるだけでも、万引き犯に「店員に見られている」「監視されている」と感じさせる効果があります。声掛けを習慣化することで、不審な行動を取りにくい雰囲気を作ることが大切です。

▼「見られている」という視線を感じさせる
防犯カメラや防犯ミラーを活用して「見られている」と意識させることも重要です。防犯カメラは設置するだけでなくあえて目立つ場所に設置したり、「防犯カメラ作動中」「監視強化中」などと記載したポスターを掲示することで、万引き犯の心理的ハードルが上がり、より強い抑止効果が得られます。

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次の項目では、防犯カメラを含めた万引き防止グッズを紹介します。

万引き防止に役立つ3つのツール

ここでは、万引き防止に役立つ3つのツールを紹介します。

  1. 防犯カメラ
  2. 防犯ゲート・防犯タグ
  3. 万引き防止ポスター・POP

1.防犯カメラ

防犯カメラは、店舗内を監視し、万引き犯を事前に察知するための最も基本的なツールです。万引き行為そのものを抑止する効果はもちろん、遠隔からの監視や、万引きが発生した場合の証拠確保にも役立ちます。近年ではAIを搭載した防犯カメラの導入も進んでいます。AIカメラでできる具体的な内容は以下のとおりです。

▼混雑状況を可視化
混雑時にはスタッフの目が行き届きにくく、万引きが発生しやすくなります。混雑状況を把握できるカメラなら、ピーク時の人員配置を最適化し、万引きリスクを軽減できます。
再犯防止への活用
万引きは再犯率が高いため、一度不審な行動があった人物をAIで登録しておくと、再来店時にすぐ警戒できる防犯カメラもあります。

一般的な防犯カメラは1台あたり数万円程度で設置できるものも多く、比較的手軽に導入が可能ですが、AIを搭載した高機能カメラになると、導入費用が高くなる傾向があります。しかし、長期的に見ると「人的負担の軽減」「被害発生リスクの低減」などのメリットもあるため、費用対効果も踏まえて慎重に選定してください。

明確な金額はお客様の設置環境によっても変わるため、お気軽にご相談ください。

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2.防犯ゲート・防犯タグ

防犯ゲートは、店舗の出入口に設置し、商品に取り付けた防犯タグを検知することで万引き行為を防ぐツールです。タグがついた商品を持ってゲートを通過しようとしたり、無理にタグを外そうとすると、警報音が鳴り万引きを未然に防ぐことが可能です。

商品単位で個別に対策できるため、高価な商品や手に取りやすい小型商品などに特に適しています。

<防犯ゲート・防犯タグのポイント>
導入コストについては、防犯ゲート本体に加え防犯タグや解除機も必要になるため、初期費用は比較的高めです。しかし、一度設置すれば広範囲の商品をカバーでき、長期的には安心感や抑止効果を得られる点で費用対効果は高いと言えるでしょう。

3.万引き防止ポスター・POP

店舗内に「万引き防止ポスター」や「防犯対策中」などと書かれたPOPを掲示することで、「万引き行為を見逃さない」という店舗側の強い姿勢をアピールできます。このような掲示物によって、「この店では見られている」「盗みづらい」と感じさせる心理的プレッシャーを与え、万引き抑止効果が期待できます。

<万引き防止ポスター・POPのポイント>
導入コストについても、他の防犯設備と比べると低コストで済むため、手軽に取り入れられる防犯対策として有効です。店内全体に貼るだけでなく、特に万引き被害が起きやすい売り場周辺に重点的に設置すると効果的です。

万引き防止に役立つセキュアの対策ツール

ここでは、万引き対策に役立つセキュアの防犯カメラ・関連ソリューションを紹介します。

▼BOX型カメラ
本体やレンズを自由に選べ、存在感があるため犯罪抑止効果が高いカメラです。
屋内専用のカメラですが、ハウジングを別途導入することで、屋外設置が可能になります。

▼バレット型カメラ
カメラとハウジングが一体になっているため、主に屋外で使用されることが多く、防水・防塵機能に優れているタイプです。
店舗の出入口や、駐車場など外部エリアの監視に適しており、遠くまで鮮明に撮影できるモデルもあります。

▼ドーム型カメラ
機種によっては広範囲をカバーできるものもあり、耐衝撃性が高いタイプです。
カメラの向きがわかりにくいため、「監視されている」と意識させつつも、威圧感を与えにくい点が特徴です。そのため、ホールや客席など、目立たせたくない場所への設置に適しています。

▼全方位型カメラ
魚眼レンズを搭載し、360度の広範囲を撮影できるタイプです。
死角が少なく、カメラ台数を抑えつつ広範囲を監視したい店舗やイベント会場などで活躍します。
全方位カメラについてはこちらのページから資料をダウンロードできますので、合わせてご覧ください。

「全方位フィッシュアイカメラ」の資料をダウンロード

セキュアのソリューションを万引き対策に役立てた事例

上質な工具のセレクトショップを営む、ファクトリーギア株式会社様の事例を紹介します。

お客様が実際に工具に触れながら選べるようオープンディスプレイでの工具展示をおこなっており、誰でも手に取りやすい展示方法であることから、万引き被害が大きな課題となっていました。また、お客様情報をスタッフ同士でスムーズに共有できておらず、サービス品質向上が難しい点も悩みだったそうです。

万引き被害への対策を強化するため、顔認証技術によって監視カメラ映像に映った人物を瞬時に特定できる「FaceTracker(フェイストラッカー)」を導入。「顔認証で顔データを扱うため、セキュリティに強い企業・サービスを選びたい」と考えた同社は、セキュアのソリューションを選択しました。

導入後は、万引き犯が店舗に来店した際にスタッフが直ちに把握できるようになっただけでなく、その情報を他店舗ともリアルタイムで共有可能に。スタッフの不安が軽減されるとともに、万引き防止の抑止力が強化されました。

詳しくは、ファクトリーギア社の事例をご覧ください。

導入事例 | ファクトリーギア株式会社

万引き対策に防犯カメラを活用しよう

万引き被害は、店舗運営に大きな影響を与える深刻な課題です。
被害を防ぐためには、万引きしづらい店舗づくりや従業員教育など、基本的な対策を事前に講じておくことが重要になります。

さらに、防犯カメラをはじめとする防犯ゲート、防犯タグ、顔認証システムなどの対策ツールを効果的に活用することで、万引き防止効果を一層高めることが可能です。被害を未然に防ぎ、安全で安心して買い物ができる店舗づくりを進めていきましょう。

株式会社セキュアでは、万引き対策にも役立つセキュアの監視カメラシステム「SECURE VS」を提供しています。SECURE VSの機能・特徴について詳しく解説していますので、詳細は下記のページをご覧ください。

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監修者

セキュリティマーケター

和田 麗奈

保有資格:防犯設備士

株式会社セキュアに入社後4年間、セキュリティソリューション営業に従事。多岐にわたる業界・業種の課題解決に貢献する。
現在はマーケティングチームに所属し、現場での経験を活かしながら活動中。

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