工場の入退室管理システム導入でセキュリティ改革!導入すべき理由と活用ガイド
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工場での情報漏洩や不法侵入は、機密情報・知的財産の流出による競争力の低下や製品の盗難・破壊による生産停止、従業員の安全危機など、企業の存続を脅かす深刻な問題につながるおそれがあります。
そうしたリスクから企業を守るために有効な対策の一つが、入退室管理システムの導入です。
本記事では、工場に入退室管理システムが必要な理由や、工場内のエリア別リスク対策、具体的な導入事例などを紹介します。
なお、株式会社セキュアでは、工場のセキュリティ対策にも適した入退室管理ソリューションを提供しています。「何から始めたらいいのかわからない」などの不安を解消するため、製造業様向けのソリューションをまとめた資料もご用意しています。
製造業でのセキュリティ強化と業務改善の課題を併用した、さまざまなソリューションをご提案しているので、下記のバナーをクリックのうえ、お気軽にダウンロードしてご覧ください。
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目次
工場に入退室管理システムが必要な3つの理由
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本章では工場のセキュリティ対策として、入退室管理システムが必要な理由を3つ紹介します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
理由1.情報漏洩を防ぐため
工場内の製品設計図・製造工程・顧客情報など、企業にとって重要な情報の漏洩を防ぐために入退室管理システムは必要です。
機密情報が外部に漏洩すれば、企業の競争力低下やブランドイメージの失墜のほか、法的責任に問われるおそれも考えられます。
入退室管理システムの導入で期待できる情報漏洩を防ぐためのセキュリティ強化は、下記のとおりです。
項目 | 効果・メリット |
---|---|
工場内へのアクセス制限 | 許可された人員に限定することで、不正アクセスを防止 |
無断侵入リスクの軽減 | IDカードや生体認証の利用により、第三者の無断立ち入りリスクを最小化 |
アクセス履歴の記録 | 不審な動きを追跡でき、トラブル発生時に迅速に対応可能 |
入退室管理システムの導入で情報漏洩のリスクを最小限に抑え、従業員が安心して業務に集中できる環境を構築します。
理由2.不法侵入・不審車両の侵入を防ぐため
工場は、外部からの侵入に対しても常に警戒が必要です。不法侵入・不審車両の侵入は、盗難・破壊活動・テロ行為など、さまざまなリスクがあります。
侵入防止のために入退室管理システムの導入でできることは、下記のとおりです。
項目 | 効果・メリット |
---|---|
敷地内の出入り管理 | 車両や人の出入りを一元管理し、侵入リスクを最小化 |
リアルタイム監視 | 登録されたIDや認証情報をもとに、許可されていないアクセスを即座に検知し、在室状況を把握 |
侵入試みの防止 | 不法侵入を未然に防ぎ、セキュリティを強化 |
不法侵入のリスクを抑えられるだけでなく、万が一のトラブル対応にかかるコストや時間を大幅に削減する効果も期待できます。
理由3.事故を未然に防ぐため
工場では重機や危険物を取り扱うことが多く、常に事故のリスクが存在します。入退室管理システムを導入して立ち入り制限やアクセス履歴を可視化することで事故を抑止できます。
過去には、ある食品工場において従業員による異物混入事件が発生し、大きな社会問題となりました。このような事件は、企業のブランドイメージを大きく損なうだけでなく、消費者からの信頼を失うことにもつながります。
こうしたフードテロ(※)のリスクを考え、フードディフェンス(※)の観点からも、企業は従業員や消費者の安全確保に徹底した対策が必要です。
(※)フードテロ……食品に意図的に有害物質を混入させ、人々に危害を加えたり、社会不安をあおり立てたりする行為 (※)フードディフェンス……フードテロなどの意図的な食品汚染から、人々の健康と安全を守るための取り組み |
入退室管理システムを活用することで、以下のような効果が期待できます。
項目 | 効果・メリット |
---|---|
危険区域への立ち入り制限 | 許可された人員のみアクセス可能にし、従業員の誤操作や事故のリスクを低減 |
緊急時対応の迅速化 | 特定エリアを即座に遮断し、従業員や設備を守る |
フードテロ防止 | 食品工場における異物混入や不審者の侵入を防ぎ、製品の安全性を確保 |
従業員の安否確認 | 出退勤記録や位置情報の追跡により、緊急時に迅速に安否を確認可能 |
このように入退室管理システムは、従業員の安全と工場全体のセキュリティを強化できるため、事故や被害を未然に防ぐのに役立ちます。
【場所別】ここに設置!工場用入退室管理システム活用ガイド
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工場では、エリアごとに異なるリスクが存在します。
例えば、製造工程や情報管理エリアでは機密性の高いセキュリティが求められる一方で、出入り口や搬出入エリアでは入退出時の利便性を確保することも重要です。
ここでは、株式会社セキュアが推奨する、工場の各エリアで適切な入退室管理システムを導入する方法をご紹介します。
※具体的なシステムの選定は工場ごとの状況によって異なるため、あくまで一例としてご参考ください。
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1.入退場門
工場への出入り部分となるため、部外者の不法侵入への対策、入退場の履歴管理を厳格におこなう必要があります。
目的 | ・不正侵入を防ぎ、来訪者と従業員を識別する ・共連れ防止 など |
---|---|
おすすめ対策 | 屋外に設置できるID認証リーダー 屋外に設置できるセキュリティゲート など |
ポイント | ・従業員の出退勤記録と連動させて、勤怠管理の効率化も実現可能 ・入場記録を活用し、シフト管理や労働時間の適正把握にも活用可能 |
2.執務室・研究室
従業員や顧客の個人情報、製品の機密情報など、外部への漏洩を防がなくてはいけない情報を管理・運用している部門には、下記のような対策がおすすめです。
目的 | ・情報漏洩の防止 ・機密情報を扱うエリアへの不正アクセス防止 ・労務管理の効率化 ・在室管理(在席・在館) ・Pマーク、ISO取得 など |
---|---|
おすすめ対策 | 生体認証(顔認証・指紋認証など) 監視カメラ など |
ポイント | ・リアルタイムの監視と入退室ログの記録により、内部不正を抑止 ・従業員のセキュリティ意識を高めると同時に、情報漏洩リスクを低減 |
内部不正のリスクが高いエリアだからこそ、従業員に対してのセキュリティ対策に重点を置きましょう。
3.サーバールーム・書庫
特に重要な情報を保管、運用しているエリアにおすすめの対策は、以下のとおりです。
目的 | ・重要データや書類へのアクセスを厳密に制限 ・共連れ防止 |
---|---|
おすすめ対策 | ・顔認証をはじめとする生体認証 ・監視カメラ など |
ポイント | ・アクセス権限を厳密に管理し、必要最小限の人物のみが入室可能な環境を構築 ・万が一のインシデント発生時には、記録をもとに迅速に原因を追跡 |
常に施錠されている状態を保ち、入室できる権限・方法・入退場時の履歴を厳格に管理する必要があります。
4.作業場・製造工程
不良品の発生を抑止し、万が一の場合には原因を早期発見することが重要です。業種や環境・面積に応じて適切な機材を選定する必要があります。
目的 | ・従業員の安全確保と作業効率の維持 ・事故対策・事故の早期発見 |
---|---|
おすすめ対策 | ・入退室管理システム ・エレベーター制御 ・作業エリア内の監視カメラ など |
ポイント | ・危険区域におけるアクセス管理を強化し、事故防止策を徹底 ・従業員の安全確保と作業効率の最適化を同時に実現 |
食品製造、加工の現場では危険区域への立ち入りを制限するだけでなく、特に衛生面への配慮も求められます。
5.駐車場・搬出入エリア
材料の搬入・製品の出荷など、車両の出入りが多く事故が起こりやすいエリアです。おすすめの対策は以下のとおりです。
目的 | ・不審車両の侵入防止 ・搬出入管理の効率化 など |
---|---|
おすすめ対策 | ・入退室管理システム ・監視カメラの設置 など |
ポイント | ・許可された車両のみの入場制限で物品管理もスムーズ ・搬出時の誤出荷や盗難リスクの低減にも寄与 |
搬出入エリアでは従業員以外の作業も多いため、物品の紛失対策も実施しましょう。
6.外周エリア
外部との境界となるため、部外者の立ち入りに対して厳格な管理・警戒が必要なエリアです。
目的 | ・外部からの侵入リスクを抑える |
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おすすめ対策 | ・屋外用の入退室管理システム ・屋外に設置できるセキュリティゲート ・監視カメラ など |
ポイント | 夜間のセキュリティ強化にも適したシステム |
外周の塀や柵の乗り越え・フェンスの切断などによる不法侵入の抑止、事故・事件発生時に速やかな事後検証ができるような設備を選定することがポイントです。
7.クリーンルーム
ホコリやゴミ、細菌などを限定した数以下に清浄度を保たなければいけないため、入退場を監理する場合もIDカードなどの異物を持ち込むことができない場合が多いエリアです。
目的 | ・清浄度を維持し、外部からの汚染リスクを防ぐ |
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おすすめ対策 | ・顔認証リーダー ・サークルゲート など |
ポイント | ・記録システムと連携することで、トレーサビリティ(※)も向上 ・生体認証の活用で異物持ち込みリスクを排除し、清浄度を確保 |
(※)トレーサビリティ……製品や部品の履歴を追跡・管理できる仕組み
生体認証など、物を持ち込む必要のない認証方式を検討する必要があります。
8.事務棟・作業棟の出入口
従業員・関係者の出入りが主となるため、厳格なセキュリティ対策を必要としない場合が多いものの、適切な管理は欠かせません。
多くの人が利用するエリアであるため、利便性を損なわずに優れたセキュリティ対策で管理負担を減らすことがポイントです。
工場に入退室管理システムを導入する際にチェックするべきポイント
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工場に入退室管理システムを導入する際にチェックするべきポイントを一覧にまとめました。導入後のトラブルや無駄なコストを回避するためにも、事前にチェックしておきましょう。
⬜︎ 運用目的は明確か | セキュリティ強化・従業員管理・業務効率化など、導入の目的を明確にする |
---|---|
⬜︎ 運用規模はどのくらいか | 工場全体・特定エリア(サーバールーム・クリーンルーム・搬出エリアなど)をどこまでカバーするかを事前に決めておく |
⬜︎ 安全性・利便性はどうか | IDカード・生体認証・顔認証など、導入エリアのリスクや運用のしやすさに応じた認証方式を選定する |
⬜︎ 設置環境はどうか | システムの導入費用・運用コストを確認し、導入エリアや工場規模に適した製品を選ぶ |
⬜︎ 既存システムと連携できるか | 勤怠管理システムやセキュリティカメラ・業務管理システムなど、他のシステムとの連携が可能か確認する |
⬜︎ アフターケアはどうか | システムに不具合が発生した場合やトラブル時に、迅速に対応してもらえるサポート体制が整っているかを確認しておく |
なお、入退室管理システムの失敗しない選び方をより詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
入退室管理システムと併用して監視カメラの運用をお考えの方に、導入時に押さえておくべきポイントを解説しています。導入事例も紹介していますので、ぜひご覧ください。
工場用:入退室管理システム活用事例2選
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最後に、株式会社セキュアの入退室管理システムを導入して工場のセキュリティ向上に取り組む企業の事例を紹介します。
事例1.生体認証による入退室管理でフードディフェンスを強化|日清オイリオグループ株式会社
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横浜磯子事業場は、日清オイリオグループの国内主要生産拠点の一つで、食用油・大豆たんぱく・化粧品原料など多岐にわたる製品を製造しています。
2014年にICカードリーダーをセキュアの指紋認証リーダーへ交換し、システムを更新しました。
導入の背景 | ・食の安全性向上 ・フードディフェンス強化の一環として、生体認証による入退室管理システムの導入を決定 ・それまでは非接触ICカードによる管理を行っていたが、「異物」持ち込みの排除を徹底したかった |
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導入の決め手 | ・顔認証を比較検討した結果、屋外での使用環境に適した指紋認証リーダーを採用 ・ハードウェア性能だけでなく、信頼できるサポート体制とセキュリティシステムの品質を重視 |
効果 | ・カードを持たずに工場に入れるようになったため、ポケットのないユニフォームにデザインを変更した結果、異物持ち込みの防止につながった ・カード忘れへの対応が不要となり、運用の手間が削減した |
従業員からは評判が良好で、新工場にも指紋認証リーダーを増設しています。
事例2.生体認証で異物混入リスクを低減|ガーデンベーカリー株式会社
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ガーデンベーカリー株式会社様は、24時間稼働し1日300人が出入りするパン・菓子類の製造販売をしている食品工場です。
食品工場特有の課題に対応するため、セキュアの顔認証入退室システムが採用されました。
導入の背景 | ・機器への接触が衛生管理の妨げになるおそれがあった ・「誰が・いつ工場内に入退室したか」の正確な記録が必要とされていた ・ 磁気カードやセキュリティカードの紛失や、貸し借りリスクを排除したかった |
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導入の決め手 | ・直接触れる必要がなく、衛生管理の向上が見込めた ・生体認証により、カードの貸し借りを防止できるため ・ 通路に専用機材を設置する必要がなく、工場の運営に適合した |
効果 | ・顔認証により、衛生リスクを抑えながらセキュリティを強化し、従業員と外部からの侵入リスクの管理が可能になった ・異物混入リスクを防ぐため、いつ・誰が・どこにいたかを記録でき、工場内外のリスク管理が徹底された |
24時間300人が作業する環境で、セキュアの顔認証システムは従業員の安心と安全を支える基盤となっています。
まとめ:入退室管理システムで工場の安全対策を今すぐ始めよう!
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入退室管理システムは、工場での情報漏洩や不法侵入、事故のリスクを最小限に抑え、従業員の安全確保と生産性向上につながるソリューションです。
システム選定時には、目的や対応エリア、認証方式、コストなどのポイントを確認し、自社の課題に合った導入計画を立てることが大切です。
当サイトでは、工場のセキュリティ強化や企業の信頼性向上を目指す製造業様向けに、入退室管理や監視カメラを活用した総合ソリューションをご提案しています。
株式会社セキュアは、セキュリティソリューションの導入社数10,000社超の実績を持ち、工場のセキュリティ強化はもちろん、作業の効率化や安全管理など多様なシーンでの業務改善をサポートいたします。
工場でのセキュリティ強化・事故防止に役立つ入退室管理をはじめとする製造業様向けソリューションの詳細は、下記より資料をダウンロードしてご覧ください。
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