AIカメラとは?防犯や業務効率化の効果と活用事例を解説
AIカメラとは、AI(人工知能)の搭載によって画像や映像の自動処理を可能にしたカメラのことです。人や物の検知、行動分析が可能であり、近年では小売店や工場、企業のオフィスなど、さまざまな現場で役立てられています。
本記事では、AIカメラで何ができるのかを詳しく解説するとともに、AIカメラの種類や選び方のポイント、また各業種における活用方法や企業での導入事例を紹介します。
なお、株式会社セキュアでは、既存の監視カメラシステムに増設することで顔認証による入退室管理や侵入・転倒などの行動検知が可能な「SECURE AI BOX」を提供しています。詳細は、下記より資料をダウンロードしてご覧ください。
目次
AIカメラとは
AIカメラとは、従来のネットワークカメラにAI (人工知能)が搭載されたカメラのことです。画像・映像の記録に加え、物や人の認識、動きの検知といった情報の自動分析が可能です。
AIカメラにより、これまで人が行っていた確認作業などを自動化できるため、今やさまざまな業務の効率化や精度向上に用いられています。不審者の検知や入退室管理といった防犯対策、労働者の安全管理、顧客分析など、活用方法は多岐にわたります。
近年では、少子高齢化による労働力人口の減少と、コロナ禍における非接触型ビジネスへのシフトを背景に、AIカメラを活用した小売店やサービス・レジャー施設などの無人店舗も増えてきました。
人件費削減や働き方の多様化に加え、営業時間の延長や地方での事業継続なども実現させられるツールとして、ビジネスの可能性拡大に貢献しています。
AIカメラの機能
具体的には、AIカメラで何ができるのでしょうか。主な機能として、下記の5つを解説します。
- 人数や物のカウント・混雑状況の可視化
- 顔の識別・転倒や不審行動の発見
- 行動パターンや特徴の検知
- 指定エリアへの侵入防止・領域の識別(セグメンテーション)
- 文字認識やバーコードの検知
人数や物のカウント・混雑状況の可視化
画像や映像から、特定のオブジェクト(物)を検知します。人や自動車、動物、炎や煙など、さまざまな対象物を自動で検出することが可能です。
セキュリティチェックや火災検知のほか、対象物が映った数をカウントできることから、混雑状況の可視化、交通量の調査、商品の在庫管理などに役立ちます。
顔の識別・転倒や不審行動の発見
映っている人の顔を認識し、その特徴や骨格から個別に人物を識別します。事前に登録した顔の情報から特定の人物を検知できるため、入退室や勤怠の管理を自動化できます。
加えて、姿勢の検知も可能です。転倒や不審行動が発見しやすく、工場での事故防止、介護施設での安全管理、店舗やオフィスの防犯強化などに役立ちます。
行動パターンや特徴の検知
事前に登録した特定の行動パターンや動き、配置、服装などに該当する人または物を検出します。パターン検知は顔だけでなく全身の特徴をもとに検出するため、大勢の中からでも特定の個人を見つけ出しやすいです。また、不審な動きにも迅速に対応できます。
不審者対策や盗難防止をはじめ、顧客の行動・動線の分析およびマーケティングへの活用、製造過程の適切性のチェックなど、さまざまな使い方ができる機能です。
指定エリアへの侵入防止・領域の識別(セグメンテーション)
人や物の境界線を識別し、特定の領域を検知します。指定エリアへの侵入検知といったセキュリティ対策のほか、河川の水位の観測など防災対策にも活用されています。
歩行者を検知する自動運転や、障害物を避けるロボット掃除機においても領域検知の技術が活かされています。
文字認識やバーコードの検知
カメラに映った文字やバーコードを検知します。
文字検知は、テキスト部分を文字データとして認識する光学文字認識機能(OCR)とAI技術を組み合わせたもので、文字認識やレイアウト分析の精度が高く、請求書や納品書といった書式が異なる帳票などにも自動的に対応可能です。
これにより、紙のデータをシステムへ入力する作業などを効率化できます。
また、AIカメラは複数のバーコードを高速かつ同時に読み取ることができるため、物流業界における検品作業の効率化などに貢献します。
AIカメラの種類
AIカメラは「エッジAIカメラ」と「クラウドAIカメラ」の2種類に分けられます。それぞれの特徴を詳しく解説します。
エッジAIカメラ
エッジAIカメラとは、エッジ(端末)であるカメラ本体にAI処理機能が搭載されているAIカメラです。ネットワークに接続する必要がないため、リアルタイムで映像を解析できます。
エッジAIカメラのメリット
撮影後、必要な情報の収集をスピーディーに行えます。また、カメラとAIが一体のため多くの機材を導入する必要がなく、機器の管理がしやすいです。
サーバーやクラウドに依存しないため、ネットワーク通信が必要なく、情報漏洩やサイバー攻撃といったセキュリティリスクを低減できる点も重要なメリットです。
エッジAIカメラのデメリット
カメラとAI機能、どちらか一方の交換やアップグレードができないため、自社特有の解析パターンの追加など、個別の運用に合わせたカスタマイズがしづらいです。
加えて、高性能な解析能力が必要となる大容量のデータ処理には不向きだといえます。
クラウドAIカメラ
クラウドAIカメラとは、カメラで撮影したデータをクラウドにアップロードし、クラウド上でAIによる解析を行うAIカメラです。安定したインターネット環境とセキュリティ対策が必須となります。
クラウドAIカメラのメリット
クラウド側のAI処理機能が高度であれば、複雑で大規模な処理にも対応できます。インターネット環境があれば、遠隔から解析データを確認できる点も大きなメリットです。
また、映像解析用の端末が必要ないため、設置場所を柔軟に設定できます。複数のカメラで撮影した映像を集約して比較・分析を行うことも可能です。
クラウドAIカメラのデメリット
クラウドと端末でデータをやり取りするため、セキュリティリスクが高まります。リスクヘッジのために、セキュリティシステムの導入が望ましいでしょう。
通信費に加えてクラウドサービスの利用料がかかるため、ランニングコストが高くなりやすい点にも注意が必要です。
「エッジAIカメラ」と「クラウドAIカメラ」どちらの方が自社に合うか知りたい方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
AIカメラの選び方
次に、AIカメラを選ぶ際に着目すべき点として、下記の4つの項目を解説します。
- スペック・機能
- 操作性
- コスト
- 導入・運用へのサポート
スペック・機能
AIカメラのスペックや特性はさまざまであり、解像度、撮影範囲、認証距離・速度などの性能は製品によって異なります。
自社の運用に適したAIカメラを選ぶためには、あらかじめ導入目的や使用方法を明確にし、撮影したいものと設置場所を決めておくことが肝要です。例えば、人物を識別したい場合は画素数が多いもの、夜間も撮影したい場合は赤外線機能があるもの、屋外で使用する場合は防水・防塵や耐衝撃の性能があるものを選ぶなど、使用するシチュエーションに合わせて必要な情報を抽出できるAIカメラを選択します。
操作性
運用しやすいAIカメラを選ぶには、システムの操作性を確認しておくことが重要です。操作がシンプルなもの、直感的でわかりやすいものを選ぶとスムーズに導入でき、早期かつ継続的に効果を得ることが可能になります。
機能が優れたものでも、操作が複雑では自社内で活かしきれない可能性があるため、専門的な知識がない担当者でも扱いやすいAIカメラを導入するとよいでしょう。
コスト
AIカメラの導入効果を最大化するには、一定期間の運用の継続が必要です。長期的な運用のために、機材の購入など初期費用に加え、月々のサービス利用料や通信費といったランニングコストを含め、トータルでかかるコストを洗い出しておくことがポイントです。
効果に対してコストの負担が大きくなりすぎないよう、試算したうえで適切な製品やプランを検討しましょう。
導入・運用へのサポート
AIカメラの設定やトラブル対応に備え、メーカーのカスタマーサポートの品質も確認しておきましょう。導入や運用に際し、適切な製品やプランを提案してくれそうか、また電話やチャットなどで迅速かつわかりやすいサポートを提供しているかどうかも、AIカメラを選ぶ重要な指標となります。
セキュアでは、お客様に最適なAIカメラの導入を製品選定からアフターケアまで丁寧にサポートいたします。AIカメラによるソリューションについてご関心がございましたら、ぜひ下記よりお気軽にご相談ください。
業種別 AIカメラの活用方法
ここからは、実際にAIカメラがどのように活用できるかを解説していきます。まずは、下記の3つの業種別に活用例を紹介します。
- 小売業
- 工場・倉庫
- サービス・レジャー施設
小売業
来店客の属性や店内での動線、購買パターンなどが把握できるため、顧客の行動分析が可能です。それらのデータは商品の仕入れや配置の最適化など、売上向上施策に活用できます。人数カウントで混雑状況が可視化できるため、適切な人員配置によるレジの待ち時間の短縮など、顧客満足度向上のための業務改善にも貢献します。
また、不審者や不審な行動の検知による盗難防止など、防犯強化にも役立ちます。
さらに、バーコード検知機能などを活用したセルフレジの設置により、業務効率化や人員削減が可能です。顧客の動きや選択した商品を検知することで、店舗の無人化も実現します。
店舗におけるAI監視カメラシステムを活用したセキュリティ強化のポイントについては、下記の資料に詳しくまとめました。ぜひダウンロードしてご覧ください。
工場・倉庫
危険なエリアへの立ち入りや、作業中の事故・転倒などをリアルタイムで検知できます。危険や異常の早期発見が可能となり、被害拡大の防止および迅速な救助活動につながります。加えて、領域検知によりコーンやパーテーションなどの用具が不要になるため、より広い作業スペースの確保が可能です。
また、在庫管理や検品、モニタリングによる製造プロセスの最適化などにも役立つため、業務の効率化および改善にも貢献します。
物流・倉庫におけるAI監視カメラシステムを活用したソリューションについて、資料に詳しくまとめました。下記からダウンロードしてご覧ください。
物流・倉庫向け監視カメラシステムソリューション・リーフレット
サービス・レジャー施設
登録情報に基づく顔認証・人物検知による入退室管理を活用すれば、レンタルオフィスやスタジオ、貸会議室、貸別荘などの受付が自動化できます。また、室内や玄関にAIカメラを設置することで、無断利用、危険行動や事故、立ち入り禁止スペースへの侵入などの検知が可能です。
前述のとおり、近年はこのようなシェアスペースの無人店舗経営が増えています。AIカメラの活用で現場の省人化を推進でき、遠隔での複数店舗の運営や24時間無休での解放も可能になります。
まとめ:AIカメラの有効活用で事業変革が可能に
AIカメラは、人や物、領域などの自動検知が可能であり、監視や検査、行動分析など多くの業務に役立てられています。
人材不足や技術革新、新たなビジネスモデルの構築など、企業のさまざまな課題を解決するツールとして、今後ますます活用の幅が広がるでしょう。
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