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スマートシティの実現に不可欠なAIカメラの最新活用事例

世界各国で取り組みが進んでいるスマートシティ戦略の一部として、AIカメラを連携した施策に注目が集まっています。

都市のマネジメントに画像解析を取り入れることで、人や物の特定および異常事態の検知などが可能です。このような機能を用いて、防犯強化や事故防止、交通渋滞の緩和など、より暮らしやすい街づくりが各地で進んでいます。

本記事では、「交通最適化」「公共安全」「人流分析」の3つのテーマにおける、AIカメラを使ったスマートシティの取り組み事例を紹介します。

なお、株式会社セキュアでは、既存の監視カメラシステムに増設することで人物・自動車・バイク・動物などの行動検知が可能な「SECURE AI BOX」を提供しています。

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スマートシティにおけるAIカメラの効果

スマートシティの実現におけるAIカメラ活用の効果は多岐にわたります。日常生活や社会インフラにどのような変化がもたらされるか、具体例を交えて見ていきましょう。

安全性の向上

AIカメラは、特定の人物や物、炎や煙などの異常事態の発生をリアルタイムで検知し、警報を発することができます。これにより、犯罪や事故を未然に防ぐ効果が期待できます。

個人を特定する顔認証機能により、不審者の検知のほか、迷子や行方不明者の発生を防ぐ見守り体制の強化も可能です。

さらに、AIカメラは検知する状態を詳細に設定することもできます。例えば、立ち入り禁止エリアへの侵入や滞在、指定部分への手の接触などを識別できます。こうした機能により、警備の一部を自動化、効率化することができ、安全管理の質を向上させることができます。

効率性の向上

AIカメラを使って交通量や車両の動きを分析し、道路や信号を適切に制御することで、交通渋滞の緩和を図ることができます。

また、顔認証機能で交通機関の乗車手続きや病院の受付などを自動化すれば、効率的な運用が可能になり混雑回避が見込めるでしょう。

検知した人の数をカウントすることで、施設や駅などの利用状況が把握できるため、スタッフの配置やエレベーターなどの設備の運用が最適化できるほか、メンテナンスや清掃の効率化にもつながります。

生活の質の向上

AIカメラは、バリアフリーの推進にも貢献します。交通機関で車椅子や白杖の使用者を検知し、必要なサポートが行われるなど安全配慮の強化に役立ちます。また、使用者数などの分析データを都市設計に活かす試みも行われ、福祉への活用もAIカメラの重要な役割の一つです。

また、サービス品質の向上にも役立ちます。施設の混雑状況や忘れ物、空席の検知などの情報をリアルタイムで把握しデジタルサイネージなどによる案内を組み合わせることで、利用者の利便性を高めることができます。

通行者や施設来場者の属性をデータ化し、新たなサービスやビジネスモデルの創出に活かすなど、マーケティング活動への利用も効果的です。

さらには、電力使用量の監視や需要予測、発電システムの保守などにも活用でき、エネルギーや資源利用の効率化も図ることができるため、環境問題の改善にも寄与します。

AIカメラの活用事例1:交通最適化

ここからは、スマートシティにおけるAIカメラの具体的な活用事例を紹介します。1つ目は、大規模な都市管理計画で実施された交通最適化の成功事例です。

リアルタイム交通流制御と緊急車両優先システム(中国・杭州市)

海外の代表的なスマートシティの取り組みに、中国の杭州市における「ETシティブレイン」構想があります。

AIやビッグデータを活⽤した道路状況の可視化による交通管理が代表的な取り組みであり、同市では2,000〜3,000台のサーバー、4,000台超のカメラを設置。道路のライブ映像をAIで分析することで、杭州市内の交通を円滑化しています。

交通状況に応じた信号の制御に加え、蓄積データから渋滞要因を分析し、信号機やレーンの増設を行った結果、一部区間での通過時間を15%短縮するなど交通渋滞の緩和に成功しました。

「ETシティブレイン」は下記の記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。

AIカメラの活用事例2:公共安全

次に、公共安全に関するAIカメラの最新技術として、不審行動の検知など、防犯強化のための活用事例を2つ紹介します。

異常行動検知による見守りで防犯強化(千葉県柏市)

千葉県柏市では、つくばエクスプレス線・柏の葉キャンパス駅周辺エリアを「柏の葉スマートシティ」として取り組みを推進しています。

同エリアでは防犯・異常行動の検知などを目的に、2021年9月から駅前地区の屋外公共空間に29台のAIカメラを設置し、撮影した画像のリアルタイム分析を開始しました。

撮影画像から異常行動(危険行動、卒倒、うずくまり、不審物の置き去り、凶器所持など)を検知し、警備員に検知位置情報とアラームを通知する仕組みで、街の安全向上を図るとしています。

参考:柏の葉スマートシティ実行計画(柏市)

AI警備の導入で安心安全な街づくりをめざす(大阪府枚方市)

大阪府枚方市では、2023年10月からAI警備システム導入の実証実験を行いました。

24時間365日のモニタリングで、暴力行為や侵入、長時間のたむろなどを「通常から逸脱した動き」として検知するとともに、予期しない危険行動を警備や救急に即時通知するものです。

画像分析を迷惑行為や危険行動のほか、転倒や急病人などの見守りに活用したといい、スマートシティ推進の具体化に向けた検証を進めました。

参考:枚方市とアジラ、次世代AI警備システム『AI Security asilla』を用いてスマートシティ化へ向けた社会実証を開始

上記のように国内でも、監視カメラや位置情報アプリによる見守りだけでなく、AIによる行動分析など最新技術が導入されはじめています。

AIカメラの活用事例3:人流分析

最後に、AIカメラを使った人流分析により、混雑状況の可視化と都市計画への活用を可能にした2つの事例を紹介します。

中心部の混雑状況と通行者データを公開し地域経済の発展に活用(富山市)

富山市では、「富山市スマートシティ推進ビジョン」のもと富山市中心市街地の活性化の取り組みを進めており、2023年4月より、富山駅周辺や中心商店街周辺28箇所においてAIカメラによる人流測定を開始しました。

マーケティングやイベントの効果検証および地域経済の発展・まちの賑わい創出を目的に、解析データとして「通行量、属性(男女比、世代比)の集計結果」と「各エリアの混雑状況(ヒートマップ)」を公式サイトで公開しています。

参考:AIカメラを活用した人流観測について(富山市)

駐車場の混雑解消や観光の効率性向上に寄与(埼玉県秩父市)

埼玉県秩父市では2024年、三峯神社駐車場にAIセンサーカメラを設置しました。駐車状況や混雑状況をリアルタイムで把握し、専用ポータルサイトで周辺の観光情報とあわせて公開しています。

また、来訪者・観光客の行動パターンの分析をもとに混雑状況に応じた周遊ルートなどを提示しているほか、駐車車両のナンバープレートの情報、駐車日時、曜日、時間帯のデータを取得し、観光施策に活用していく見込みです。

参考:三峰駐車場等混雑状況ポータルウェブサイト(VACAN)(秩父市)

人流分析は、混雑回避などの生活快適化に加え、マーケティング戦略の策定や新たなビジネスの創出にもつながり、AIカメラの有用な活用法の一つです。

まとめ:AIカメラの最新技術で地域課題を解決へ

本記事では、スマートシティ構築におけるAIカメラの最新活用事例を紹介しました。

さまざまな課題解決につながる、重要な役割を担うAIカメラは、スマートシティの実現に欠かせないテクノロジーの一つであり、国内でもますます普及していくと考えられます。

特定の人物や物、異常行動の検知、ヒートマップやカウントの表示など、AIカメラの機能はますます進化を遂げており、今後も活用方法の拡大が期待できるでしょう。

株式会社セキュアが提供する「SECURE AI BOX」は、既存のカメラシステムにAI技術による高度な検知分析機能を付加することができ、スマートシティの効果向上を強力にサポートします。

人数や車両のカウント、転倒・侵入・動物の検知など、さまざまな機能を組み合わせて利用できる「SECURE AI BOX」の詳細については、下記の動画をご覧ください。

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