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【徹底網羅】工場別セキュリティ対策!事例から対策まで徹底的にご紹介

「工場」といっても部品工場や食品工場など様々あり、
それぞれのセキュリティ構築には様々な課題が存在します。

原材料や部品の盗難、食品工場での異物の混入等といった物理的な犯行に加え、
基幹システムにアクセスし工場のレーンを停止に追いやるといったサイバー攻撃などにも備えなければなりません。

この記事では、具体例を交えながら工場のセキュリティ対策を徹底的にご紹介します。

【工場別】セキュリティの考え方と事件事例

各工場ごとでセキュリティの考え方と事件の事例をご紹介します。

食品工場

食品工場で重要とされている考え方はフードディフェンスという考え方です。
フードディフェンスとは、「従業員等の関係者もしくは部外者による意図的な食品への異物の混入から食の安全を守る取り組み」を指します。

次にご紹介する2つの事件からこのフードディフェンスが注目され始めました。

■事件事例
・中国製ギョーザ中毒事件
10人の従業員がめまいや嘔吐などの健康被害に遭いました。
元従業員の殺虫剤の混入により発生したこの事件で、製造元の企業は倒産しました。

・大手食品メーカー農薬混入事件
契約社員により、製造していた食品に計9回農薬を混入させました。

フードディフェンスについて詳しく知りたい方はこちら

化学工場

化学工場では薬品等を使用するため、
セキュリティ対策を徹底し、毒劇物の盗難に備えなければいけません。
化学工場での大きな事例は少ないですが、学校や防腐処理会社では数十人と死亡する劇薬殺人の事件が発生しています。

毒劇物盗難等防止マニュアル等を活用し、
セキュリティ対策を徹底しましょう。

部品工場

部品工場では、小さい部品を長年に渡って盗む被害が多く出ています。
また、資材、原料、薬品製品、備品(PCなど)、社員の貴重品、個人情報
をターゲットとして盗まれるケースが多いです。

■事件事例
・5か月間で1100点665万円相当の工場部品を窃盗
滋賀県大津市でポリマーフィルターをろ過する機械部品など約1100点665万円相当を盗難しました。

・16年間で1億1000万円分相当の部品を窃盗
勤務先から16年間銀の窃盗を重ね、計4.6トン(買い取り価格計約1億1000万円)を窃盗

発電所

発電所ではケーブルの盗難が多発しています。

■事件事例
・1億4500万円相当を盗難
茨城県で解体作業員の男3人が、
太陽光発電施設を狙った銅製ケーブルの窃盗事件計228件に関与したとされ有罪が確定しました。
被害場所は千葉、茨城、栃木など5県27市町で、「人目につかず犯行が容易だったからやった」と供述しました。

自動車工場

■事件事例
・勤務先からロボット関連部品700万円分窃盗
トヨタ車体の社員が産業用ロボット関連の部品など700万円相当を窃盗しました。
金額のみではなく、特殊な技術や仕組みなどの機密情報も守らなければなりません。

・サイバー攻撃
2020年6月上旬、ホンダがサイバー攻撃を受けて、国内外の全11工場で生産や出荷を停止しました。詳細は公表していませんが、数日にわたって多くの従業員がメールやファイルサーバーなど社内システムを使えない状況になり、世界規模で生産・出荷停止や遅延が発生しました。

工場での犯罪はなぜ起こる?

そもそも工場での犯罪はなぜ起こるのでしょうか。
大きく2つの要因が挙げられます。

①工場業界でセキュリティの重要性が浸透していない
工場は「昔ながら」でやっていることが多い業界です。そのため、セキュリティを入れていない企業からは「仲間内で監視したくない」といった意見や「そこにお金をかけたくない」といった意見がまだまだ多いです。

②様々な関係者が日々出入りを行う
様々な関係者が出入りすることが多いことも工場の業界ならではないでしょうか。
例えば、アルバイトの方、外国人の方、派遣社員の方等…。それに加えて24時間稼働で人の目が行き届かない、といった場合もあるでしょう。

売り上げに直結するわけではないセキュリティですが、
一度事件が発生してしまったら甚大な被害を出してしまうことは考慮しておくべきです。
配線の窃盗の場合、配線自体の盗難も被害が大きいですが、
工場のレーンが止まったり、電気が発電しなくなったりし、さらには原因究明に時間が取られるなど、2次的な被害も発生します。

このような不正行為は「動機」「機会」「正当化」の3つの要素がそろった時に発生します。
動機:「自分を正当に評価してくれない…」「借金をしている…」「労働時間と給与に不満がある…」といった不正行為を実行する主観的な事情

機会:不正行為を容易に実行可能な環境

正当化:「みんなのためにやるんだ…」「自分は何も悪くない…」といった不正行為の実行を是認する主観的な事情
どんなに「動機」が強かったとしても「機会」が無ければ犯罪が起こりにくい環境を作ることができます。

そのためには「うちのセキュリティは完璧です!」と
日常的にアピールしていく必要があります。
安心・安全を買えることを考えれば、決して無駄な投資にはならないはずです。

工場セキュリティの課題点整理

では工場セキュリティの課題を整理しましょう。

①原材料や部品、備品の盗難
②不審者の侵入
③製品データの持ち出し
④異物混入
⑤車上荒らし
⑥サイバー攻撃による生産ラインの停止や個人情報の漏洩

具体的な対策

課題に対してどのような対策を講じればよいのでしょうか。
一つ一つご紹介していきます。

入退管理システム

対策効果のある課題→①、②、③、④

入退管理システムの役割は以下の2つです。
・外部からの侵入を防ぐこと
・内部不正の履歴を残すことです。
です。

入退管理システムを導入することで、権限のある人でしか特定の部屋に入れない設定をしたり、認証履歴を記録していき誰が、いつ、どこで認証したのかを確認したりすることが可能です。

さらに、セキュリティレベルの高いエリアを分けることで、機密情報や原料を管理している部屋に入れる人をさらに制限することで内部からの不正も防止する環境を整えることができます。

また、認証方法をカードではなく顔認証や指紋認証を活用することで、異物混入のリスクを減らしたり、貸し借りや紛失が無くなり、さらにセキュリティ性を向上させることが可能です。

一方で、異物混入など、
「内部の人間が悪意を持って計画的に」犯行する場合には発見が難しいです。
そのため、監視カメラの活用や荷物チェックなど他の防止策と併用することをおすすめします。

入退管理システムについて詳しく知りたい方はこちら

 監視カメラシステム

対策効果のある課題→①、②、③、④、⑤

監視カメラの役割は以下の2つです。
・録画による犯行の早期解決、原因究明
・犯行の抑止

犯行が起きた場合にまず恐れるべきは、従業員同士の疑心暗鬼です。
録画を行う事で、起こってしまった犯行の早期解決や原因究明に役立てることができ、疑心暗鬼の状態をなるべく早く解消します。

また工場ではバレット型と呼ばれる
抑止力を強く働かせることができるカメラがおすすめです。
侵入禁止エリアなどでは、アラート機能を使用することで侵入時に通知するといった構築も可能です。

監視カメラシステムをさらに詳しく知りたい方はこちら(工場の設置事例あり)

https://secureinc.co.jp/blog/officesecurity/video-surveillance-step/

屋外照明・人感ライトの設置

対策効果のある課題→①、②、③、⑤

屋外照明・人感ライト役割は以下です。
・間接的な犯行の防止

暗い場所を少なくし、
犯行の「機会」を得させないようにする必要があります。

また、転倒などの事故防止にも役立つためおすすめです!

工場では照明エネルギーの消費が高いため、
人感センサーがついた照明や、LED照明を活用すると良いでしょう。

 サイバー攻撃対策

対策効果のある課題→⑤

サイバー攻撃対策の役割は以下の2つです。
・機密情報の漏洩
・生産ラインの停止

ホンダ社のように大手企業が狙われることが多いサイバー攻撃ですが、
中小企業が狙われる日もそう遠くないでしょう。
生産ラインの停止といった被害に加えて、
設計図等の機密情報が盗まれてしまう危険性等もあります。

TechFactoryが実施した「製造業IoTセキュリティ」に関する調査では、32%の人が自社工場のセキュリティ対策に不安を感じているという結果になりました。

ウィルス対策ソフトをインストールしたり、ネットワークの構成を分離したりすることで
サイバー攻撃に対するセキュリティ対策も徹底する必要があります。

セキュアの事例

工場への導入事例をご紹介します。

日清オイリオグループ株式会社様

日清オイリオグループ様は、食用油の他、大豆蛋白や化粧品原料などさまざまな製品を製造しており、食の安全を一層高めるためのフードディフェンス強化の検討しておりました。工場内では、ICカードによる厳格な入退管理で運用されていましたが、工場内への“異物”の持込を極力排除するためにICカードの携帯を廃止し、生体認証によるID管理(本人確認、認証)への変更を決定されました。

詳細はこちら

https://secureinc.co.jp/case/detail.html?id=1854

エヌフーズ株式会社

「当初は監視カメラの導入も考えたが、事後検証ではなく事故の未然防止が重要であると考え、入退管理システムの導入を優先させた。」とご担当者様。

そもそも危険人物を入れないといった観点から、
入退管理システムでは事前に犯行を防止する環境を作ります。

さらに、工場へは、“持ち込み可納品リスト”によって厳格な持込制限を実施していました。そのためカードやタグ等を必要としない、生体認証が必須とされました。
いくつか候補がある中で、指紋や静脈は手を接触させる方式は衛生面からNG。顔認証と虹彩認証で検討した結果、費用面、運用面等を総合的にみて顔認証をご採用いただきました。

詳細はこちら

https://secureinc.co.jp/case/detail.html?id=112

ヤマダイ食品株式会社

「食品業界では、部外者が簡単に出入りできない環境を整備することが今の標準となっています。取引先様からもセキュリティ設備がないとお取引できないと言われることもあります。」とご担当者様

セキュリティの重要性が高まってくる中で、
両手がふさがっていても認証できるといった現場の意見、
異物混入リスクがなく、非接触で衛生的といったリスク管理を考慮した結果顔認証をご選定頂きました。

詳細はこちら

https://secureinc.co.jp/case/detail.html?id=1052

まとめ

オフィスや店舗などに比べ、
セキュリティがそこまで厳しくないとされる工場を狙った盗難事件やサーバー攻撃が多く発生しています。

被害が起きる前にセキュリティ対策を徹底する事が重要になります。
もしお困り事等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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