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労働時間把握の義務化とは?罰則や対策について解説!!

労働時間把握の義務化とは?

労働基準法とは、1人でも労働者を雇用する雇用主が守らなくてはならない最低限の労働条件を定めた法律です。労働者が持つ生存権の保障を目的として、労働契約や賃金、労働時間、休日および年次有給休暇、災害補償、就業規則などの項目について1947年に定められました。

この労働基準法が、働き方改革によって関連法を含め2019年に改正されました。

働き方改革関連法の1つとして「労働安全衛生法(労安衛法)」があります。この法律の改正により各企業や事業者に「従業員の労働時間の把握」が義務化されました。こういった改正の背景には適切な勤怠管理、労務管理を行うことで従業員の長時間労働や過重労働を防ぎ、従業員の適正な健康管理と安全な就業環境の提供を実現するためです。

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労働時間とは?

そもそも労働時間とはどういった定義なのでしょうか。

法律で定められている労働時間の定義は「労働者が使用者の指揮命令のもとに置かれている時間」と定義されています。客観的に「労働者の行為が使用者から義務づけられたと評価できるかどうか」で判断されます。

なぜ今必要か?

これまでも、厚生労働省のガイドラインによって使用者には従業員の労働時間を把握することが求められていました。 もっともこれまでは、あくまで割増賃金を適正に支払うことを目的としていたため、労働基準法上の「管理監督者」や「裁量労働制」の適用労働者、「事業場外労働のみなし労働時間制」の適用労働者は、労働時間把握の対象外とされていました。

しかし、それでは対象外とされる労働者について、過度な長時間労働や休憩なしの連続労働などが行われ、健康や安全が守られていないのではないかと懸念されていました。
実際2010年代は過労や仕事による自殺問題が大きく報道されてき、問題視されてきました。
そこで、健康管理の観点から法改正を行い、「管理監督者」や「裁量労働制」の適用労働者も含め、「高度プロフェッショナル制度」の対象者以外のすべての労働者の労働時間の把握が義務化されたのです。

労働時間の把握における注意点,罰則とは?

労働基準法は罰則のある法律のひとつで、違反したと認められた行為に対し、罰金刑や懲役刑といった刑事罰が科せられることもあります。

罰則に関しては、労働基準法第13章第117条から121条までの条文に規定されており、刑事罰の中で最も重い処罰は、「強制労働を行わせていた場合(労働基準法第5条違反)」です。
労働基準法第5条違反の場合、「1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金」が科せられます。
では、実際労働時間を適切に把握する際の注意点、罰則について解説していきます。

①労働時間の記録に関する書類の保管期間
使用者は使用者は労働者の出勤簿やタイムカードなどの労働時間に関する記録を、賃金台帳などと同様に3年間保存しなければなりません(労働基準法109条)。
これに違反した場合も、30万円以下の罰金刑が科されるおそれがあります(労働基準法120条1号)。

②賃金台帳の適正な記入
労働基準法108条及び労働基準法施行規則54条により、使用者は労働者の労働日数や労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数などを賃金台帳に適正に記入しなければならないとされています。
これらの事項を記入していない場合や、故意に賃金台帳に虚偽の労働時間数を記入した場合、30万円以下の罰金刑が科されるおそれがあります(労働基準法120条1号)。

③労働時間の”客観的な把握義務”
現在、労働安全衛生法には、下記の内容が定められています。
“事業者は、第66条の8第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。(「労働安全衛生法 第66条の8の3」より)”
労働時間の”客観的な把握義務”について直接的な罰則はありません。
しかし労働時間を適切に管理出来ていないと関連する規則として時間外労働時間の上限、原則「月45時間、年360時間」を超えて使用者を労働させてしまった場合は罰則として「半年以内の懲役もしくは30万円以下の罰金」が科せられます。また罰則を受けなくとも従業員から不満が出るのは必須ですし他の企業から見て労働時間が適切に把握できていない会社というのは企業としての信頼を大きく損ないます。

具体的な対策方法とは?

さて、ここまで労働時間を把握することの必要性と罰則事項について説明してきました。
ここからは実際に雇用主や企業が労働時間を把握する方法について解説していきます。
また最近企業に導入が進んでいる、テレワークにおける労働時間の把握方法についても解説します。

労働時間の把握方法

①タイムカードやICカードによる記録により労働時間を確認し、記録する方法が1つです。

いちいちログを確認するのは面倒なので労働時間を自動で算出可能な勤怠管理ソフトを導入するなどして、社内の勤怠管理システムを構築すると良いでしょう。
注意点としてはタイムカードやICカードはカードの貸し借りや代理打刻が可能となります。従業員による不正等によって適切に管理できないということも考えられるため指紋や顔認証と組み合わせた打刻システムがおススメです。
また、コロナ禍によって普及したテレワーク環境下では、クラウド管理出来るシステムですと管理者が出社せずとも把握できるためこちらもおススメです。
特にGPS打刻機能があると後々打刻時の場所を調べることが出来、サボりであったり不正打刻の防止が可能です。

②パソコンのログイン、ログオフの履歴の記録

タイムカードや勤怠管理システムの打刻だけではタイムカードを押さなかったり、打刻しなかった場合従業員の勤務時間の正確な把握が難しくなります。
パソコンを用いての仕事がメインであればパソコンのログイン、ログオフ時間を把握し、実際の労働時間を把握したり、タイムカードや勤怠管理システムのログが正しいかどうかの裏付けも可能になります。
テレワークでは雇用主が現認できないのでログイン、ログオフの時間を見て労働時間を把握する場合が多いです。

③使用者による現認

実際使用者が目視で確認するということで労働時間を把握する方法です。

まず使用者に対して従業員の人数が多ければ成立しません。また目視での確認の為客観性に欠きます。なので客観性という観点では監視カメラシステムの設置による記録などの対策が必要です。

解決ソリューションの紹介

罰則や管理方法について解説してきましたが実際に労働時間の把握という課題を解決するソリューションとはどういったシステムでしょうか。
例を出して、システムの概要とどういった事が可能かを解説します。

Secure AI Office Base」

Secure AI Office Baseはクラウド入退室管理システムです。
認証方式は顔認証対応となっております。
なので本ブログで「労働時間把握」の注意点として挙げたカードの貸し借りによる不正打刻を防止することが可能です。
また、認証時のログの保存と出退勤時間の把握が可能となります。なので、従業員の打刻時間と出社時間を照合して頂くことで、打刻時間の不正がないかや実際の労働時間との乖離がないかの把握が可能です。また出退勤時刻のデータはグラフにして見ることが可能なので視覚的にもわかりやすいようになっています。

まとめ

今回労働時間把握の重要性、罰則、対策方法について解説しました。
使用者による労働者の労働時間の把握、管理というのは今後ますます必須になり、もし出来なくなった場合は厳しい罰則になるという事が当たり前になってきます。
そんな中、客観的に正しく労働時間を把握するという事は重要になり、適切なソリューションを用いて管理することが求められます。

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