HACCPで導入すべき入退室管理法とは?3つの記録方法その違いを比較!
2021年6月から、食品を扱うあらゆる業者に「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理制度が、完全義務化されました。食品の汚染を防ぐためには、異物の持ち込みや部外者の立ち入りを防止できように、対策を考えておく必要があります。
このとき重要となるのが、入退室管理です。しかし入退室管理をどうやって行うべきか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は、「HACCPで記録する3つの方法とそれぞれのメリット・デメリット」をご紹介します。また、HACCPの推進に効果的な「監視カメラ」でできることなどについても解説しているので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
そもそもHACCPとは?
HACCP(ハサップ)とは、食品の各製造過程で異物混入や食中毒菌などの汚染等の危害が発生する恐れがないか予測・分析し、事前に阻止するための食品衛生管理の手法です。
2020年6月1日より改正食品衛生法が適用されたことがきっかけで、義務化されました。「Hazard(危害)」と「Analysis(分析)」、「Critical Control Point(重要管理点)」の頭文字を取り、HACCP(ハサップ)と略称されています。
HACCP(ハサップ)の導入方法としては、食品規格(コーデックス)委員会が設定した「7原則12手順」のガイドラインに沿ってプランを立てると良いでしょう。
「7原則12手順」のガイドラインは、以下の項目となります。
- HACCPチームの編成
- 製品説明書の作成
- 意図する用途及び対象となる消費者の確認
- 製造工程一覧図の作成
- 製造工程一覧図の現場確認
- (原則1).危害要因分析の実施
- (原則2).重要管理点の決定
- (原則3).管理基準の設定
- (原則4).モニタリング方法の設定
- (原則5).改善措置の設定
- (原則6).検証方法の設定
- (原則7).記録と保存方法の設定
1から6はHACCPを導入する「準備」の手順となり、6から12は「7つの原則」と呼ばれ、プラン作成やプラン管理などの手順となっています。具体的な導入の流れについては、以下をご一読ください。
HACCPで記録する3つの方法を比較!メリット・デメリットは?
HACCPに沿った衛生管理を実施するには、「いつ・どこの部屋に・だれが入ったのか」を管理する必要があります。
入退室管理を記録する方法としては、以下の3つがあげられます。
- 紙
- Excelやスマホアプリ
- 監視カメラ
それぞれの記録方法について、メリット・デメリットをご紹介します。
【方法1】紙などに記録
入退室管理の方法として往来から利用されているのは、紙などに記録する方法です。紙での記録は、入退室管理表を準備すれば手軽に取り組めます。
- 体調
- 体温
- 服装
- 傷
- 手洗い
紙などに記録するメリットとしては、以下の2点があげられます。
- コストがかからない
- 準備や導入に手間がかからない
デメリットとしては、以下の4点あります。
- データの調査や修正に時間がかかる
- 記入漏れや記帳忘れが起こる
- セキュリティ面に不安がある
- 人員確保が必要
紙で管理する場合は高額な費用もかかりませんし、導入に手間もかかりません。しかし、従業員数が多い工場では、記帳漏れやデータ調査に時間がかかってしまう恐れもあります。紙など手書きでの管理方法は、入退室する人数が多い工場には不向きだと言えそうです。
【方法2】Excel・アプリなどに記録
Excelやアプリを利用して、入退室を記録する方法もあります。Excelで自作の入退室管理表を作成することも可能です。また、アプリやフリーソフトをインストールすれば、すぐに利用できます。
Excel・アプリで記録するメリットとしては、以下の3点があげられます。
- 比較的コストがかからない
- 導入しやすい
- アプリによっては、他のサービスと連携できる
Excel・アプリで記録するデメリットは、以下の4点あります。
- 記入漏れや記帳忘れが起こる
- 集計ミスなど人的ミスが起こりやすい
- PCや端末を用意する必要がある
- 使いこなすまでに時間がかかる
Excelやアプリは導入のハードルが低く、比較的コストがかからないため、すぐに始められるメリットがあります。
しかし、紙と同様に担当者に記入してもらうことが前提となっているため、
- 入力を忘れなどが起こる
- 虚偽の入力してしまう
といった問題が起こる可能性も。
人的ミスを防ぐためには、自動で記録できる監視カメラを導入するのも1つの手です。
【方法3】監視カメラを利用して記録
監視カメラを利用して入退室を記録する方法も、大変有効です。データを映像で残せるため、従業員の行動を把握したいときにも役立ちます。
監視カメラを利用して記録するメリットとしては、以下の5点があげられます。
- データの管理や調査がしやすい
- 人員コストがかからない
- 記帳漏れの心配がない
- 侵入者の監視もでき、セキュリティ面も安心
- 万が一の場合、原因追究に役立つ
一方、デメリットとしては、以下の2点があります。
- 他の方法にくらべて、コストがかかる
- 導入に時間がかかる
監視カメラは他の方法と比較すると、担当者が記入する必要がなく、人的ミスが起こりにくいのが大きなメリットです。また「いつ・どこの部屋に・だれが」入ったのか入退室の調査もしやすく、HACCPの推進に向いている記録方法と言えます。
一方で導入に費用がかかったり、維持費がかかるのは事実です。しかしクラウド型の入退室管理システムを選べば、自社にシステムを動かすためのサーバーなどの設備を準備しなくても導入できます。
コストを抑えつつ、導入もスムーズです。紙やExcelなどで調査の手間や入退室管理に人員コストがかかることを考えると、長期的にみてもコスト面で大差ないのではないでしょうか。
他にも、監視カメラだからこそ実現できるHACCPの推進に役立つ機能もあります。続いて、監視カメラの具体的な効果を3つ説明します。
HACCPの推進に監視カメラが効果的な3つの理由
HACCPの推進にあたり、監視カメラを導入した際の効果はどのようなものがあるのでしょうか。監視カメラが効果的な理由は、以下の3つあります。
- 従業員がルールを遵守しているか確認・記録できる
- 誰がどこで何をしていたのか確認できる
- カメラによっては体調の悪い従業員の入室を防げる
1つずつ理由を解説していきます。
【理由1】従業員がルールを遵守しているか確認・記録できる
監視カメラを利用することで、HACCPに沿って立てた衛生管理計画が正しく実施されているか確認できます。万が一ルールが守られていない場合は、該当する従業員に注意することも可能です。
監視カメラはデータを正確に記録できるため、原因を確認したいときに役立ちます。
【理由2】誰がどこで何をしていたのか確認できる
監視カメラは「誰が・どこで・何をしていたのか」を確認したいときにも有効です。手書きやExcelなどに記録する場合、入力漏れが発生してしまう可能性があります。そのため、もしも問題が起きた際に原因を特定するのが難しくなります。
しかし監視カメラのデータがあれば、工程ごとに手順を再確認して問題をすぐに特定することが可能です。
【理由3】カメラによっては体調の悪い従業員の入室を防げる
従業員が出社した際は、入室チェック表などに記録してから作業を始めます。このとき体温を書く項目なども用意しますが、計った体温を必ず従業員が入力するとは限りません。
また「自宅で計った体温を記入し、入室時に高熱になっていることに気づけなかった……」といったケースも考えられます。
高温による菌が増えて食中毒とならないためにも、体温の高い従業員の入室を防ぐ仕組みが重要となります。この点で見ても、監視カメラはとても効果的です。
監視カメラによっては入退室時に体温を測定し、体温が高い従業員の入退室を防ぐことができる場合も。測温ができる監視カメラをお探しの方は、以下からお問い合わせください!
まとめ:HACCPで欠かせない入退室管理には「監視カメラ」が最適
2021年に完全義務化されたHACCPは、食品への異物混入や食中毒などの汚染が起こる原因を予測・分析して、事前に防ぐための衛生管理手法です。
食品の安全を守るためには安全対策をおこない、もしもの場合に原因追究できるように正しいデータを残しておく必要があります。このとき重要となるのが、入退室管理です。
すぐにできる方法としては紙やExcel・アプリなどがありますが、人的ミスが起こる可能性があります。HACCPに沿った衛生管理には、監視カメラで入退室管理するのが最適です。
セキュアでは、用途に合わせてオンプレミスやクラウドの監視カメラシステムをお選びいただけます。監視カメラの種類や導入方法については、以下をご覧ください。