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ワクチン証明書(ワクチンパスポート)とは?発行方法と使い方、デジタル証明についても解説!

コロナワクチン接種が進む中、接種証明書の需要が高まっています。海外では国によってワクチン接種証明書の提示を義務付けている国もありますし、国内でも利用が加速しているのです。

とはいえ具体的にどんな人が取得できるのか、ワクチン接種証明書でできることとしては何があるのかなど、気になる方も多いでしょう。

そこで、この記事ではワクチン証明書について以下の順で解説します。

  • 証明書の発行対象者とできること
  • 証明書の発行方法
  • ワクチン証明書の事業活用
  • ワクチン証明書についてよくある質問

ワクチン証明書についてよく知り、事業展開の参考にしたい方にもおすすめです。

なお、職場や運営施設での「3密」を避ける仕組み作りをご検討の方は、こちらもご参照ください。

ワクチン接種証明書とは?対象者やできることを解説

ワクチン接種証明書の申請が始まったのは2021年7月26日のことで、実際よくわからない人が多いのが現状です。そこで、まずはワクチン接種証明書について以下の順で解説します。

  • そもそもワクチン接種証明書とは?
  • ワクチン接種証明書の対象者は?
  • ワクチン接種証明書でできることとは?
■補足
ワクチン接種証明書・ワクチンパスポートは、「海外渡航用のワクチンパスポートを指す場合」と「国内での接種済証明を指す場合」の2つの意味があります。

本記事では、「国内での接種済証明を指すもの」として記載しています。

そもそもワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)とは?

「ワクチンパスポート」と呼ばれることもある「ワクチン証明書」ですが、正式名称は「ワクチン接種証明書」です。役所では「新型コロナウイルス感染症予防接種証明書」とも。

新型コロナウイルスのワクチンを打ったことを公的に証明する書類で、基本的には申請者が住民票をおいて住んでいる市町村が発行しています。

この公的な「ワクチン証明書」の発行には書面での申請が必要で、何もしなくても自治体から自動的に送られてくることはありません。ワクチン接種時に得られる「接種済証」や「接種記録書」とは別の証明書ですのでご注意ください。

(参考:厚生労働省「海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書について」

ワクチン接種証明書の対象者は?

ワクチン接種証明書の発行対象者は、必要回数ワクチンを接種済みで海外渡航を予定している人です。海外に行くときや日本に帰国する際に、空港防疫をスムーズに行うために作られました。

ちなみに、日本国内でコロナワクチン接種の証明が必要な場合は、接種券に付帯した「接種済証」が使えるので、このワクチン接種証明書は不要です。

(参考:厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」

ワクチン接種証明書でできることとは?

ワクチン接種証明書があれば、渡航先の国によって入国がスムーズになったり、既定の隔離制限が緩和されたりするメリットがあります。

日本へ入国する時も同様です。14日間の自宅隔離期間の短縮はもちろん、検疫所指定の施設で3日間の待機が必要な場合も、免除になる場合があります。

とはいえ、ワクチン証明書がないと海外に行けないわけではありません。あると外国や日本入国時に便利ですが、発行は希望制となっています。

これまでワクチン証明書について以下のポイントを解説しました。

  • 海外渡航予定の人対象の証明書
  • 市役所や区役所など住民票を置く自治体で発行
  • 海外入国、日本入国時のコロナ防疫で優遇される
  • 証明書の発行は希望制

それでは次に、ワクチン接種証明書を発行する方法をみてみましょう。

ワクチン接種証明書を発行する方法

ワクチン接種証明書を発行する方法を解説していきます。

証明書の申請先はワクチン接種を受けた市区町村の役所です。通常、住民票がおかれている自治体になります。

申請に必要なものは以下の通りです。

  1. 役所にある「新型コロナウイルス感染症 予防接種証明書交付申請書」(自治体HPからダウンロード可)
  2. 海外渡航時に使う有効なパスポート
  3. 接種券のうち「予診のみ」部分
  4. 接種済証又は接種記録書
  5. 送料分の切手を貼った返信用封筒(郵送の場合)

(参考:厚生労働省「海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書について」

2021年10月現在、多くの市町村が郵送による申請を行っています。直接行かずに郵送で申し込む場合、必要な書類のうちパスポートと接種券、接種済証は写し(コピー)を送ってください。

自治体にもよりますが、証明書の申請受付からワクチン証明書の発行、郵送まで1週間以上かかることが多いようです。また、引っ越しで1回目と2回目の接種会場が違う市町村になる場合は、それぞれに申請する必要があります。

なお、申請方法について詳しく知りたい方は、厚生労働省のサイトをご参照ください。申請に必要なものを揃えられない場合は、代わりの書類が必要になるため、お住まい地域の自治体に確認することをおすすめします。

(参考:海外渡航用の新型コロナワクチン接種証明書について

なお当面の間、公的なワクチン証明書発行は海外渡航が前提です。しかし、海外ではコロナでひっ迫した経済の回復と防疫対策のため、ワクチンパスポートが積極的に活用されています。そこで続いて、ワクチン証明書の事業活用について紹介していきます。

ワクチン接種証明書を事業活用した事例も増えてきている

ワクチン証明書の事業活用は、ヨーロッパを中心に活発化しています。

フランスではワクチン接種証明のデジタル管理も行い、病院への入場や飲食店入店、イベントなどの参加時にアプリや紙の証明書の提示を義務付けました。ドイツやスペインでも、感染拡大地域で飲食店や屋内イベントの参加に際してワクチン証明書の義務化を進めています。

一方日本でも、地方自治体や民間で独自のワクチンパスポートの事業活用の動きが広まっています。例えば埼玉県川口市と草加市では、商工会議所が主体となって市内の事業者向けに接種済みを証明するカードの発行を始めました。義務ではないものの、接客や営業で「安心安全をアピールできる」とのこと。従業員にカードの発行を勧める会社もあります。

民間企業でも同様です。外食大手のワタミでは、従業員のネームプレートにワクチン接種済マークを提示する計画を発表しました。

また、ワクチン証明書のデジタル化に乗り出した事例もあります。メディカルチェック推進機構とICheck株式会社によるスマホアプリ「ワクパス」は、スマートフォンでワクチン接種証明がデジタル証明できるだけでなく、加盟企業のサービスの割引特典が利用可能です。

なお、ワクチン証明書の事業活用については、以下記事で更に詳しく紹介しています。

参考:ワクチン接種証明書を事業活用するには?2つの例と魅力について紹介!

公的なワクチン証明書はまだデジタル化されていませんが、デジタル庁によると年内を目安に、QRコード(※)に対応したワクチンパスポートアプリを開発中とのこと。リリース後のメリットが期待できます。「もっと知りたい」と思った方は、次の「ワクチン証明書について聞かれる質問と回答」も参考にしてください。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

ワクチン接種証明書についてよくある3つの質問と回答

公的なワクチン接種証明書についてよく聞かれる質問と回答を以下の順で紹介します。

  1. ワクチン接種証明書の発行に費用はかかる?
  2. ワクチン接種証明書の発行はスマートフォンからできる?
  3. アプリでワクチン接種証明はできる?

【質問1】ワクチン接種証明書の発行に費用はかかる?

ワクチン接種証明書の発行に費用はかかりません。ワクチン接種証明書は、接種を受けた市町村の役所にて「無料」で発行してもらえます。しかし、郵送申請のみ対応の自治体が増えているため、その場合は返信用封筒を用意して郵送費用分の切手が必要です。

【質問2】ワクチン接種証明書の発行はスマートフォンからできる?

現時点(2021年10月末)では、スマホからワクチン証明書の発行はできません。役所で手続きをするか郵便による申請と発行が基本となっています。

しかし、デジタル庁の「第1回デジタル社会推進会議」にて、今後ワクチン証明書の発行をスマートフォンでできるようにすることが言及されていました。デジタル庁は接種証明書アプリの開発を積極的に行う方針で、2021年9月17日にはアプリの仕様書を公開し、意見募集も行っています。

この公的なデジタルワクチン証明書は、12月中を目安に提供が可能になる見込みです。

(参考:デジタル庁「今後のデジタル改革の進め方について」

【質問3】アプリでワクチン接種証明はできる?

2021年10月時点、海外渡航者向けの公的なワクチン証明書をアプリで使うことはできません。しかし、民間のワクチンパスポートアプリなら国内でワクチン接種証明が可能です。

例えば、リリース待ちのワクチンパスポートアプリ「ワクパス」は、接種証明だけでなく、賛同企業の飲食店や施設で割引クーポンが使えるため、集客効果が期待されています。また、旅行会社の東武スカイツアーズ、他数社が共同開発した「スマートコロナパス」も、LINEを介してワクチン接種証明ができるアプリです。

ただし、どちらも政府主導のデジタルワクチン証明書ではありません。海外渡航時には有用ではないため注意が必要です。

まとめ:ワクチン証明書はコロナ時代の防疫と経済回復に有効

ワクチン接種証明書についてまとめると以下の通りです。

  • 海外渡航用の公的な「ワクチン接種証明書」と民間企業・自治体独自の「ワクチンパスポート」は別もの
  • 公的ワクチン証明書は、海外及び日本入国シーンで有用
  • 公的ワクチン証明書の申請・発行は接種した市町村の役場で可能
  • 民間・自治体独自のワクチンパスポートを作る動きが活発化
  • 公的ワクチン証明書のデジタル化は2021年12月頃の見込み

ワクチン証明書は、コロナ感染対策だけでなく接種済みの人々の行動を過度に制限しないためにも有効です。公的な「ワクチン証明アプリ」が開発されれば、海外渡航だけでなく国内のさまざまなシーンで、コロナウィルスの感染対策と経済効果が期待できます。

とはいえ、飲食店や娯楽施設、オフィスなどでの「3密」を避け、感染拡大を防止する基本努力は引き続き必要です。まずは人が密集しない仕組みを取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。

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