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メタバースは世界の大企業も注目!ビジネス・エンタメの常識を変えうる技術の詳細とは?

「メタバースってどんなもの?」
「メタバースでどんなことができる?」
「メタバースはどう世の中と関わっていくの?」
このような疑問を抱えていないでしょうか。

メタバースは、アメリカのFacebook社が社名を「メタ・プラットフォームズ」に変更したことで大きな注目を集めました。

日本国内でも音楽ライブやゲームで活用されており、世界的に広まりつつある技術です。

そんなメタバースですが、どんな技術なのかあまり理解できていない人も多いです。

そこでこの記事では、話題を集めているメタバースについて詳しく解説します。読み進めることで、以下のメリットを得られます。

  • メタバースがどんな技術か分かる
  • 世界各国でのメタバース関連の動きを把握できる
  • メタバースで何ができるのかを知れる

メタバースについて詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

Facebookが社名を変えるほど着目!メタバースとは?

メタバースとは「仮想共有空間」という意味で、インターネット上の仮想空間のことをいいます。

メタバースという名前は「メタ(meta=超越した)」「ユニバース(universe=宇宙)」を組み合わせた造語です。

2022年1月現在、メタバースの技術をさまざまな形でビジネスに取り入れようという動きが活発化しています。

エンターテイメント界では、参加料で収益化するバーチャルイベントやバーチャル観光などが行われています。2020年5月に開催されたバーチャルイベントでは、約5万のユーザーを集客しました。

また、メタバースの技術を活用したオンラインゲームも人気を集めています。

NFT(デジタル資産)を活用してアイテムやキャラクターを購入しますが、メタバースにより他のゲーム間の行き来も可能となっています。

今までは、他のゲームでアイテムやキャラクターを使うことはできませんでした。

そのため、メタバースによって従来のゲームの枠に囚われない形での楽しみ方が可能となっています。

これまでも「マインクラフト」「どうぶつの森」「フォートナイト」などのように、複数人が仮想空間で活動するゲームが人気でした。

上記も、オンラインの仮想空間と現実がリンクしているという広義では、メタバースに該当します。

海外におけるメタバースの動き

海外では、メタバースを活用する動きが活発化しています。

アメリカのFacebook社は、2021年10月に社名を「メタ・プラットフォームズ」に変更しました。これは、メタバースのイメージを強くアピールする目的があります。

メタバースによる収益はまだ生まれていませんが、メタ社では1兆ドルものビジネスチャンスを見込み、長期的な投資を行う予定です。

同じくアメリカのマイクロソフト社も、オンラインツール「Microsoft Teams」をメタバース仕様にする計画を発表しました。

Microsoft Teamsはチャットやビデオ会議を行えるオンラインツールで、メタバース仕様として3Dアバターを導入する予定です。

3Dアバターによってビデオ会議での存在感を高め、参加者の関わりを深めることを狙っています。

また、2021年9月には中国のアリババグループが、メタバース関連の商標登録を申請していることも発表されています。

商標登録を申請しているのは、オンラインモールやチャットアプリといったサービスです。

このように2022年1月現在、世界的にメタバースへの関心が強まっているのです。 

国内のメタバースの動き

海外だけでなく、日本国内でもメタバースに投資・参入する企業が増えています。

2021年11月9日、KDDIや東急が中心となり、都市連動型メタバース「バーチャルシティコンソーシアム」が発足しました。

バーチャルシティコンソーシアムでは、2022年春にプラットフォーム構想「バーチャルシティ」を展開する計画です。メタバースの発展に向けての研究や、情報発信に取り組むことを予定しています。

さらに2021年12月7日には、暗号資産交換事業者4社がメタバース協会を設立しました。

メタバースの技術や関連サービスの普及のほか、健全なビジネス環境の整備を進めることが目的です。

メタバース関連の情報を国内外から集め、将来的には日本を「メタバース先進国」にすることを目指しています。

また、2021年12月4〜19日には「バーチャルマーケット2021」が開催され、100万人を超える人が来場していました。

100万人以上の来場があったことで「バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの最多数」として、ギネス世界記録(TM)認定を受けています。

新型コロナによる自粛要請で、外出せず自宅で過ごす時間が増えました。こういった世界情勢も影響し、日本国内でも今後更なる広がりが予想されています。

メタバースに注目が集まる3つの理由

メタバースに注目が集まっているのは、以下3つの点が大きな理由です。

  • リアルな仮想空間で活動でき、活用の幅が広い
  • ブロックチェーンを利用しており、仮想通貨での安全な取引ができる
  • テレワーク時のコミュニケーション手段としても有効

VR技術が進歩したことで、仮想空間を利用する心理的なハードルは低くなっています。

それにより、メタバースで行われる経済活動やコミュニケーションに世界各国の企業からの注目が高まっています。

では、メタバースでは具体的にどういったことができるのでしょうか?次はメタバースでどのようなことができるのか、詳しく見ていきましょう。

メタバースでできること5つ

メタバースを活用することで、以下5つのことが可能となります。

  1. 没入感の高いVR・ARゲーム
  2. バーチャルコンサート・イベントの開催
  3. 仮想通貨による投資・資産運用
  4. 企業のリモート会議・共同作業をスムーズに
  5. Eコマース・サービス提供の場を提供

ひとつずつ詳しく解説します。

【できること1】没入感の高いVR・ARゲーム

VR・AR技術の進歩によって、仮想空間でアバターを使った現実に近い感覚のゲームを楽しめるようになりました。

VRは「Virtual Reality」の略称で、ゲームではリモコン操作によって自分の動きがプレイに反映されます。 

そのため、限りなく現実に近い映像体験が可能です。

VRゲームには、アニメ化作品をもとにした「ソードアート・オンラインVR(スマホゲーム」やリズムアクションゲームの「初音ミクVR(プレイステーション5)」などがあります。

ARは「Augmented Reality」の略称で、現実世界にバーチャル映像を重ねる「拡張現実」を使ったゲームを実現しています。

ARを使ったゲームは「ポケモンGO」が最も有名な作品です。ポケモンGOプレイ画面を見れば、ARがどんなものかイメージしやすいでしょう。

【できること2】バーチャルコンサート・イベントの開催

メタバースの技術により、アバターを使ったライブやイベントを開催できるようになっています。

2019年のフジロックフェスティバルでは、会場をメタバース上で再現し、来場していない人もライブの体験を共有できるようにする試みが行われました。

人気バンドの「RADWIMPS」も2020年12月と2021年7月の2度、バーチャルライブを実施しています。

バーチャルライブプラットフォームを提供する「Wave」は、日本円で約43億円の資金調達に成功しており、今後さらなる拡大が予想されます。

また、オンラインゲームの「フォートナイト」も10代〜20代に人気が高いです。

2020年には多くのYouTuberが実況動画を公開し、最高同時視聴者数で1位を獲得するほど世界中で人気のゲームとなっています。

【できること3】仮想通貨による投資・資産運用

メタバースによって仮想空間でゲームするだけでなく、商品を作り売買することも可能です。

商品の売買は、VRプラットフォームの「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」や「Decentraland(ディセントラランド)などで行われています。

「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」では、保有する土地の売却やデジタル通貨の売買が可能です。

実例では、米バスケットボールリーグ選手を扱ったトレーディングカードゲーム「NBA Top Shot」が、月間売上250億円を記録しています。

また、仮想通貨を使った土地売買や貸借で、資産運用も可能です。

「Decentraland(ディセントラランド)」では、ゲームで使用するキャラクターやアイテムを自作できます。

作成したものはNFTマーケットプレイスを通じて販売できるので、ゲームを通じて収益を得ることが可能です。

仮想現実とブロックチェーン技術の融合によって、ゲームで遊ぶだけでなく収益につなげることも可能となりました。

【できること4】企業のリモート会議・共同作業をスムーズに

メタバース技術は、コロナ禍の働き方改革に役立ちます。具体的には、企業のリモート会議や共同作業の面です。

これまで活用されてきたオンライン会議ツールには、以下の問題点がありました。

  • 同じ場所にいる感覚が薄い
  • 参加者の表情や雰囲気を掴みにくい
  • オンラインだが、自分の身なりに気を遣う

メタバース技術を活用すれば、上記の問題点を解消したリモート会議・作業が可能となります。

メタバースによる仮想空間では、現実世界での顔や手の動きを表現できます。

空間再現の技術により相手との距離感もリアルに表現されるので、対面に限りなく近い感覚で会議が可能です。

また、複数人で話し合い、内容をホワイトボードに書き込むような共同作業も行えます。

メタバースの技術を活用すれば、企業の総務が在宅でリモートオフィス運用したり社員の位置を把握したりといったことも、より高い精度で行えます。

そのため、これまで以上に出社しなくてもできることが増えると考えられています。

【できること5】Eコマース・サービス提供の場を提供

メタバースによりEコマース・サービス提供の場を作り、仮想空間でのマーケ・販売活動が可能となります。

具体的な事例は、2021年12月に行われた「バーチャルマーケット2021」です。

バーチャルマーケット2021では、衣類や雑貨のセレクトショップである「BEAMS」の社員がアバターで接客を行っていました。

接客はヘッドフォンとマイクを通してユーザーと肉声で会話したり、コントローラーを使ってスタッフアバターの身振り手振りを表現したりと、リアルタイムでの接客に近いものです。

また、バーチャルマーケット2021では、現実の渋谷を再現した「パラリアル渋谷」があり、その中に「バーチャル大丸・松坂屋」が登場しました。

バーチャル大丸・松坂屋では、3Dの食品モデルで商品の価格や詳細を確認し、実際に購入も可能でした。

さらにバーチャル大丸・松坂屋内で100人以上が集まる「メタバース宴会」も開催され、大きな盛り上がりとなりました。

メタバースの技術は、これまでにない新しい形での商品販売を実現しています。

メタバースに参入した企業の事例5つ

メタバースへの投資は、日本を含む世界各国の企業が行っています。具体的には、以下のような参入事例があります。

  1. NIKEによるビデオゲーム会社との連携
  2. Tencentのオンラインゲームの参入
  3. ライブ配信アプリ「REALITY(リアリティ)」
  4. バーチャル空間ツール「oVice(オヴィス)」
  5. Microsoftのオンライン会議ツール「Mesh for Microsoft Teams 」

順番に見ていきましょう。

【事例1】NIKEによるビデオゲーム会社との連携

スポーツメーカーで知られる「NIKE」も、メタバースでのバーチャル商品の展開に乗り出しています。

NIKEは、NFTスタジオである「RTFKT」の買収を発表しました。RTFKTはアメリカのビデオゲーム会社「ATARI」と提携し、デジタルでデザインされたスニーカーを実際に商品化し販売しています。

NIKEによるRTFKTの買収は、仮想世界から現実世界でのスニーカーの売り上げにつなげる狙いがあります。

また、ビデオゲームの「Roblox」と提携し、メタバース内に「ナイキランド」を開始しました。

ゲーム内でNIKEのアイテムを使用可能にしたことで、仮想世界でのスニーカー販売がさらに加速すると予想されます。

【事例2】Tencentのオンラインゲームの参入

中国のIT大手「Tencent」も、メタバースへの参入を進めています。今後メタバースへの本格的な参入が予想されるのは、Tencentによるオンラインゲームです。

中国のオンラインゲームは、世界的に人気を集めており、Tencentの得意分野でもあります。

Tencentのメッセンジャーアプリ「Wechat」やSNSの「Qzone」をメタバースへと発展させていくことで、さらなる市場規模拡大が見込まれています。

現在中国では規制が厳しく、FacebookやTwitterといったSNSを活用できません。そのため、世界中の人にサービスを利用してもらう手段として、メタバースは非常に適しています。

【事例3】ライブ配信アプリ「REALITY(リアリティ)」

ゲーム大手GREEが、今後の2〜3年で100億円規模の事業投資を行い、メタバース事業に参入することを発表しています。

GREEではこれまで、バーチャルライブ配信アプリ「REALITY」で、アバターを使ったコミュニケーション体験を世界中に提供してきました。

メタバースの普及を受けて今後は、100%出資の会社を立ち上げ、REALITYをメタバース事業にして、全世界向けに数億ユーザー数を生み出すことを目指す方針です。

【事例4】バーチャル空間ツール「oVice(オヴィス)」

バーチャル空間ツールの「oVice」は、Zoomと提携したチャットツールです。oViceを通じて、毎日世界で100個以上の仮想空間が開設されています。

oViceはもともとコミュニケーションツールでしたが、ビジネスメタバースへと進展しています。

oViceを使えば、アバターを通じて仮想空間内を自由に動き参加者とのコミュニケーションが可能です。

空間内全体に音声を伝えられる「スピーカー機能」もあるので、実際の会議に限りなく近い状態で参加者と話せます。

【事例5】バーチャル空間ツール「Mesh for Microsoft Teams」

Mesh for Microsoft Teams は、2022年にMicrosoftからリリースが予定されているTeamsのメタバース機能です。

以下のように、バーチャル上の空間でミーティングが可能となります。ちょっとしたしぐさや手ぶり・身振りなどでの表現もしやすくなるのは魅力です。

出典元(動画):Satya Nadella Ignite 2021: Mesh for Microsoft Teams

Teamsに限らず、こういったオンライン会議のメタバース参入は増えていくのではないでしょうか。

メタバースに関してよくある2つの質問と回答

ここまでに解説した以外にも、メタバースに関する疑問はさまざまです。

そこでここからは、メタバースに関してよくある2つの質問に回答していきます。

  1. メタバースはセキュリティ的に安全か
  2. メタバースとNFTとの関係性は?

順番に見ていきましょう。

【質問1】メタバースはセキュリティ的に安全か

メタバースは、ブロックチェーン技術を活用すれば、セキュリティ機能が高く限りなく安全です。

ブロックチェーンでは、ひとつの取引データを複数のコンピュータで管理する仕組みです。

管理しているコンピュータすべてをハッキングすることは事実上不可能なので、メタバースのセキュリティ機能は高くなっています。

従来の方法では、ひとつのサーバーで複数のデータを管理しており、サーバーをハッキングされれば、複数のデータが漏洩する状態でした。

そのため、ブロックチェーンを活用することでセキュリティが高まり、メタバースはより安全なサービスになるのです。

【質問2】メタバースとNFTとの関係性は?

メタバースに関する話題では「NFT」も一緒に出てくるので、関係性を疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。

NFTとはデジタル資産のひとつで、ブロックチェーン上で取引され偽造不可な鑑定書・所有証明書が付いているのが特徴です。

ブロックチェーンを使うことで、アートやゲーム内のアイテムに作者や所有者の情報を追記できます。

これによりブロックチェーンを活用したメタバースでは、デジタルアートを唯一無二の商品として売買できるようになっています。

ブロックチェーンの仕組み上、デジタルデータも複数のコンピュータで管理されるのでコピーや改ざんは不可能です。

つまりNFTによってデジタルデータに固有の価値が生まれ、商品としての販売もできるようになったのです。

また、メタバース上では、音楽やイラストなどのデジタル資産をNFTとして扱えます。

過去にはテスラのイーロン・マスク氏の音楽作品に約1億円、VRアーティストのせきぐちあいみ氏が出品した作品が約1,300万円で落札されたことがあるほどです。

まとめ:メタバースの今後の動向に注目

メタバースはビジネス関係だけでなく、ゲームや音楽など幅広い分野で活用され始めています。

さらに普及していけば、これまでの生活を一変する変化がやってくるかもしれません。

メタバースの技術はまだ発展途上なので、今後急速な広がりが予想されます。さまざまな可能性を秘めているメタバースの動向に注目しましょう。

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